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動画で楽しむDano(9)

2008-12-11 01:16:10 | Dano Movies(洋)
Lyre (high strung guitar piece)


これはダンエレクトロではなく、ジェリー・ジョーンズなんだけれども、ギターリンには違いないので。
ギターリンは31フレットまであって、ハイポジションはマンドリンの音域をカバーしているということで、ギター+マンドリンでギターリンというわけ。でも、ギターリンのハイポジションを使う人っているのかな?見たことない。どうせそんなことだろうと思ったのかどうか、ロングホーン・ボディに普通のギターのネックをつけたロングホーン・ギターというのがあって、これは今回の新製品にもラインアップされていた。
しかし、世界は広い。ギターリンのハイポジションを使っている人がいた。マンドリンというよりは竪琴のような感じだけど、音域をカバーしているといっても複弦でないとマンドリンらしさは出ないし、ロングホーンボディは竪琴をモチーフにしていることからすれば、竪琴のように鳴らすというのはむしろ正解という感じ。
それにしても、この演奏はギターっぽくない。よく見ると、左手は20フレット付近を中心に動いていて、30フレットあたりには指がいっていないけれど、フレット間がおそろしく狭い30フレットあたりは、押さえてちゃんと音が出るのだろうか。

ますますギターリンが欲しくなる今日この頃。

TEISCOとDanoの関係

2008-12-10 02:21:45 | Dano Column
1960年代にはテスコやグヤトーンなどの日本製ギターはヨーロッパやアメリカに多数輸出されていました。ジェフ・ベックがグヤトーンだったり、エディー・ヴァン・ヘイレンはテスコだったり、有名ミュージシャンが最初にこれら日本製のギターを手にしたという例は少なくないと思われます。

テスコにはTEISCO Del Rayという輸出用のブランドがありましたが、シルヴァートーンブランドからもアンプ内蔵のTRG-1やKシリーズ、WGシリーズなど、いくつかのモデルを出していました。当然、廉価版のエントリーモデルという位置づけです。シルヴァートーンブランドというくくりで、ダンエレクトロとテスコはつながっているわけですが、ダンエレクトロがMCAに買収されてから立ち上げたコーラルブランドにおいて、さらに深い関係になっていくのです。

コーラルブランドはヴィンセント・ベルのシグネイチャーデザインモデルとしてエレクトリック・シタールやホーネットなど出していましたが、ロングホーン、ファイアフライ、フィドルベース、ティアドロップ、コンボといったモデルのボディはテスコを買収したカワイから供給されたものでした。いわゆるアウトソーシングです。で、これらコーラルブランドに提供したものと同じボディを使って、テスコやカワイ名義でもギターがつくられました。ネックとピックアップが違うので、ボディは同じでもサウンドの傾向はそれなりに違っているかと思いますが、テスコとダンエレクトロにはこうしたつながりもあるわけです。

対照表のようなものをつくってみると、次のようになります。

Coral Longhorn → Teisco Phantom 22
Coral Fiddle Bass → Kawai Violin Bass
Coral Teardrop → Kawai Teardrop
Coral Vinnie Bell Combo → Teisco Michelle

ダグ・タロック

2008-12-09 01:01:45 | Dano Column
「Neptune Bound」の著者はDoug Tullochという人で、City Guitarというギターショップを経営しているダンエレクトロのコレクター。店にはダンエレクトロのギターがおびただしくディスプレイされているけど、すべて非売品らしい。彼のモットーが「買うけど売らない」ということなので、そのギターショップではダンエレクトロ以外のギターやパーツを売ってるんだろうと思われる。ストラトキャスターのヴィンテージのノブ、たかがプラスチックのノブ3つが200ドルで売れるんだよ、はっはっは、てなもんである。

今から10年位前にダグさんが取材を受けた記事がネットにあったので、リンクしておくことにします。

Strung out 2-9-97

ダグさんは「Neptune Bound」の前に「Guitars From Neptune」という本を1995年に出したので、その頃からダンエレクトロのコレクターとして、その筋では知られるようになったみたい。
でも最初からダンエレクトロに夢中だったわけではなかったようで、もともとフェンダーのブロンコを弾いていたらしい。で、あるとき、通っていた楽器店(なんでも理髪店と楽器店がくっついている店らしい。日本にも精肉店と楽器店がくっついている「ミートショップこしみず」があるが)でダンエレクトロの3011(59DCのシェイプでピックアップが一つのもの)を見て、恋に落ちてしまったそうな。その気持ちは痛いほどよくわかる。
どうでもいいことなのだが、私はここでは使っていないものの、ネットでのハンドルネームはほぼ「たくろ」でやっている。アメリカにはタロック、日本にはタクロという、ダンエレクトロ・ジャンキーがいるというわけで。

