本日の講座で、糖尿病性腎症の補腎活血法弁証論治の最終とします。本日も、飽きずに、ご覧になって下さる読者に敬意を表します。( )内に随時、コメントを入れます。医案に進みましょう。
患者:高某 71歳 男性
初診年月日:2006年5月15日
主訴:腰酸、乏力、反復浮腫三余年
病歴:
18年前に糖尿病に罹患、嘗て経口糖尿病薬とインスリン治療を1年間受けたことがある。2001年3月に尿蛋白出現3+、腎機能正常、氏の病院で糖尿病性腎症と診断、中薬治療を受けてきた。2003年3月、双下肢に浮腫出現、入院となった。Cre214.3μmol/L(2.42mg/dL)、中西薬結合治療で病情好転、退院後はずっと中薬治療を受けてきた。2003年11月、双下肢の浮腫が再発、Cre169.3μmol/L、治療後にCre118.0μmol/L、浮腫は消失し退院した。退院後に治療を堅持しなかった。近日Cre200μmol/L(2.26mg/dL)、2日前、突然、痙攣が出現し入院となった。
初診時所見:
乏力、腰酸、双下肢浮腫、少腹痛、頻尿、尿少。舌質紅、苔薄白、脈沈弱。血圧140/100mmHg、空腹時血糖8.53mmol/L(153.54mg/dL)、BUN12.82mmol/L(76.92mg/dL)、Cre218μmol/L(2.46mg/dL)。
中医弁証:虚労、脾腎両虚、湿熱濁毒内蘊
西医診断:糖尿病性腎症、慢性腎不全(失代償期)、尿路感染
治法:清熱利湿、 益気補腎活血
方薬:滋腎通関丸 合 参耆地黄湯 加減
知母15g 黄柏15g 肉桂10g 車前草(清熱解毒)30g 瞿麦20g 萹蓄20g 石葦(利水通淋、止咳 涼血止血)15g 大黄10g 熟地黄20g 山茱萸20g 茯苓30g 牡丹皮20g 澤瀉20g 車前子(清熱利水)20g 巴戟天15g 肉蓯蓉15g 枸杞子20g 桃仁15g 赤芍15g 紅花15g 丹参15g 紅参15g 黄耆30g 益母草30g
水煎服用、毎日2回に分服
その他の治療として、降圧剤の非洛地平(Ca拮抗剤felodipine