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金銭草と虎杖根 共通点と相違点

2012-11-02 00:15:00 | アンチエイジング

はたらけどはたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢっと手を見る

石川啄木の詩(うた)です。享年26

昨今なら「どこかに金(かね)や銭(ぜに)になるものが転がっていないか?」と品が悪くなります。転がってみたものの、己が描いた油絵が逆に見えるだけです。

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写真 寝転がっての、下から視線の自分の部屋

本日の漢方市民講座「金銭草

中薬学で対照比較が必要な15薬を挙げれば以下のようになります。15x2プラスアルファで計33薬です。

中薬学対照比較薬 計33

金銭草(利湿退黄)-茵陳蒿

生地黄(清熱涼血 養陰生津 清裏熱作用)玄参

熟地黄(養血滋?、補精益髄-補血補腎陰の要薬) 阿

石膏(清熱火(気分実熱症) 清熱収斂生肌(外用 硬石膏))知母

柴胡(和解退熱 疏肝解郁 昇挙陽気葛根 升麻

大黄(下攻積の要薬)-芒硝

川楝子(清熱理気 虫止痛)

(活血祛瘀-行気祛瘀-調経の要薬)-乳香、没薬、元胡

何首烏(補益精血、潤腸通便)

紅花-(活血祛瘀-温経祛瘀)-桃仁

茯苓(利水?湿)-猪苓-澤瀉苡仁

、黄連、黄柏(清熱燥湿)(苦参)(


禿げ(はげ)は漢方で止められる。 自己経験から

2012-10-26 00:15:00 | アンチエイジング

昔は誰でも若かった。30年以上前、今でも知り合いの2

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写真0 中学三年生の時に、須磨の海岸で 当時15

今から7年前のある夕べ、知人の誕生日に三宮の蟹道楽へ招待した。

エレベーターに乗ってふと上をみると監視モニターの壁掛け液晶に

男性の頭頂部が写っている「ずいぶん禿げたおじさんだな」と感じた

途端に、それが自分の頭頂部であることに気がついた。

実はその1年前に、物件探しで<msnctyst w:st="on" addresslist="28:兵庫県神戸市;" address="神戸市">

神戸市

</msnctyst>内を物色して歩いた時に、

見学した物件の写真を撮っていたが、その数枚の写真の中に、

禿げている自分を見つけて心配になっていたのだ。

それから1年後に知人に頼んで禿げた頭の写真を撮ってもらった。

Photo_2 写真1

それから、2年後、郷里の会津に盆の墓参りで1歳違いの弟と

母親の3人で撮った写真がこれである。

Photo_3 写真2

弟は黒髪豊かな美少年であったが、ご覧のとおり、

頭髪を殆ど失っている。

母方の祖父が早くから禿げていたというから、

隔世遺伝か、あるいは、弟の過敏な神経が頭皮に悪影響を

与えたのかもしれない。彼はいまだに独身である。

いちいち自分の禿のために、薬を煎じている暇は私にはない

そこで、手軽に飲める丸薬にして、

欠かさず服用を開始したのが6年前、その結果、

服用開始ご半年でようやく脱毛がとまった

Photo_4 写真3

パソコンいじるせいで、眼精疲労も強いので、

これも丸薬にして一緒に飲むようにしたのが、3年前で、

半年で 脱毛から生髪に変化してきた。

Photo_5 写真4

あきらめないで、まあ自分が剥げては、

漢方医の恥であるからと妙な自覚を持ち、飲み続けて更に半年、

少しは生髪が進んだようだ。

Photo_6 写真5

そして、最近、まあ何とか形になってきた。

7年間禿げが進まず生髪してきた実例です。

継続が現在をつくる。過去の検証を行うことで

誰も知らない未来への危機管理が出来るというのは持論であるが、

このまましばらく行くつもりだ。

肌の調子もいい。しっとりとして、がさつかない。

これも漢方のおかげである。還暦過ぎの手足である。

Photo_7

Photo_8

写真6、7

性格は模範にならないが、剥げの予防とか、肌の若さは

医師が患者さんの規範になるべきだ。

一方、「お医者さんと一緒に禁煙しましょう」とビラ

を院内に貼っているものの、微妙どころか、

平気で禁煙を破ってしまう。

ドクター康仁 記


老いたらどう暮らすのか?精神を健全に保つには?

