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慢性腎炎の漢方治療 第86報 紫斑病性腎炎の漢方治療 医案7

2013-03-30 00:15:00 | ブログ

 

徐嵩年氏医案 気虚絡損 血不循経案

(中医雑誌1985年 第9より)

徐嵩年氏は前の医案で紹介した陳以平女史の指導教授であり、上海龍華病院の腎内科の教授でした。20034月逝去。

患者:呉某 22歳 女性

入院年月日1983415

病歴

(入院する9年前)19744月、下肢にび慢性に紫斑が出現、下肢関節の酸痛を伴い、行動が極めて困難で、疲れると(関節痛が)加重した。198212月末から、持続的な発作状態があり、大腿部より足先まで、紫斑は小さいものは点状、大きいものは豆大で、初めは鮮紅色、次いですぐに暗紅になり、古い紫斑は消えないうちに、新しい紫斑が出現し、腹痛と諸関節の酸痛を伴い、尿検査は異常を示し、中医治療は無効であった。

入院後検査所見

血小板9

(正常域よりやや少ないが出血傾向が現れるレベルまで低下していません)

出血時間2分(正常域2~5分ですので正常域です)

凝血時間1分

(通常の日本での凝固時間の正常域より短い印象があり、血液の凝固能が亢進している可能性がありますが、日本と同じ方法で測定しているのでしょうか?疑問はあります)

凝血???(プロトロンビン時間)10.5

「正常域が1013秒ですので、正常です。急性肝炎、劇症型肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸、心不全、悪性腫瘍、ビタミンK欠乏症、プロトロンビン欠乏症、播種性血管内凝固症候群(DIC)などではプロトロンビン時間が延長します

血沈32mm/hr(赤血球沈降速度を意味します。やや亢進しています)

抗“O”1:625U(国際単位)

抗ストレプトリジン-O価です。溶連菌(溶血性連鎖球菌)に感染すると、それに対抗するために血液中に出現する抗体のレベルを意味します。一般には170国際単位以上であると、溶連菌感染が疑われます。625単位は高値です。通常は時間を置いて再検します」

黏蛋白5.85mg%C-reactive protein CRP 日本での正常域は0.30mg/dl以下)

mg%という単位は非常に分かりにくい単位です。質量と割合が一緒になっていますので、混乱しますが、中国の医案のmg%mg/dlと同じ意味と捉えてください。従ってCRP(炎症性蛋白)5.85mg/dlは高値です。

尿??蛋白降解?0.67μg/ml

(尿中FDP fibrinogen/fibrin degradation productsを指します。一般に腎炎で尿中に増加します。100ng/ml以下を正常域としますと、0.67μg/ml1000倍して670ng/mlと換算しますので高値です)

?清除率122ml/min

(CCR クレアチニンクリアランスを指します 正常です 腎機能を示す指標の一つです)

24時間尿蛋白定量 1.81(蓄尿して検査します。信頼性のある検査です。通常11g以上の尿蛋白を示す腎炎では治療を要します)

尿ルーチン検査:蛋白(2+)赤血球(2+)

(蛋白尿と顕微鏡学的血尿があることを意味します)

腎生検

519日(入院してから一ヶ月強)某医院で腎生検を行い、(当時は龍華病院では腎生検をする医師がいなかったために、入院したまま、他院で腎生検をしていました)

組織所見:(日本でよく用いられている病理表現を用いてドクター康仁が述べます)

軽度のメサンギウム増殖性腎炎、一部の尿細管上皮細胞の腫大と混濁(変性)、間質の血管内膜に繊維性の肥厚があり、蛍光抗体法では糸球体にIgG(+) IgA(2+) IgM(+) C3(+)の沈着を認めた。(部位とパターンの記載はありません)

西医病理診断:IgA腎病(IgA腎炎)

