Bacon 'n Eggs

2018-02-18 10:48:33 | Dano Effects


ベーコン&エッグはアメリカ人の朝食にはなくてはならないものらしい。それは要するにエレクトリックギターにとってなくてはならないアンプと歪みのようなもので、ポケットアンプとディストーションエフェクターの機能を兼ね備えたペダルにベーコン&エッグと名づけたのはダンエレクトロならではといったところだろう。そしてこの場合、ベーコンが歪みでエッグはアンプ(スピーカー)というわけ。



さて、このペダルであるが、特徴としてはコントロールノブが一つもないというところだ。ケーブルをつなげばミニアンプとして、さらにアンプにつなげばディストーションとして。コントロールするのはギターの方であり、アンプの方だ。面白いのはアンプとして使用した場合、歪ませずにクリーントーンを出すのが難しく、アンプにつないだときはその逆に、歪ませるにはアンプの方もある程度歪ませた状態にし、それをブーストするという感じにしないとなかなかうまく歪んでくれない。

しかし、持ち運びは楽だし、電池駆動で音割れはするものの、気軽にギターの演奏を楽しめるという意味で、持っていれば持っていたで使いどころはいろいろといった感じ。
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Chili Dog

2018-02-15 22:26:41 | Dano Effects
メロンソーダとチリドッグそいつがあれば生きて行けると思ってるオレはケツの青い最新型のピストル 
-Blankey Jet City 「D.I.Jのピストル」



ダンエレクトロにはチリドッグと名づけられたペダルがある。それはオクターバーで、2オクターブ下と1オクターブ下と原音をミックスできるように3つのコントロールノブがある。おそらくはBOSSのOC-2を参照していると思われ、サウンド的にも傾向は似ている。

オクターバーはギターとベースをユニゾンさせたような音をギターだけで出すことができるため、フュージョン系のギタリストに重宝された。また、音が多層化しているので、激しく歪ませることによってその隙間を埋め、アグレッシブなサウンドにすることもできるということでグランジなどでも使用された。



チリドッグと名づけたことをどう考えるかといえば、このチリドッグという食べ物はその原型としてホットドッグがあり、そこにチリコンカン(挽肉とタマネギを炒め、トマトやチリパウダー、インゲン豆などを混ぜたもの)を投入し、さらにチェダーチーズをふりかけて味を多層化していく。これはフランクフルトにケチャップとマスタードといった味のすきまを埋めていくようでもある。

さしずめ、ホットドッグを原音と見立てたオクターバーがチリドッグのようだということでそのように名づけられたのではなかろうか。

オクターバーは今ではギターよりはベースで使用されることが多いように思う。実際、オクターバーをかましてギターを弾いていると確かに面白いのだが、これをどう楽曲に活かすかを考えると途端に悩んでしまう。しかし、それがベースラインであれば、オクターバーをかましたほうがファンキーさが増すような気がしてくるのだから不思議なものだ。
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Hash Browns

2018-02-12 20:21:12 | Dano Effects


フランジャーというのは、その昔、2台のテープレコーダーを同時に再生し、そのうちの1台のテープの縁(フランジ)に指を当てたりしてほんの少し遅らせることによって得ていた独特のうねりを持ったサウンド効果を電子的に再現したものである。

ダンエレクトロのミニシリーズのフランジャーはハッシュブラウンズと名づけられたが、これは細切りにしたジャガイモをフライパンやオーブンで焼いた料理で、小判型や丸型に整形するのが一般的。アメリカではベーコンや目玉焼きとともに朝食には欠かせないものとされている。



ダンエレクトロのフランジャーにはノブが3つある。左からSPEED、REGEN、WIDTHとなっているが、RATE、FEEDBACK、DEPTHのほうが一般的かもしれない。SPEEDはうねりの速さ、REGENはサウンド効果の強さ、WIDTHはうねりの深さをそれぞれ調整するものである。70年代はジェットサウンドがよく使われたり、ファンキーなカッティングに使われたりしたが、フランジャーを有効に使ったギタリストといって最も知られているのはやはりエドワード・ヴァン・ヘイレンということになるだろう。このエディのギターサウンドは「ブラウンサウンド」といわれている。ブラウンサウンドとは何かということについては、様々な議論がなされているのでそこには踏み込まないが、マーシャルの歪みとMXRのフランジャーがそのサウンドを特徴づけていたわけであり、ダンエレクトロとしてはブラウンのついた食べ物を必死に探したのではないかと思われる。

