本日も参耆地黄湯加減による慢性腎炎の治療をご紹介します。( )内に私のコメントを随時いれます。十一診も有りますので覚悟を決めます。
医案に進みましょう。
患者:沈某、11歳 女児
初診年月日:2004年12月1日
病歴:
2001年尿検査で蛋白尿が出現。咽部の感染を反復後に尿蛋白量が増加、患児は現在、既に扁桃腺を摘出。術後上気道感染後の尿蛋白は転陰した。2004年8月頃、再度蛋白尿が出現、朝方の尿蛋白は陰性、体動後に陽性。遂に、氏の病院を受診した。
初診時所見:
咽痛有り、咽紅赤、舌質紅、苔白、脈数。尿蛋白3+、WBC6~8個/HP、顆粒円柱0~1個/LP。尿潜血(-)。
中医弁証:腎陰不足、陰虚火旺
西医診断:慢性糸球体腎炎
治法:補腎陰、清熱涼血解毒
方薬:参耆地黄湯加減:
生地 熟地黄各15g 山茱萸15g 山薬15g 茯苓15g 牡丹皮15g 澤瀉15g 枸杞子20g 女貞子20g 玄参(清熱解毒養陰)15g 金銀花20g 黄耆30g 太子参15g 天花粉(養陰清熱利咽)15g 重楼(清熱解熱毒利湿利咽)30g 白花蛇舌草30g 甘草15g 桔梗(祛痰利咽 排膿 載薬上行)15g 麦門冬15g
水煎服用、毎日2回に分服。
(益気養陰 清熱解毒利咽と総括されます。)
二診 2004年12月15日
患者が述べるには、運動後に尿蛋白2+、納呆あり、活動後に乏力、咽痛、舌淡紅、苔薄白、脈細数。尿蛋白微量、他に異常なし。
(このくらいでしたら現代日本では腎病の治療対象にならないかも知れません。)