本日の漢方市民講座は「糖尿病性腎症の補脾腎活血利湿法」の最終医案です。
( )内に、随時私のコメントや印象を入れます。
それでは、医案に進みましょう。
患者:梁某 56歳 女性
初診年月日:2005年 6月13日
病歴:
20余年前、誘因なく頻尿、尿道の痒みが出現。抗炎症薬を自分で飲んで症状は緩解し、重要視しなかった。4年前、明らかな誘因なく眼瞼浮腫が出現、現地の医院を受診、尿蛋白2+、尿潜血3+、空腹時血糖13mmol/L(234mg/dL)、“糖尿病性腎症”と診断され、降糖治療を受けた。4ヶ月前、悪心、乏力でハルピン医科大学付属第一病院受診、腎機能検査にてCre369.5μmol/L(4.18mg/dL)、“糖尿病性腎症、慢性腎不全”の診断の下に、降圧、?酸(アシドーシスの補正)治療を受けたが、病情不緩解、治療を求め、氏の病院を受診した。
初診時所見:
面色少華、食欲不振、時にゲップ、悪心嘔吐、胸悶、気短、大便干2回/日、舌淡紅、苔厚膩、脈沈滑。Cre440μmol/L(4.97mg/dL)と上昇、ヘモグロビン10.7g/dL。
中医弁証:虚労(脾腎虚、濁毒瘀血内蘊)
西医診断:糖尿病性腎症、慢性腎不全
治法:補脾腎、化湿濁、活血化瘀
方薬:温胆湯(うんたんとう)加減
草果仁15g 大黄10g 半夏15g 陳皮15g 茯苓15g 甘草15g 竹筎15g 枳実15g 砂仁20g 赤芍20g 丹参20g 川芎15g 山茱萸20g 枸杞子20g 熟地黄20g 麻子仁20g 郁李仁15g 黄耆30g 太子参20g
水煎服用、毎日2回に分服
(印象:温胆湯加減もありますが、参蓍地黄湯加減でもあります。以下
黄耆30g 太子参20gで益気生津の参耆、山茱萸20g 枸杞子20g 熟地黄20gで養腎陰、草果仁15g 砂仁20g 大黄10