患者は倦怠無力感があり、関節酸痛、紫斑は次々と出現し、双下肢に密集する、腹痛があり便が軟らかい、扁桃腺が腫大、舌苔薄、脈象細。

中医診断

証は気虚絡損 血不循経に属する。気血が乖離し、(気)虚と瘀(血)を共に認め、血が外溢すると皮膚に紫斑となり、内には血瘀が痺阻し、関節の酸痛となる。

治療補中、活血行瘀を以ってする。

方薬 以下

黄耆30g 炙甘草9g 当帰12g 干地黄20g 牡丹皮20g 赤芍15


慢性腎炎の漢方治療 第85報 紫斑病性腎炎の漢方治療 医案6

2013-03-29 00:15:00 | ブログ

?氏医案 腎陰不足案 

?矛臨床験案精選より 

患者:史某 8歳 女児

初診年月日:1992年6月24日

病歴

両下肢皮膚紫斑と蛋白尿 顕微鏡学的血尿2ヶ月

4月初旬小エビを食べた後に、密集して紫斑が出現、尿検査:尿蛋白(3+)赤血球大量。4月20日地元の小児科病院を受診、“過敏性紫斑、紫斑病性腎炎”と診断される。雷公藤多?片(雷公藤抽出製剤の錠剤)10mg、毎日3回服用(1日量30mg)、下肢の紫斑は消退、但し、頻回の尿検査で、蛋白(2+)~(3+)、赤血球大量、5月中旬退院した。6月21日祝氏の医院受診。

診時所見

現症では特殊な所見は無し。両下肢に陳久性の紫斑があり色は淡、舌淡暗、脈細弦。

弁証立法:腎陰不足、飲食不節、海エビによる助火生熱、迫血妄行。

治則:涼血清熱、補腎滋陰。

経験方「過敏煎加味」:

銀柴胡10g 防風10g 烏梅10g 生甘草g 五味子15g 白茅根30g 益母草20g 生黄耆20g 川断10g 菟絲子10g 枸杞子10g

14剤服薬後、尿蛋白60mg/dl、赤血球10~15/HP

8月2日再診: 腎虚血燥、迫血妄行と診断、治療は涼血止血、補腎滋陰、

治方は四生丸加味として、雷公藤多?片の服用は停止した。

処方 以下

生地10g 生側柏葉15g 生荷葉10g 生艾葉10g 生地楡30g 白茅根30g 大小薊各10g 烏梅10g 五味子10g 山茱萸10g 枸杞子10g 生黄耆30g 毎日1剤 水煎服用。

18剤服薬後:尿蛋白15mg/dl 尿検査:赤血球6~11/HP 自覚症状無し、舌尖紅、脈弦滑。上方を守り、牡丹皮 紫草を加え、蜂蜜で丸薬を作成し、1丸10gとして、1日2回、1丸ずつ服用。

服薬2ヶ月後、尿蛋白(-)

継続服用2ヶ月、尿検査異常なし。

1994年11月再診 再発なし。

評析

本案では祝氏が診た時には顕微鏡学的血尿のほかには異常がなく、一見「無証可弁」と呼ぶに似つかわしい状態であったが、祝氏は其の児童の皮膚紫斑の病歴を根拠に、陰虚血燥、熱迫血行を初診時の弁証の主として、過敏煎に疏風涼血、益陰補腎の品を加えて用いた。再診時弁証は四生丸、六味地黄湯加減、涼血止血、滋陰補腎を以って治療し、雷公藤多?片の服用から離脱に成功し、尿検査は次第に正常になり、弁証と弁病の結合の優越性を十分に体現させている。

ドクター康仁の印象

雷公藤(らいこうとう)片は私も使っていますが、非常に使いづらい薬剤です。慢性関節リウマチでリウマトレックス(抗癌剤トレキセート)などの抗リウマチ剤を多量に服用している患者さんに少量使用しています。不良反応(副作用)に注意しながら、少量を使用するだけです。

経験方「過敏煎加味」:

銀柴胡10g 防風10g 烏梅10g 生甘草g 五味子15g 白茅根30g 益母草20g 生黄耆20g 川断10g 菟絲子10g 枸杞子10g

加味ですから何処までが「過敏煎」なんでしょうね。

銀柴胡は退虚熱剤ですが、虚熱の証はないですね。

烏梅と五味子を最後までカップルのように使用していますので、祝氏は経験上、抗過敏という効能を確認しているのでしょう。経験方たる所以ですね。

四生丸(ししょうがん、或いは、しせいがん)止血剤です。

読み方はどちらでもいいでしょう。出典は中国の「婦人大全良方」です。

「よんなまがん」と覚えると、全部生(なま)の生薬を用いるという感じがつかめます。

生地10g 生側柏葉15g 生荷葉10g 生艾葉10gという具合に「生」が4つあります。君薬は生側柏葉で、涼血止血に作用します。念のために生地黄は生ではありません。生地よりも新鮮地黄の方が効き目がありそうです。日本では、漢方医は生の生薬をディープフリーザーで保存しておいて、使用するような面倒なことはしておりません。