Neptune Bound

2008-12-08 01:25:34 | Dano Column
ダンエレクトロの究極のガイドブック「Neptune Bound」が届いた。
今年の6月に刊行予告を知り、予約受付中とのことだったので予約した。こういう本は自費出版みたいなもので、通常の流通には乗らず、予約しないと手に入らないんじゃないかな、と思ったので予約したのだが、アマゾンでも注文できることを後で知った。
予定では今年の夏に出るということだったのだが、なかなか印刷があがらず、ようやく今日になって届いたのであった。

この本は究極のガイドブックを謳っていて、ダンエレクトロ、シルヴァートーン、コーラルという3つのブランドから出されたギターが網羅されている。その他、ダンエレクトロやコーラルのカタログやプライスリスト、ギターパーツの説明、アンプの回路図などが収録されている。あまり読むところはないが、眺めていれば楽しい。

惜しいのは画像が鮮明でないものが多いという点。それと、アンプについてもっとページを割いて欲しかった。ギターガイドなので仕方がないところではあるが。

Neptune Boundのサイトをブックマークに入れておきました。

ファミリーコンサート

2008-12-07 00:48:56 | Music Life
私がつい先日入ったばかりの音楽サークル「R-40club」のメンバーがファミリーコンサートをやるというので、見に行ってきました。観客は当然ながら親子連れがほとんど。このコンサートは公民館の主催で企画されたもので、ピアノ、ギター、ベースという編成での演奏のほかに、子どもたちにもわかるような音楽理論というか、スケールについてのレクチャーと観客が参加してのセッションをまじえて行なわれました。

サークルの代表、緒方総裁とは、今までメールでやりとりしていただけだったので、今日が初顔合わせというわけで、これからよろしくお願いしますみたいなあいさつと、終演後に控え室で少し話をして、みたいな感じ。

R-40clubでは定期的にコンサートを開いているので、そのうちステージで演奏することもあるでしょう。

FISH & CHIPS

2008-12-06 03:05:58 | Dano Effects
ダンエレクトロのminiシリーズの中でもこのグラフィック・イコライザーは他のメーカーのものと比較して安いというだけでなく、ノイズも少ないという点で評価が高いですね。



このペダルにはFISH & CHIPSという名前がつけられています。フィッシュ&チップスはイギリスの庶民的な料理として代表的なもので、白身魚のフライにフライドポテトをあわせたものです。例によって、なぜこの名前になったかをいろいろ考えてみました。今回は食べ物のイメージでも語呂合わせでもなく、ペダルの外見から来るものだという結論に達しました。

まず、筐体。これは通常ミミズクのようだということにしていますが、コントロールノブがないので、ミミズクには見えず、むしろ魚のように見えます。ダンエレクトロのペダルを農協のマスコットである「貯金魚」のようだと見る向きもあるので、まあどうにか納得しうるラインかと思われます。
そしてボディにある8つのスライダーがフライドポテトというわけです。

さて、グラフィック・イコライザーといえば、7つの周波数帯域を調整して音を加工するものですが、グラフィックたるところは、ドンシャリならV字型、ミドルブーストなら山型というように、視覚的に把握できるというところにあります。また、ハウリング対策として使ったり、スライダーをフラットにしてLEVELだけ上げてブースターとして使うこともあります。

ここでそれぞれの周波数帯域が音のどういった性質を担っているのかを覚書として記しておくことにします。

100Hz 全体のムード
200Hz 低音の鳴り
400Hz 音の太さ
800Hz 中域の音のコシ
1.6kHz アタック感
3.2kHz 音抜け
6.4kHz 音の鋭さ

一般的にはこのように説明されますが、実際いじりはじめると、だんだんわけがわからなくなってきたり、その日の気分によって違ってきたりする感じではあります。

3021を解剖

2008-12-05 01:48:23 | Dano Column
ハートマンギターズのサイトに、ダンエレクトロの3021(59DC)を分解して構造の説明などをしている記事がありましたので、リンクを貼っておきます。

ハートマンギターズ新井の徹底解剖

電装系が銅箔に包まれていることや、ネックに鉄の板状のものが2本入っていることなどがわかります。こうしたことはやはり、言葉での説明よりも画像で示した方がはるかにいいですね。

こういうことを私の所有するギターでやれば、このブログの資料的価値も多少は高まるのではないかと思いますが、単に面倒なのでやりません。

動画で楽しむDano(8)

2008-12-04 19:16:25 | Dano Movies(洋)
THE COUNT FIVE-'PSYCHOTIC REACTION',(1966).wmv