2012-10-20 00:15:00 | アンチエイジング

老年期の精神衛生

老いて衰え死んでいくのは抗えない事実。ただし、普段から老年期の精神衛生、つまり老衰についての規律を認識すれば、晩年を過ごすのによろしく、古今の医者が研究目標とした。

明代の?廷賢(日本語で読むとゴンテイケン)は「寿世保元」にてこう説いている。「老いたるものは穏やかに暮らすも、さらに筋力を大切にし、静かに座り、みだりに他人の遊山や酒色の誘いに付き合ってはならない。これが戒めその一である。

贅沢はせず、家の成功失敗に気を取られることなく、悠々自適に暮らす。戒めその二である。

華美な服装をやめ、薄い衣をまとい、その脱着には、風寒、暑湿の侵入に注意、摂生に努める。戒めその三である。

暖かいものを飲み、寒冷の飲食物は避け、腹八分目で、生や硬い食品は避ける。あわてて大食いしない。時に、健脾 理気 補養薬を服用する。その四である。

夜更かしをせず、とんでもない早起きもしない。その個人の生活のリズムに合わせるのが良い。戒めその五である。

子孫の孝不孝を問わず、死出の衣装や棺桶は自分で用意しておく。身体は強健であっても、四季の寒熱の変化、朝の常が夕には常ならずの如く、人も同じである。第六である。

家が貧しく、子孫が賞賛するほどの人物になっていなくても、家系を保ち、老いては門を閉ざして、正座し、欲を出さない、そうなくば、却って煩悶や恨みの感情にさいなまれる。是非とも、煩悩、憤怒を抑えて、天寿を全うする。気功、太極拳、按摩も健康維持にはいいであろう。心身を調節して「残陽=余命」を延長し、100歳を越えて死ぬのもよし。

      あくまで明代の?廷賢の言です

本日の漢方市民講座 続「中医診断学入門No

問診 二便を問うinquiry of urination and defecation 大便defecation

便秘constipationの7つの原因と鑑別

津液不足 consumption of body fluid

    実熱(熱結腸道といい、

発熱、便秘の陽明腑実症が典型)

②陰虚(紅舌、少苔、無苔、脈細数)

③血虚(やがては津液不足になる、蒼白舌など)

 蠕動減弱 decreased peristalsis

    気虚

(疲れると便秘になる、淡白舌、少気懶言、動即耗気)

②陽虚 寒症(畏寒肢冷)

③気滞症(狭義の肝うつ気滞:うつ、いらいら、脈弦)

⑤痰濁(肥っている、胖大舌、だるい重い、厚苔)

下痢diarrhea ①溏泄(あるいは便溏)泥状便(大便溏薄)

           ②泄潟 水様便

下痢の6つの原因と鑑別

    脾気虚(脾胃虚弱)

(泥状便 易疲労感 萎黄、先乾後溏が多い)

渇泄や脱肛、肛門の下垂感を伴えば脾気下陥という

②肝うつ脾虚(腹痛が排便の後も軽減しない痛瀉)

③湿阻(暑湿、湿阻の下痢には香正気丸)

④大腸湿熱(裏急後重を伴う、悪臭便、肛門灼熱感)

⑤脾腎両虚の下痢(「五更泄潟」(下痢清穀が多い)

=鶏鳴泄潟、黎明潟)

⑥食積(下痢の後に腹痛が軽減)

用語説明

下痢清穀=完穀不化(食べたものがそのままでる)陽虚が多い

付言 いわゆる血便の漢方用語

タール便 遠血

下血   近血

近頃はいつでも薔薇や百合を楽しめるようになりました。


脱毛ほど悲しいものはない 続編

2012-08-02 13:35:36 | アンチエイジング

老いを感じさせる脱毛 健康保険内での治療とは?