最後の丸薬は以下 1日量

生地10g 生側柏葉15g 生荷葉10g 生艾葉10g 生地楡30g 白茅根30g 大小薊各10g 烏梅10g 五味子10g 山茱萸10g 枸杞子10g 生黄耆30g 加 牡丹皮 紫草から1丸10gの丸薬を作成するのですから、(粉末にして蜂蜜を練りこんで丸薬を作成するのではなく)煎じ薬を煮詰めて、最後に蜂蜜で丸剤を作ることになりますね。手間のかかる作業です。

評析に「弁証と弁病の結合の優越性を十分に体現させている」とありますが、本案は明らかに弁証<<弁病ですね。

2013329日 記

もう金曜日になっちゃいました。1日分老化しましたが、知識は1日分増えていきます。


慢性腎炎の漢方治療 第84報 紫斑病性腎炎の漢方治療 医案5

2013-03-28 00:15:00 | ブログ

張琪氏医案 毒熱蘊結 迫血妄行

張琪臨床経験?要集より

患者某 歳 女児 

初診年月日1984813

病歴

2ヶ月前、突然に腹痛が出現、続いて両下肢の関節痛と紫斑が出現、尿検査で赤血球が多数認められ、蛋白(2+)。入院して「紫斑病性腎炎」と診断され、大量のステロイド剤の治療を受けたが効果が明らかでなく、治療を求めて来診した。

初診時所見

尿検査:蛋白(2+)赤血球多数50個以上/H 白血球46全身倦怠無力感が強く、眠気があり横臥を好み、自汗、血尿、手足心熱、容貌は満月様(ムーンフェイス)を呈し、便秘、舌尖赤、苔白干、脈象滑数。

診断毒熱血絡蘊結 迫血妄行外溢

治則清熱解毒 涼血止血法

処方以下

白花蛇舌草30g 大黄7.5g 桃仁15g 藕節25g 生地20g 側柏葉20g 小薊40g 白茅根50g 黄芩10g 甘草10g 水煎服用 

二診820日)

上方6剤を服用後、紫斑は減軽し、尿中赤血球は1015、尿蛋白(+)と改善したが、まだ、手心熱、舌尖赤、脈滑であった。

前方に加味: 蒲公英30g 紫花地丁30g

三診827日)

6剤を服用後、手心熱が減軽し、気力が戻り、尿中赤血球810 蛋白(2+)舌尖赤、脈滑。

四診94日)

反跳(リバウンド)が出現し、尿中赤血球50以上、蛋白(2+)、苔白脈滑。

総合して分析してみると、熱邪は減退したとはいえ、まだ、血絡の損傷が未回復であり、清熱涼血の治則に炭類を加え血絡の損傷を修復させるのが宜しいと判断、

処方 以下

大黄炭10g 血余炭10g 地楡炭10g 蒲黄炭10g 焦梔子10g 生地20g 丹皮10g 側柏葉20g 白茅根50g 桃仁15g 小薊30g 白花蛇舌草50g 生甘草10g

914日再診

上方を10剤服用して、諸症は皆減じた。尿中赤血球3~4 蛋白(+) 苔白脈滑。

病状は漸次安定し、上方に黄蓍30gを加え、継続服用20余剤で全快した。

評析

本案は初期には熱毒蘊結、迫血妄行の所見を呈した。ステロイド治療では未寛解であった。そこで、蒲公英、白花蛇舌草、紫花地丁で清熱解毒、小薊、生地、黄芩で清熱、涼血止血、藕節、側柏葉で止血の功能を求めた。臨床上、凡そ紫斑病性腎炎は正気がまだ衰えていないものに属する。張氏は大黄、桃仁の配伍を得意とし、瀉熱開瘀(化瘀と同意)止血の効果を確認し、頻繁に使用されるステロイド治療を受ける瘀熱の象を示す患者に対して、まず、大黄 桃仁を選択して満足できる効果を収めている。

