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Guitarlin

2008-12-21 19:23:25 | Dano Guitars
ダンエレクトロのギターリンはロングホーンシェイプのボディに31フレットあるネックをジョイントした極めてユニークなギターです。1958年から1966年にかけて生産されたもので、リンク・レイが使用したことで知られています。

私が今回入手したのはリイシューです。ヴィンテージのギターリンはなかなか市場に出てきませんし、このリイシューにしても再生産されることはないと思われますので、今後はますます入手するのが難しくなることが予想されますので、手に入るうちにと思い、手に入れました。

ギターリンのオリジナルは、チューナー部は3連スケートキーで、ブリッジはローズウッドサドルのものになっています。ピックアップは2つ搭載されていますが、セレクタースイッチはなく、それぞれのピックアップに割り当てられたスタックタイプのノブでヴォリュームとトーンを調整します。
リイシューではゴトー製のロトマチックタイプのペグ、金属製のアジャスタブルサドルとなっており、ピックアップを切り替えるトグルスイッチがついています。

ロングホーンボディはカッタウェイが深くなっているので、フレットを打てるだけ打ってみたということなのだと思いますが、ジョイント部のヒールの関係でそれほどハイポジションが弾きやすいわけではありません。また、24フレット以降のハイポジションはフレット間が狭いため、弦を押さえるのが難しく、きれいに音を響かせることはなかなかできません。

普通のギターのポジションだけを使うということであれば、ネックが細いため、フィンガリングが容易で、非常に弾きやすいギターであるといえます。

Dane D3N

2008-12-20 14:40:58 | Dano Guitars
1967年から1969年の間、ダンエレクトロはコーラルブランドと並行してDaneシリーズを出していました。このシリーズはAからEまであり、AはHawkシェイプのボディですが、BからEはHornetシェイプのボディで、ボディサイドの形状とピックガードの形状がそれぞれのシリーズで違いがあります。
私が入手したのはDane DシリーズのD3Nで、これはコーラルのHornetと同じタイプで、ヴィブラートユニットがないものです。

ヘッドはHawkと同じで、インラインと呼ばれているものです。
ピックガードは薄いメタルの上にプラスチックを重ねたもので、光の反射によって波のような模様が浮かび上がります。さらにその上に透明プラスチックの小さいピックガードが取り付けられています。コーラルのHornetの場合は、ここにヴィンセント・ベルのロゴが入ります。
コントロール部もメタルプレートになっており、ジャックの部分が少し突き出ていて、プラグがボディに斜めにささるようにしています。
ピックアップはリップスティックを3つ搭載していて、それぞれにON/OFFスイッチがあります。コントロールノブは4つありますが、それぞれのピックアップのヴォリュームとマスターヴォリュームになっています。3つのピックアップのON/OFFとヴォリューム調整を組み合わせることで、トーンを調整する仕組みになっています。3つのピックアップは少しこもった感じのフロント、中域が強調されたセンター、カリカリしたリアといった感じで、これらを組み合わせることでニュアンスに富んだ多彩な音を出すことができます。様々な音楽スタイルに対応できるようにと、当時、数え切れないくらいのレコーディングに参加していたヴィンセント・ベルの意向が反映されたものだと思われます。



コーラル・Hornetの2ピックアップタイプではありますが、このギターはピート・タウンゼントのお気に入りで、彼のスタジオにも置かれていましたし、ピートはコーラルの広告にも登場したことがありました。

トーン・スイッチについて

2008-12-19 01:39:30 | Dano Column
ダンエレクトロメイドのシルヴァートーンのギターやアンプを紹介したページを見つけましたので、ブックマークに入れておきました。ダンエレクトロのヴィンテージは高騰気味だけど、シルヴァートーンブランドならまだ安値で買えるからコレクターが値を吊り上げる前に、有名ミュージシャンが使って注目される前にゲットしておけ、なんて書いてあります。
誰が書いたのかはわかりませんが、その人の主観によってチョイスされたギターとアンプのレビューは妙に説得力がありますね。私はダンエレクトロ、もしくはシルヴァートーンのヴィンテージアンプについていろいろ知りたかったこともあり、このページはとても参考になります。シルヴァートーンのアンプは1953年から1961年までに製造されたものがいい、みたいな。