カウント・ファイヴです。イギリスのバンドに見えますが、カリフォルニアのバンドです。ヤードバーズやザ・フーにかなり影響されています。カウント(伯爵)というグループ名どおり、ライヴではドラキュラ伯爵のようなケープをまとうこともあったようです。
この「Psychotic Reaction」はチャート上位に食い込んだのですが、その後はヒットに恵まれなかったとのこと。確かに聴いてみるとヤードバーズ的な感じですね。
ここでヴォーカルを取っているメンバー、ジョン・バーンという名前だそうですが、彼が弾いているギターがベルズーキですね。この人はベルズーキをメインに使用していたみたいで、なかなか珍しい、貴重な存在です。

Outside the Box

2008-12-03 01:00:03 | Dano Column
ハワード・ダニエルが父ネイサン・ダニエルについて書いたテクストがありましたので、ブックマークに入れておきました。ここ数日のネイサン・ダニエルのことを書いた記事の元ネタがこれです。



このテクストの中にthinking outside the boxという慣用表現がありました。ネイサン・ダニエルの独創性ということですが、ここでは「箱の外で考える」と文字通りにとらえてみます。

ネイサン・ダニエルの両親はリトアニアから追われるようにニュー・ヨークに移ってきました。慣れない環境で周囲とも馴染めない生活をしていたのだと思われます。そのため、ネイサンは就学する年齢になっても英語がわからず、当然、授業の内容も理解できず、進級ができないということがありました。しかし、「あるとき、誰かが明かりをつけたかのように、全てを理解した」と語ったそうです。それからのネイサンは勉強のできる極めて優秀な生徒になったようです。かなり悪戯好きな子どもとしての側面もあったようですが。

英語がわからず、周りが何を話しているかもわからない状況で過ごしたという幼少期の体験はネイサンに大きな影響を与えているに違いなく、取り残され、孤立した状態において、自然と物事を外側からとらえるようになって、それがネイサンの独創性の源になったということはあると思います。

そして、ネイサンが全てを理解した瞬間というのは、本人は「誰かが明かりをつけたようだ」と例えていますが、言い換えれば、ラジオのチューニングがぴったりと合って、それまでノイズしか出していなかったラジオが突然、生きているかのように喋り、歌い出すのにも似ていると思います。こう考えるとネイサンがラジオに熱中したわけもわかるような気がします。

ノイズキラー・ダニエル

2008-12-02 01:22:26 | Dano Column
どういうかたちにせよ、音に携わるとノイズとの戦いを余儀なくされる。
とはいえ、ノイズとそうでないものとの境目ってそんなに明確じゃない。「雑音の芸術」で未来派の音楽を主張したルイジ・ルッソロなんかは音楽の歴史を雑音を取り込んでいく歴史ととらえている。なので、彼の時代は都市が生み出す騒音をいかに音楽にするかというのが問題で、彼は工場が出す音や自動車の音、街の雑踏などがシンフォニックに響きあうさまを夢想したり、イントナルモーリというノイズを発生させる機械をつくってみたりもしたわけで、音楽家たるもの、ノイズを取り入れることで音楽を革新していかねばならぬのだってところ。

アカデミックな音楽だと、教則本に則った奏法で生み出されたものが楽音でそれ以外はノイズとして排除していくという感じなのかな。だがしかし、マーラーみたいに、楽団員に無理な演奏を強いることで、新しい響きを生み、それが音楽を新しくするということもあるわけだからねえ。
ポピュラー・ミュージックの領域では、ロックが典型的だけれども、ノイズを排除するどころか、大音量を出したりアンプを歪ませたりして、ノイズと手を携えちゃう。でも、ロックといえども、許容できるノイズとそうでないノイズはあって、ピックアップやアンプが外部からの影響を受けて出すノイズは未だに嫌われている。

ネイサン・ダニエルはノイズ・キラーだった。彼がつくったアンプはクリアでノイズが少ないということで高い評価を得たのだし、ヴィンテージのダンエレクトロのギターにはTOTALLY SHIELDEDというステッカーが貼られていたことからもわかるように、外部からの影響によるノイズを防いでいるというのが売りでもあった。それは電装部分を銅箔で包むという方法でシールドされていた。安いギターでもそういうところはきちんとやっているのがダンエレクトロだったりする。

ネイサン・ダニエルのノイズ・キラーぶりを示すエピソードとしては、次のようなものがある。第二次大戦中、ジープとかバイクとかで走行中に通信のやりとりをするときに、エンジンなどからノイズを拾ってしまい、音声が聞き取れなくて困る、という問題があった。その問題を見事に解決したのが、陸軍の通信部隊で働いていたネイサンであった、という。
どういうやり方をしたのか具体的なことはわからなかったけれど、ギターと同様、銅箔で包むみたいな感じのわりと単純で、そんなに費用もかからない方法だっただろうと思われる。