ドクター康仁の印象

大黄炭10g 血余炭10g 地楡炭10g 蒲黄炭10gの炭類も清熱解毒、瀉火、涼血止血、活血化瘀の品を炭にしていますね。それで、なお止血の効能を高めています。

本案の大黄と桃仁の量は「日本では無理」かも知れませんね。腹痛がやってきて下痢になるからです。その辺に「野糞」をするわけにはいきませんから、介護用オシメが必要になるでしょう。ともかく外出できなくなるわけですから。

2013328日 記

本日は午前診だけですので、準備します。

関係諸氏の方々ご心配なさらずに。

http://www.kinwu.ac.jp/topics/index.html?id=23726


慢性腎炎の漢方治療 第83報 紫斑病性腎炎の漢方治療 医案4

2013-03-27 00:15:00 | ブログ

?振声氏(19301998)医案 肺腎陰虚挟有瘀熱案

(上海中医薬雑誌1996年第9期より)

患者李某 2歳 男性 未婚

初診年月日1987年11月10

主訴と病歴

198611月ごろ、突然に両下肢に斑点状の出血性皮疹が出現、踝の関節の腫痛があり、腹痛はなかった。地元の病院で「紫斑病性腎炎」と診断され、入院治療、皮膚の紫斑は消退、踝関節の腫痛消失、蛋白尿は波動的に(3+~4+)であった。退院後、感冒後の咽痛、尿蛋白が消えず、中西医治療1年で効果は顕著でなく来院した。

初診時所見

患者の主訴は腰酸、咽喉干痛、喜飲涼水、尿黄、大便干結、舌質暗紅、苔薄黄、肌膚に水腫無く、紫斑も無く、脈象弦細。

診断肺腎陰虚挟有瘀熱

治則養肺滋腎 兼 涼血瘀

処方麦味地黄湯加減

麦冬 生地 茯苓 澤瀉 益母草 桑寄生15g

五味子 牡丹皮 山薬 沙苑子 枸杞子10g

白茅根 金桜子30g 

二診(1987124日)

腰酸は減少、ただし倦怠無力感、食欲減退を感じ、咽喉干痛、口干喜涼飲、尿黄、大便はまだ干、舌質は暗紅から浅くなり苔薄白、脈弦細。尿検:蛋白(+)、瘀熱は退きつつあるとはいえ、病は肺腎に入り脾土に及び、主証は脾腎気陰両虚である。故に

参耆地黄等加減

党参 生黄耆 生地 茯苓 益母草澤瀉桑寄生15g

山茱萸 牡丹皮10g 砂仁6g(後下) 白茅根30g 25

三診(19871229日)

無力感、食欲減退など脾気虚の症はすでに消失。腰も痛まない。ただ、咽痛、口干、大便干結、舌質紅苔薄は前と変わらず、脈細数。尿蛋白(2+)。肺腎の余熱が未清であることから、清肺滋腎 兼 益気養陰

淡竹葉 女貞子 旱蓮草10g 生石膏(先煎) 太子参 白茅根30

麦冬 生地 桑寄生 益母草15g

半月後、口干咽痛などの症状は著明に減軽、後、石斛(甘、微寒 養胃生津、滋陰除熱石斛と玉竹の共通点は共に補陰剤で、補胃陰)10g天花粉15gを加え、養胃生津した。

治療継続3ヶ月。連続5回の検尿で異常なし。

評析

紫斑病性腎炎は現代医学ではステロイド治療を採用するのが常であり、長引くと耗気傷陰、湿熱内蘊、虚実挟雑となり、しつこく再発し難治である。その本虚は肺腎陰虚、脾肺気虚を主として、標実は湿 熱 瘀を要とする。