以前、ベルズーキについて書いた記事で、トーン・スイッチの働きがよくわからなかったので調べていたのですが、このページにその説明がありました。1ピックアップ仕様のギターにある3WAYのトグルスイッチですが、下に倒したときは普通にトーン回路を通り、真ん中にしたときがトーン回路をバイパス、上に向けたときはローをカットして、リア・ピックアップのような音を出すとのこと。しかしながら、私のベルズーキで確認したところ、真ん中の位置と上に向けたときの違いはよくわかりませんでした。
いずれにしても、このような仕組みにすることで、1ピックアップでありながらも多彩なサウンドを生み出せるようにしてあるわけです。

COOL CAT! FUZZ

2008-12-17 01:49:53 | Dano Effects
ダンエレクトロの新しいシリーズであるCOOL CAT!のFUZZです。
このシリーズは現在、9種類がラインアップされていますが、そのうち6種類が歪み系です。筐体はFABシリーズの発展型となっています。

構造上の特徴としては、筐体が金属製であり、ジャックも金属製です。そしてクリック感のあるスイッチと少し大きめになったコントロールノブで、全体的にがっちりとした作りになっています。回路上の特徴としてはトゥルー・バイパスが採用されていて、今までダンエレクトロのペダルの欠点とされていた部分が改善されています。チープなペダルとは誰にも言わせないという意気込みが感じられます。

サウンド的には従来のダンエレクトロのペダルと比較しても音質はクリアになり、可変幅も拡大されていて、よりエグいセッティングが可能です。

私が手に入れたのはFUZZで、今までもダンエレクトロにはファズ的な歪みはありましたが、ファズと名づけられたものはなく、あくまでディストーションとされていましたので、ここでファズを出してきたからには何かあると思った次第。

このペダルはvolume、tone、fuzzの3つのコントロールがあります。私はとりあえずtoneとfuzzをフルにして、調整はギターのヴォリュームでするというようにしています。若干音は堅めで、メロウな音を出そうとしてもうまくいかない面はありますが、歪みも音圧も十分で、扱いやすいファズだと思います。

動画で楽しむDano(10)

2008-12-16 01:03:00 | Dano Movies(洋)
Sleater-Kinney - You're No Rock N Roll Fun [OFFICIAL VIDEO]


スリーター・キニーです。このバンドはガーリーなコリン・タッカー、マニッシュなキャリー・ブラウンスタイン、そしてオバサンっぽいジャネット・ワイスと、三者三様のキャラ立ちが見事でした。ここではコリンがダンエレクトロのDC-3を弾いています。彼女たちのアルバム「Dig Me Out」のジャケットは59DCがアップでフィーチャーされていて、ダンエレクトロ・ファン必携ですね。

※2008年12月20日追記
ジャケットをよく見たら、ダンエレクトロではなくてジェリー・ジョーンズのショートホーンモデルでした。

スリーター・キニーは2年ほど前に活動を休止しましたが、その後キャリーはコメディエンヌとして活動しているようですね。

ROCKY ROAD

2008-12-15 02:09:38 | Dano Effects
ROCKY ROADはレスリースピーカーのシミュレーターです。とても面白いペダルで私のお気に入りなのですが、残念ながら日本では発売されていません。



レスリースピーカーは1930年代後半から1940年にかけて、ドナルド・レスリーが開発した、回転式でアンプが内蔵されたスピーカーユニットです。そもそもは巨大なパイプオルガンの荘厳な響きをハモンドオルガンでも出せるようにと考案されたもののようです。ユニット内のホーンやローターを回転させることによって生じるドップラー効果を利用して、ヴィブラートやトレモロ、そしてコーラスといった音響効果をもたらします。しかし、このスピーカーユニットは大きくて、持ち運びが不便ということもあり、コンパクトな代用品がつくられるようになりました。フェイザーやヴィブラート、コーラスやトレモロといった、エレクトリック・ギターに使用するエフェクターの主なものは元をたどればこのレスリースピーカーに通じています。ダンエレクトロがレスリースピーカーのシミュレーターにROCKY ROADという名前をつけた理由もそこにあると思われます。



ロッキーロードはマシュマロとナッツ、そしてミルクチョコレートでつくられるカップケーキで、ナッツやチョコレートのかたまりがゴツゴツした岩のように見えることからロッキーロードと名づけられました。

ダンエレクトロのレスリースピーカーシミュレーターはコーラス、ヴィブラート、フェイザー、トレモロ、そしてオーヴァードライヴといったエフェクト機能が複合化されたものであること、さらにROCKY ROADを「岩だらけの道」ではなく、音楽ジャンルとしての「ロックへの道」ととらえてみると、レスリースピーカーが60年代にロック・ミュージシャンに使用され、その代用品として現在でも一般的に使用されているギターエフェクターが生み出されていった過程をそこに重ね合わせることができます。「すべてのエフェクターはレスリースピーカーに通ず」といったところでしょうか。

