がん患者はどんな原因で死ぬのか? 癌で死なないために (9)
悪液質の改善
祛瘀(きょお)薬はなぜ必要か?莪?(がじゅつ)三棱(さんりょう)など
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莪?(がじゅつ) 三棱(さんりょう)
がんの悪液質には、気の流れが悪くなり、血液の淀みがおこり、瘀血(おけつ)が生じるプロセスが必ず関与します。これを気滞血淤(きたいけつお)といいます。瘀血(おけつ)の生じる原因は気滞だけではありませんが、がんには必ず気虚証が伴いますから、気滞を瘀血の第一原因として考えてもいいでしょう。
瘀血(おけつ)とは中医学的な概念です。近代科学的に瘀血を定義する試みも始まっていますが、詳細については後述します。
漢方医学的な莪?(がじゅつ)三棱(さんりょう)の効能
莪?、三棱の薬理作用は、漢方薬学では破血祛瘀(はけつきょお)といい、血の淀みを破るほど強い瘀血を除く作用があると説いています。一方、行気止痛(ぎょうきしつう)といい、気の淀みも改善し、痛みを止めると説きます。
つまり、理気(行気)作用と瘀血を除く作用の両者の性質を持つと考えていいかもしれません。私個人の感覚では、莪?(がじゅつ)は理気薬である木香(もっこう)に強い瘀血を取り除く作用を付与したものに近く、三棱(さんりょう)は同じく理気薬である郁金(うこん)の瘀血を除く力をより増強させたものに近いものという印象があります。以上の理由から、
莪?(がじゅつ)三棱(さんりょう)はがん悪液質を改善し、患者の生活の質(QOL)を向上させる働きがあります。
同じように、瘀血を除く作用のあるものには、丹参(たんじん)田七人参(でんしちにんじん)紅花(べにばな)などがあります。
{丹参、田七、紅花については過去の稿をご覧ください。}
最近の研究
① テルペン類が、がん組織の増殖を抑える働きがある
② クルクミンが免疫力を増強し、がん予防効果がある
③ エレメンが、がん細胞の自然死(アポトーシス)を誘導する
“人類への自然からの贈り物”である漢方生薬の現代的な研究はがん治療に大きな進歩を与えてくれるものですね。
自然を後から分析研究して、初めて、大いなる自然の力に驚かせられるのが、人類とも言えそうです。
今日もまた、がん悪液質との闘いが始まります。