本案では

初診に麦味地黄丸加減を滋肺腎に

二診に参耆地黄湯を以って補脾気、滋腎陰に重点を置き

三診では竹葉 石膏の甘寒で肺胃の熱を清し、正気を傷つけず、生脈飲、二至丸他をあわせ、清肺滋腎、益気養陰に全力を尽くした。

「久病入絡」「久病多瘀」の説を遵守し、

三診では益母草 白茅根の活血涼血の品を皆配伍して、紫斑離経の血を消散するに利した。

氏の治療は、弁証が明晰で、施治が的を得て、病機に緊密であり、病の各段階に対して、それぞれに適宜対応し、難治性腎病症への卓越した医術を見せているではないか。

ドクター康仁の印象

沙苑子(しゃえんし)

日本では流通していませんので使用経験がありません。

ただ、中国留学中には肝腎陰虚の高血圧などに枸杞子、菊花、桑寄生などと配伍された処方箋を見ていたので、てっきり補陰の効果があるのかと思っていました。

/温の「助陽薬」に分類される生薬です。特徴は補腎固精、養肝明目に働くことです。

性味が温ですので陰虚火旺には慎用です。腎虚の腰酸には効果があります。?氏は初診から4週弱使用して中止しています。「助陽薬」という分類が正しいのかどうか疑問です。

?氏は、本案の患者を診た翌年に逝去されています。

医者の不養生だったのかも知れません。

2013327日 記

そろそろ準備しないと。

http://www.kinwu.ac.jp/topics/index.html?id=23726

火焼眉毛 急中生智


慢性腎炎の漢方治療 第82報 紫斑病性腎炎の漢方治療 医案3

2013-03-26 00:15:00 | ブログ

?振声氏(19301998)医案 肺腎両虚 陰虚内熱案

(中国当代名医医案医話選より)

患者李某 27歳 男性 工場労働者

初診年月日19873

主訴と病歴

198611月感冒後に四肢に皮疹が出現、掻痒感があった。数日後、両下肢に瘀斑が出現、肉眼的血尿を伴い、尿蛋白(2+)、赤血球満視野、白血球、円柱は偶見、某医院に入院し「紫斑病性腎炎」と診断され、抗過敏及び止血治療を3ヶ月受け、瘀斑はやや好転したが、尿蛋白と顕微鏡学的血尿が持続し消えず、腰酸痛、咽干咽痛、手足心熱、口干喜飲、小便黄赤、大便干結。

初診時所見

意識清明、倦怠あり、両下肢に依然として瘀斑が散在し、軽度の浮腫を合併する。舌質紅、苔薄黄、脈弦細。尿検:蛋白(2+)、赤血球満視野、白血球5~101/高倍視野、円柱0~3/低倍視野、腎機能正常。

診断と治則

尿血(紫斑病性腎炎)、肺腎両虚陰虚内熱

治則養陰清熱 涼血散瘀

処方生地15g 牡丹皮 10g 麦冬10g 五味子10g 茯苓15g 澤瀉15g 馬鞭草30g 生側柏葉30g 益母草30g 白花蛇舌草30g 桔梗6g 8剤 水煎服用

二診時所見と経過

8剤を服用後、尿蛋白はすぐに陰転、尿の赤血球も消失し、諸症は顕著に好転した。上方を加減して継続服用1月余で、多数の尿検査で陰性は持続した。後に竹葉石膏湯など清利余熱の方に改め、今日まで3年再発なく、腎機能は正常である。

評析

本案は、生地 牡丹皮 麦冬で養陰清熱、馬鞭草、白花蛇舌草、生側柏葉で清熱止血に、茯苓 澤瀉は淡滲利湿に、五味子は斂陰益気に。桔梗は宣肺利咽に働き、共同して養陰清熱 涼血散瘀の効能となる。

ドクター康仁の印象

麦冬10g 五味子10gの組み合わせですぐに想起するのが生脈飲ですね。

人参 五味子 麦冬の組み合わせですが、若し本案に加味するとすれば、太子参がいいでしょうね。薬性も平~微寒ですから配伍しても間違いでは無いでしょう。私は党参と区別するためにライトブルーで表記し、平よりもやや寒よりの表記をしています。

紅人参 人参 党参 太子参 西洋参 という具合です。

2013326日 記

そろそろ準備しないと。なんでも切羽詰らないとやらないのは私の癖ですね。

策士になれないはずです。

火事場の馬鹿力の方が効率はいいんですよ。

http://www.kinwu.ac.jp/topics/index.html?id=23726