みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #280

2018年11月16日 | コーヒーブレイク
第2コリント10章5節
私たちは
さまざまの思弁と
神の知識に逆らって立つあらゆる高ぶりを打ち砕き
すべてのはかりごとをとりこにしてキリストに服従させ

前節に要塞と書いてある。

その要塞とは何かについて説いているのがこの聖句。

パウロが何を言いたいのか、上の日本語訳からではピンと来ない。

1.さまざまの思弁
2.あらゆる高ぶり
3.すべてのはかりごと

これがサタンの足場、すなわち我々の弱点、負の要塞。

早速、それぞれの原義を確認していく。

1.(さまざまの)思弁

英語訳を見ると、arguments、speculations、imaginations、reasoningsなどと訳されている。

原語はλογισμοὺςで、λογισμόςの複数形。思弁とは経験によらず、頭の中で理性だけに訴えて考えること(ネット)だそうだが、普段の会話ではあまり使わない。上の英語群を見ると、屁理屈、空理空論、妄想などといった日本語が浮かぶ。

2.(あらゆる)高ぶり

英語訳、every pretension、every proud obstacle、every lofty opinion・・。
高ぶりでも良いが、高慢、奢り高ぶりなども分かりやすい。思い上がりが良いか。
原語はὕψωμα(high thing)

3.(すべての)はかりごと

この単語は原語を見た方が分かりやすい。νόημαで、νοιέω(exercise the mind)の名詞形。思い、思考、理解、認識力、識別力。

この聖句の主語は我々。

我々は破壊する
さまざまな屁理屈と
すべての思い上がりを
神の知識に対抗して
立て上げられた
我々は捕虜とする
すべての思い(理解、図り事)を
キリストの従順へと至る(ように)

これでも分かりにくい。

要するに

かなり乱暴だが

つべこべ言わずに、キリストの御前に跪け

下手に考えるから、敵に付け入る隙を与えてしまう

ということだろう。