というわけで、今回はハッシュブラウンズそのものではなく、ブラウンサウンドにつながっているというところで。
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CORNED BEEF

2018-02-11 09:05:31 | Dano Effects


コンビーフはCorned Beefと綴る。「塩漬けの肉」という意味で、トウモロコシのような粒の大きい岩塩を使用したことに由来する。保存用の食料として軍隊でも用いられた。日本では台形の缶詰となった製品が最も一般的である。食べてみると、ほぐされて筋状になった肉が複雑にからまっていることがわかる。



リヴァーブはRevaerbと綴る。Re+Verbということだ。Verbは「動詞」という意味で使われるが、ラテン語までさかのぼれば「言葉」という意味であったことがわかる。発した言葉が返ってくる「やまびこ」のような、噂話が様々な尾ひれをつけて発信元に戻ってくるというようなイメージがリヴァーブということか。

現在リヴァーブといえば、一般的に残響を意味する。部屋の中で音を聴くとき、聴いている者には直接音のほかに、壁や部屋にあるあれやこれやに反射して空間をへめぐった後に届く音も聴こえるのだが、そのわずかだけ遅れて届いた音を残響として認識するというわけである。それは下の図のようにあらわされる。



この図では音を線であらわしているのだが、当然のことながら、実際はこの線は無数にあるものとして考えなければならない。そして空間内を複雑にからみあって聴く者の耳に届いているのだ。それはまるで缶の中で複雑にからまりあっている筋状の肉のかたまり、つまりコンビーフのように見えてこないだろうか。

さて、ダンエレクトロはミニシリーズのリヴァーブペダルに「コンビーフ」と名前をつけた。上記はその理由を例によって類推してみたものである。

このペダルにはMIXとHI-CUTの二つのノブがある。MIXを右いっぱいに回し、HI-CUTをそれとは逆に左いっぱいに回した設定が、このペダルで最もリヴァーブが深くかかっている状態である。多くの人はこのサウンドをスラップバックエコーのようだと思うだろう。そうなると、前回紹介したBLTとどう違うのかということになってくるのだが、リヴァーブもしくはエコーとしてのみ考えるならばそれほどの違いはないと考えてよいのかもしれない。しかし、このペダルの使い道を他に探るとするなら、MIXを左方向に、HI-CUTを右方向にそれぞれ回していきながら、残響音はしないが、ギターの音は少し湿り気を帯びて光沢感が出てくるというような、そんなポイントをうまく活用するといった感じでどうだろう。
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BLT

2018-02-04 19:47:08 | Dano Effects


ダンエレクトロのミニシリーズにはBLTと名づけられたペダルがある。これはスラップエコーに特化したエフェクターで、MIXとREPEATの二つのノブがある。

スラップエコー、あるいはスラップバックエコーとは、オープンリールテープデッキの録音ヘッドと再生ヘッドの間の距離、言い換えればテープが録音ヘッドから再生ヘッドを通過するまでの時間差を利用したエコーのことである。

このペダルがBLTと名づけられたのはなぜか。



そもそもBLTとはサンドウィッチの定番であり、ベーコンとレタス、そしてトマトをパンにはさむもので、それぞれの食材の頭文字を取ってBLTと呼ばれるようになったという。ベーコンの脂の甘みと塩味が基調となり、そこにレタスが心地よい食感を与え、トマトはフレッシュさと酸味を加えるというわけで、食材の組み合わせは絶妙に調和している。しかし、このようにシンプルなものであってもおいしくつくるためには外せないポイントがあり、それは野菜の余分な水分を十分に取ることである。

余分な水分を十分に取る。これをエコーの話に戻せば、ミックス音が大きすぎたり、リピートが多すぎたり、ディレイタイムが長すぎたりするとスラップバックエコーにはならないので、余分なエコー成分を取らなければならない。しかし、このダンエレクトロのBLTであればそのために設定をいじる必要もなく、ロカビリーやサーフ・ミュージックに必要なスラップバックエコーのサウンドを容易に出すことができるようにつくられているというわけなのである。
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