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紫斑病性腎炎 清熱解毒 涼血止血法治療 張琪氏医案1(腎病漢方治療309報)

2014-03-29 00:15:00 | 漢方市民講座

本日と明日は紫斑病性腎炎の清熱解毒 涼血止血治療についてご紹介します。

( )内に随時、コメントや印象を入れます。

それでは、医案に進みましょう。

患者:王 某 14歳 男児

初診年月日200136

主訴:顕微鏡下血尿15

病歴

15日前、明らかな誘因なく双下肢に紫斑が出現、腹痛を伴う。尿RBC満視野/HP、尿蛋白2+、ハルピン市某病院に入院、診断は紫斑病性腎炎、ステロイド等薬物治療を経て、紫斑、腹痛消失、但し尿所見の改善が無く、氏の病院を受診。

初診時所見

全身乏力、手足心熱、小便黄赤、舌紅、苔干、脈象滑数。尿蛋白2+、RBC50/HP以上、WNC2~4個/HP

中医診断:尿血(熱毒内蘊)

西医診断:紫斑病性腎炎

治法清熱解毒涼血止血

生地黄(清熱養陰)20g 小薊(涼血止血)40g 黄芩(清熱解毒)10g 白花蛇舌草(清熱解毒)30g 藕節(収斂止血)25g 側柏葉(涼血止血)20g 牡丹皮(清熱活血涼血)15g 白茅根凉血止血、清熱利尿50g 甘草(調和諸薬)10g

七剤、水煎服用、毎日一剤、早晩分服。

(温薬の配伍が全くないですね。)

二診 2001313

上方7剤服用後も手心熱、舌質紅、苔薄、脈滑数。尿RBC1015/HP、蛋白+、前方に清熱解毒の蒲公英20g 地丁30gを加味した。

14剤、水煎、毎日一剤、早晩分服。

三診 2001327

服薬14剤、患児には特に自覚症状なし。舌尖紅、脈滑。尿RBC810/HP、蛋白(-)、手足心熱消失、脈滑無数(頻脈でない意味)から、熱邪は既に減じたが、まだ血絡受損が回復せずと判断、炭類薬をもって血絡の損傷を修復しようと図った。

生地黄(清熱養陰)20g 小薊(涼血止血)40g 黄芩(清熱解毒)10g 白花蛇舌草(清熱解毒)30g 側柏葉(涼血止血)20g 牡丹皮(清熱活血涼血)15g 白茅根凉血止血、清熱利尿50g 大黄炭(収斂止血)10g 血余炭止血散瘀、補陰利尿)10g 地楡炭15g(地楡の効能は涼血止血、解毒収斂、地楡炭となると収斂止血が増強される) 生甘草(調和諸薬 清熱)10g

七剤、水煎、毎日一剤、早晩分服

                                                                  

四診 200144

上方服用七剤で、自覚症状なし、舌淡紅、苔白、脈滑。尿RBC34/HP、蛋白(-)、

患児の病情は既に穏定と考え、黄耆30gを加え、継続服用20余剤、尿RBC散見12/HP

ドクター康仁の印象

最後に黄耆を加えた理由は?→熱邪耗気のために益気の黄蓍を加えた。或いは、弁病的に免疫調整の期待もありか?(以上は当院の趙博士のご意見です。)

2014年 3月29日(土)