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人参は癌に効くのか?自問自答

2008-01-31 12:29:36 | 漢方ガン治療

人参を癌の患者さんに処方することが多い。自問自答である。効くのであろうかと。西洋抗がん剤の副作用を軽減するには野山人参がいいことは経験的に理解している。ところが直接的な抗癌作用があるのかないのかという問題となるとまだ自信がないのが実情である。そこで基礎実験のデータをあつめてみると、

1.実験的にマイトマイシンなどの抗がん剤の作用を増強させ、

 抗がん剤による白血球減少などの副作用を有意に改善する。

つまり、人参成分には西洋抗がん剤の効能を高め、かつその副作用である白血球減少などを防止できるということはたしかである。癌治療において、西洋と東洋の知恵を一緒にすることが現在求められている理由である。

2.実験的に、異物を貪食する大食細胞を活性化するとともに、 

リンパ球のナチュラルキラー活性を増強する。

がん細胞を生体にとっての異物として、がん細胞を攻撃する細胞性免疫機能を、人参は活性化するということであり、その抑癌効果ががん防止につながると考えられているわけだ。今流行の活性化リンパ球移入療法や樹状細胞免疫療法と一脈を通じる作用がある。 

疫学調査によると、平素人参を愛飲している人達では、がんの発生率が低いといわれていることも大事なデータである。

3. 放射線療法に伴う骨髄抑制を防止する。

これまた、抗がん剤や放射線療法と併用して人参を服用することが推奨される理由です。

4.癌腫瘍内の血管の内皮細胞の増殖を抑え、癌組織の血管新生を抑制することによって、癌組織を栄養不足に陥らせ癌組織の発育増殖を阻止する。

以上ように、抗腫瘍効果や、西洋抗がん剤の作用を増強させる効果、西洋抗がん剤、放射線療法の副作用を防止する効果、がん組織を縮小させる効果などは、

人参の癌治療における幅広い有効性を側面から証明するデータは多い。しかし、いわゆる西洋抗がん剤のような試験管内での細胞障害性を立証するデータは無いようだ。


本物の人参には最早手がでない?

2008-01-30 22:02:46 | 健康・病気

癌で極度の消耗を来たしている患者さんには小生は迷わず人参を勧めている。しかし、値段が高いのが問題であり、正直言って、患者さんによっては経済的な負担が大きい場合には本物の人参は処方できない場合が多い。

人参(にんじん)には養殖人参と野生人参がある。

もちろん本物の野生人参が高貴薬であり、吉林省長白山で産出されるものが最良とされ、価格は一般の養殖人参の数十倍以上もする。現代中国の野生人参の国家等級の最低ランク5等級でも、

1gあたり400元(日本円で6000円)以上もする。全体で11g~15g以上の国家1等級の野生人参ともなると、

最低価格が600元(日本円で9000円)以上であり、例えば11gの人参は、単純計算で99千円が最低価格となる。つまり純金より高いのである。

野生人参は何ゆえに、かくも高いのかといえば、生産量が少ないという理由はもちろんのこと、その優れた薬効にある。

中国の長寿富裕層で万能薬として愛されてきた野生人参の効能は古来より次のように賛辞され、半ば信仰に近いものすら感じる。

人間の生命力を増強し、手術前 病中 病後の体力増強 回復に優れ、免疫力の増強(防癌 抑癌 制癌)はもちろんのこと、男性においては

性能力の維持 増強 回復(回春)に、女性においては早期更年期障害の改善(更年期が早く始まる女性に良い)に効果絶大であるという信仰である。

現代の薬理学による人参の分析は始まったばかりである。今までの知見をのべてみると、

1.ホルモン系を介する唾液腺の活性を高める

唾液腺の働きは単に消化液を出すにとどまらず、老化を防止する唾液腺ホルモンの働きが注目されており、

人参が唾液腺の働きを活発化させるという事実は、アンチエイジング(抗老化)の観点から注目されている。「よく噛んで食べろ」の教えは正しいのである。

2.動物実験で血糖を下げることが確認されている。

この作用は、生体の臓器の糖の利用を、人参が活発化させることと関係していると言われています。しかし、インスリンの絶対量が極端に不足している1型糖尿病では効果が薄いようである。

3.慢性炎症に伴う血液の過凝固状態を改善し、結合組織の増殖を抑える

この作用は、慢性の炎症性疾患の治療に人参が役に立つという可能性を示しているが、局所の熱がある場合には慎重に使用したほうがいいのが小生の経験である。

4.人参には造血機能を活性化させる成分が含まれる

古来より「気は血を生む」と中国漢方では言われており、

気を補う補気剤として代表的な人参は造血機能の改善を介して、

貧血や白血球減少に対する効果が優れている。この作用は、小生の経験では西洋抗がん剤による骨髄抑制からの早期回復に絶大なる効果をしめす。また、ある種の貧血症に対しても著効がある。

野山人参が高くて手が出ない場合には、仕方なく養殖人参を使用しているが、満足のいく効果が得られない。歯がゆいばかりであるが仕方がない。本場中国ですら、国民100万人に一人程度しか本物の野山人参は常用できないのが現実だからである。中国の人口を10億人と概算すると1000人の中国人が1日1gの野山人参を服用すると仮定すると、中国全体の野山人参の年間産出量をはるかに越えてしまうのである。


どうやって漢方で長生きするのか?

2008-01-27 08:43:49 | 漢方

つまり寿命を延ばすにはどうしたらいいのか?ということになる。

平均寿命では日本は世界一の長寿国である。長寿国の日本人の寿命をさらに延ばすにはどうすればいいのだろうか?入院しながら介護を受け、延命治療を受けないで、健やかに長生きするには?という意味である。

死因消去法が参考になる。

日本人の三大死因とは?

  癌に代表される悪性新生物―― 漢方で防癌 抑癌する。

  心筋梗塞に代表される心臓病― 漢方で活血化 降脂 つまり動脈硬化を予防する。

  脳梗塞、脳出血などの脳血管障害―漢方で活血化 血管強化 降脂、 

  これも動脈硬化の予防ということになる。

これでも不十分である。健やかに老いていくには

  食欲を保つようにするーー漢方医学では中気を保つという。

  怪我をしないようにするーー日常的な注意である。

  快眠ーー漢方的には養心とか寧心安神という。

  快便 快小便ーーこれを漢方的には通利二便という。

  足腰を強くするーーこれを強腰筋骨という。

これらの漢方治療の際に、中国では古来より漢方高貴薬として、次の4つの薬が珍重されてきた。

古来より、中国の長寿富裕層ではつぎのように言われてきた。

野生人参を11g飲めば、1日以上寿命が延びる。しかし高価なので富裕層だけの特権になりつつある。

  霊芝を15g飲めば、1日以上寿命が延びる。しかしこれも野生の霊芝も高価で富裕層の特権になりつつある。

  冬虫夏草を11g飲めば、1日以上寿命が延びる。これも高価になり、もはや庶民には手がでない。

  田七人参を13g飲めば、動脈硬化を予防できる、、、、、と。 これはまだ高価でないために庶民でも手が届く段階である。

人の寿命も金次第ということになりつつある。

長生きの家系というものがあるらしい。それは遺伝的背景があると同時に、上記のような社会的背景も存在するのは確かだ。