Outside the Box

2008-12-03 01:00:03 | Dano Column
ハワード・ダニエルが父ネイサン・ダニエルについて書いたテクストがありましたので、ブックマークに入れておきました。ここ数日のネイサン・ダニエルのことを書いた記事の元ネタがこれです。



このテクストの中にthinking outside the boxという慣用表現がありました。ネイサン・ダニエルの独創性ということですが、ここでは「箱の外で考える」と文字通りにとらえてみます。

ネイサン・ダニエルの両親はリトアニアから追われるようにニュー・ヨークに移ってきました。慣れない環境で周囲とも馴染めない生活をしていたのだと思われます。そのため、ネイサンは就学する年齢になっても英語がわからず、当然、授業の内容も理解できず、進級ができないということがありました。しかし、「あるとき、誰かが明かりをつけたかのように、全てを理解した」と語ったそうです。それからのネイサンは勉強のできる極めて優秀な生徒になったようです。かなり悪戯好きな子どもとしての側面もあったようですが。

英語がわからず、周りが何を話しているかもわからない状況で過ごしたという幼少期の体験はネイサンに大きな影響を与えているに違いなく、取り残され、孤立した状態において、自然と物事を外側からとらえるようになって、それがネイサンの独創性の源になったということはあると思います。

そして、ネイサンが全てを理解した瞬間というのは、本人は「誰かが明かりをつけたようだ」と例えていますが、言い換えれば、ラジオのチューニングがぴったりと合って、それまでノイズしか出していなかったラジオが突然、生きているかのように喋り、歌い出すのにも似ていると思います。こう考えるとネイサンがラジオに熱中したわけもわかるような気がします。
コメント
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