56歳 女性 手 後頚部を合併する脱毛症例

介護職に就いている。手掌、後頚部の痒みと脱毛を主訴に来院された。手掌にはいわゆる角化の目立つ主婦湿疹と後頚部には赤みを伴う腫れ、表面の軽度の落屑を伴う湿疹が見られる。頭皮には軽度の痒みが出現することがある。

20100910_003 20100910_001

初診時 主婦湿疹と後頚部湿疹

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康仁堂風止痒方 養陰清熱潤膚方により2ヶ月後には痒みや湿疹は治まった。

各方についての説明は本稿の目的ではないので省略する。

さて問題は脱毛である。保険内診療を希望された。

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初診時頭部所見 頭頂部を中心に脱毛が広がっている。頭皮には若干の赤みがある。

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2ヵ月後の頭部所見 痒みは収まっているものの脱毛は進行している

老いをどう捉えるか?日本漢方は「瘀血」という観点から捉えることが多い。中国医学では「腎虚」として捉える。前稿で紹介した康仁堂28味生髪方を再度記載する。

Jpeg 康仁堂28味生髪方

杜仲 桑寄生 菟絲子 肉蓯蓉 枸杞子 何首烏 熟地黄 当帰 白芍 川芎 桑椹子 益智仁 酸棗仁 五味子 黄耆6g 桂枝4.5g 竜眼肉 側柏葉 補骨脂 女貞子 旱蓮草 茯苓6g 白朮4.5g 遠志 牡蠣 丹参 山薬 大棗6g

熟地黄 当帰 白芍 川芎 丹参は養血活血に作用する。「瘀血」の観点を考慮したものだ。杜仲 桑寄生 菟絲子 肉蓯蓉 枸杞子 何首烏 桑椹子 益智仁 竜眼肉 補骨脂 女貞子 旱蓮草などは補腎陰陽 補肝陰を目的にしている。生薬の個々の説明は後稿で行うつもりだが、つまり生体のエネルギー的根源の「虚」とも言うべき「腎虚」を考慮したものだ。腎と肝は平たく言えば親戚関係である。相生関係という。したがって、補肝腎作用を持つ生薬を配合している。古来からの言い回しで補腎肝とは言わない。補肝腎と言う。

保険の効く方剤には補肝腎作用のある適当な方剤がない。そもそも脱毛が保険適応になる方剤が皆無なのだ。そこで、次善の策として人参養栄湯を選択した。

人参養栄湯(にんじんようえいとう栄養を逆さまに養栄と書く。ツムラの番号で言えば108番で、出典は和剤局方である。

十全大補湯(八珍湯+黄耆肉桂)から川芎を除き遠志 五味子 陳皮を加えたものである。党参 茯苓 白朮 炙甘草 当帰 熟地 白芍 黄耆 肉桂 遠志 五味子 陳皮が組成である。

「保険診療の手引き」には、虚症、寒症に用い、病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血とあり、呼吸困難は適応外とある。どこにも脱毛は出てこない。」

ところで、中国医学では慢性疲労は気血が不足するため起きるという因果律を持つ。「脾は後天の元であり、気血を生化し、四肢を主る」という。慢性疲労は脾気虚と関係が深く、脾気虚は「清陽不升 濁陰不降」の病態を起こす。脾気虚が進行すると、腎に波及し治りにくくなり、久病及腎となる。さらに「久病挟瘀」「痰成怪病」の表現にあるように、瘀血や痰飲などの病理産物が体にたまってきて病状が悪化する。脾気を補い清気を上昇させる必要がある。一般的に、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)加減を行う。補中益気湯(脾胃論):組成は黄耆1530人参白朮炙甘草6 柴胡3升麻3 当帰陳皮6 効能は補中益気 昇陽挙陥 甘温除大熱である。

