Abiding In Him, #７

次のような疑問を投げかけてくる人がいるかもしれない。

では、多くのキリスト者が経験してきたさまざまな苦難をどう説明するのか。

確かに、我々の人生において、本当に辛い苦難を経験してきた人たちがいる。

例えば、ジョージミューラーが、地面にひれ伏して「今日、私ジョージミューラーは死んだ」と言ったとしよう。

この場合はどうだろうか。

我々が通って行く霊的経験のリアリティーを疑っているのではない。

主との歩みにおいて、神が我々に与える試練の重要性を疑問視しているのでもない。

人生におけるそのような苦難について、我々自身が全き確信を持つことの必要性を強調してきたとおりだ。

しかし、ポイントは、神が我々個々人に個人的経験を与えることはない、という点にある。

神がすでに成し遂げた所に入っていくことが我々の経験のすべてであり、これに付け加えることは何もない。

つまり、永遠の事がらの時間経過の中に我々の経験を「実現する」こと、すなわち「実体化」すること、これですべてが完結する。

キリストの歴史が我々の経験となり、我々の霊的歴史となる。

我々がキリストと分け隔てられた歴史を持つことはあり得ない。

我々に関する業はすべて、我々にあってではなく、キリストにあって為される。

主が成し遂げた御業から離れ、個々人において業が為されるのではない。

永遠の命さえ、我々に個人的に与えられるのではない。

命は御子の中にある、御子を持つ者が命を持つ。

神は御子においてすべての業を為し、御子の中に我々を放り入れた。

我々はキリストの中に組み入れられたのだ。