康仁堂28味生髪方に黄耆が配合されているのは、「気は血を生む」の基礎理論による。黄耆と当帰の組み合わせは当帰補血湯にある。髪は「血余(けつよ)」と言う。生髪には養血が必要であるという経験的根拠を示すのが「血余」である。ただし補中益気湯には安神剤の配合が無い。

人参養栄湯には精神安定作用のある遠志や五味子が配合されているのがいい。康仁堂28味生髪方には、酸棗仁や牡蠣をくわえさらに安神作用を強化している。補肝腎薬、補陽補陰薬に欠ける人参養栄湯ではあるが治療経過を観察する。

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6ヵ月後 広がった脱毛部位に生髪が観察される。

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写真 直近の頭皮 脱毛はほぼ止まり、ゆっくりであるが生髪が続いている。

人参養栄湯の生髪効果はいまいちの感がぬぐえない。

康仁堂の基本生髪治療方針:補肝腎陰血 養陰血祛風 重鎮養心安神 活血化瘀作用を同時に有する保険方剤はない。


一貫煎(いっかんせん)の方剤位置

2008-08-17 15:54:54 | アンチエイジング

柔肝疏鬱(じゅうがんそうつ)の概念

一貫煎は清代の王孟英による「柳州医話」に登場する方剤である。柳州といえば馴染みが無いが、広西チワン族自治区中部に位置し、桂林の近くの地方都市である。上海中医薬科大学の教授陣は「一貫煎は柔肝疏鬱の名方である」と口をそろえる。肝内科の老師連は「慢性肝炎の多くは肝陰不足になっており、直接に補陰する一貫煎のような方剤が治療効果がよい。日本では弁証しないために、小柴胡湯を乱用する。香附子 石斛 八月扎なども加えたほうがいい。」と口をそろえる。それでは大補陰丸(黄柏 知母 熟地黄 亀板)などはいかがですか?と尋ねたところ、亀板は使わないとのこと。亀板は至陰のために肝炎が悪化することがあるという。

小柴胡湯中の白芍甘草の組み合わせは白芍(酸)甘草(甘)の酸甘化陰によって柴胡の傷陰を予防すると捉えており、疏肝の意味で柴胡もあまり使われていない。それ以来、帰国後には小生は小柴胡湯を使わなくなった。上海時代の婦科(日本での婦人科)で一貫煎加減を目にしたのは月経前緊張症で特に乳房痛がひどい場合に、逍遥散に代えて一貫煎を使っている場合であった。

さて一貫煎の組成

生地黄 沙参 麦門冬 当帰 枸杞子 川楝子 である。涼薬~寒薬を薄いブルーから濃いブルーで、温薬を赤、平薬をグリーンで表記してみると、温薬は当帰のみで全体的に涼の性質を持つことが一目瞭然である。この中でもっとも量が多く主薬は生地黄であり、補肝腎と清熱に作用する。沙参 麦門冬 枸杞子は滋陰薬の代表である。当帰は枸杞子とともに養血補肝に働く。注目すべきは川楝子(せんれんし)である。

川楝子の特徴

気滞、気鬱を改善するのが理気薬である。中医理論では気滞は痰の原因となり、気欝は化火となる。気の昇降出入(一般的には理気薬の気とはおおよそ肝の気をさす。)肝の疏泄作用を補助、回復させる薬剤を指す。理気薬は香燥の性質を持ち、陰血を消耗しやすいので、養血柔肝薬白芍:養陰当帰:補血地黄:補肝腎枸杞子:滋陰などを陰血消耗防止目的に併用する。肝気鬱結の場合や脾胃気滞にも多用される。一部 肺気鬱滞による咳、喘息にも用いられる。およそ理気薬は厚朴を筆頭に温香燥の性質を持つが、理気薬の中で苦寒の性質を持つのは川楝子のみである。帰経は肝小腸膀胱で清熱理気に働く。殺虫効果もあり、中国では以前は回虫症に用いられた。鎮痛効果もあり、理気鎮痛の代表的な組み合わせに延胡索川楝子の組み合わせの「金鈴子散」がある。気鬱化火には傷陰しない組み合わせとして川楝子 瑰花(バラの蕾)緑萼梅(梅蕾とも書き、梅の花の蕾)が良い。川楝子は苦寒の性質から温香燥の他の理気薬と異なり傷陰しないが、量が多いと苦寒なるがゆえに胃腸障害が出る。中国人には5~8g程度は1日量として大丈夫であるが、日本人の場合には3g以下に抑えた方が無難である。

一貫煎は温香燥の理気薬を用いない疏肝理気 滋養肝腎剤である。

滋陰派として有名な朱丹渓(12811358金元四大家の一人)の言を借りれば、「陰は常に不足し、陽は常に有余す。よろしく常にその陰を養い、陰は陽とそろえば、すなわち水はよく火を制し、かくして病なし」であり、エイジングが常に陰虚と隣り合わせにあることから、一貫煎はアンチエイジングの方剤ともいえる。

肝鬱気滞は、肝腎陰虚による肝陰不足が元々の病機であるとする考えにのっとり、肝陰血を増やす生地黄 沙参 麦門冬 当帰 枸杞子傷陰しない理気薬の川楝子を組み合わせたものが一貫煎である。肝陰血を増やすということが「柔肝」の意味であり、温香燥の理気薬を使用せず苦寒の川楝子を組み合わせることにより、肝鬱を改善することが「疏欝」ということになる。

一貫煎の適応症は肝腎陰虚 肝鬱気滞 肝脾不和であり、胸脇部張痛 腹満 呑酸 口苦 嘔吐 咽干口燥 疏泄失調が対象となる。中医内科学で一貫煎が主方剤となる分野には、脇痛(きょうつう)、胃脘 痛(いかんつう)などである。以下に簡単に紹介する。

脇痛(きょうつう)と一貫煎

脇痛は片側、或いは両側脇の疼痛を主な症状とする病症であり、臨床現場で比較的よく見かける自覚症状である。肋間神経痛、胆嚢炎、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などに脇痛が出現する。およそ脇痛は肝気鬱結、淤血停着肝胆湿熱肝陰不足に分類されるが一貫煎が主方となるのは肝陰不足の場合である。脇肋部隠痛、日久持続、口乾咽燥、心中煩熱、眩暈、舌が赤く苔は少なく脈は細弦数などの特徴がある。肝欝が強い場合には合歓皮、瑰花、白藜を加え、疏肝理気の効能を強化させる。

胃脘 痛と一貫煎

剣状突起から臍部までの部位を胃という。胃痛は胃部の疼痛を主症状とする病症を指す。したがって西洋医学的に言えば心窩部以下、臍以上部位の疼痛を主症とする病証を指す。

消化不良、急慢性胃炎、神経性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃下垂、胃癌、または肝,胆、膵臓疾患に胃脘 痛が表れる。

およそ胃脘 痛は実証、虚証に大別され、一貫煎が主方となるのは胃陰不足(胃陰欠虚ともいう)の際で、芍薬甘草湯との合方が多い。症状としては、隠痛といい胃脘部にかすかに感じる痛み、口咽が乾燥、大便乾秘、舌質が紅、少津による裂紋など、脈は細数などである。証候を分析すれば肝欝化火あるいは慢性熱性疾患により、鬱熱により胃陰が損なわれ、胃の濡養が失われると、胃部の隠痛が生じる。陰虚、津液不足のため、口咽が乾燥する。同様に、腸も少津により便秘になる。陰虚のため、舌が赤、少津、脈が細数である。養陰益胃が治療法であり、一貫煎と芍薬甘草湯を代表処方とする。後方の芍薬、甘草は和営、緩急、止痛の作用がある。

前回のブログで胃陰不足による嘔気の際には麦門冬湯が主方であると述べたが、痛みを伴う胃陰不足は肝陰不足が必ず背景にあり、柔肝理気止痛が必要と中国医学は考えるのである。

最後に疏肝、疏泄の疏(そ)を疎(そ)と過去のブログで誤記したかも知れず、重ねてお詫びします。

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