ROCKY ROADはSPEEDとDRIVEという2つのコントロールとRAMPというミニスイッチがあり、RAMPとON/OFFという2つのフットスイッチがあります。
SPEEDは揺れの速度を調整し、DRIVEは歪み具合を調整します。RAMPはレスリースピーカーの回転速度を切り替えるFAST/SLOWスイッチをシミュレートしたもので、モーターが回転を始め、速度が安定するまでのだんだん速くなる/だんだん遅くなるを再現します。フットスイッチのRAMPは踏むことでその速度を変えるものです。

SPEEDはゼロの状態では揺れのないコーラスのような感じになり、時計回りに回していくことで、ヴィブラート、フェイザーというようにサウンドがだんだんと変化します。DRIVEはこれ自体はスカスカの歪みですが、アンプの歪みと合わせるとなかなかいい感じのクランチになります。
問題はフットスイッチのRAMPで、ある意味これがROCKY ROADの肝と言っていいと思います。RAMPをアップさせていくと、ローポジションでは「ギロローン」といった感じのサウンド、ハイポジションでは「ビシャーン」といった感じのサウンドになり、かなりサイケデリックな音色になっていきます。それはいいのですが、このフットスイッチは踏むごとにRAMP UPしていきますが、さらに踏み続けると今度はRAMP DOWNしていくので、RAMP UPさせるつもりがRAMP DOWNしてしまうということがあり、演奏中にスイッチを踏む際には気をつけなければならないところです。ROCKY ROADにはこのような操作上の難点があり、それが非常に残念なところです。

しかしながら、このペダルを通して出てくる音はまさしく60年代的な古臭い感じになりますので、その頃のサイケデリックな音楽が好きな私には非常によいペダルであり、気に入っています。

CHICKEN SALAD

2008-12-14 03:17:32 | Dano Effects
エレクトリック・ギターの世界では、ヴィブラートとトレモロは意味を取り違えられてきた。フェンダーのせいだね。本来ヴィブラートは音程を変化させることで音を揺らし、トレモロは音量を変化させることによって音を揺らすということなんだけど、ヴィブラートをかけるアームをトレモロアームとし、アンプのトレモロをヴィブラートとしてしまった。でも、今さら変えられないね。

というわけで、ダンエレクトロのヴィブラート・ペダルの話。これもFRENCH TOASTと同様に隠された秘密があって、新映のUNIVIBEとそっくりのサウンドを持っているという。クローンなのかどうかは定かではない。

UNIVIBEはジミ・ヘンドリックスが使用したことで知られている。あのウッドストック・フェスティヴァルにおいてもヘンドリックスの足下にはこのペダルがあった。例の「スター・スパングルド・バナー」の凄絶な演奏に日本製のUNIVIBEが貢献したことは日本人としてやはり嬉しくなってしまう。



UNIVIBEはレスリーなどのロータリースピーカーのサウンドを再現するべく開発されたもので、ペダルをワウのように踏みこんでスピードを調整できるようにしている。ダンエレクトロのヴィブラート・ペダルはINTENSITYとSPEEDの2つのノブにより、揺れの強さと速さを調節する。ヘンドリックスのようなサウンドにするならINTENSITYはフルにしてSPEEDは12時の位置くらいかな。ウッドストックのDVDを見ながら合わせてたらそうなった。そしてつなぐときは歪みの前のほうがいい感じ。そうするとギターを弾いていないときのノイズの揺れかたも雰囲気ばっちり。

ダンエレクトロのヴィブラート・ペダルはCHICKEN SALADと名づけられたが、なぜそうなったかは、ウッドストックでジミ・ヘンドリックスがUNIVIBEを使用したということによるものと推測される。



チキン・サラダは野菜サラダに焼いた鶏肉をあわせたものだが、この料理そのものはどうでもよく、CHICKENとSALADそれぞれの単語の意味が重要なのである。どちらも青二才というような意味で使われることがある語で、SALAD DAYSといえば、モンティ・パイソンがやったサム・ペキンパーのパロディが思い出されてしまうわけだが、ここではそうではなく、経験のない青年時代ということ。ウッドストック・フェスティヴァルが、まさに経験のない青二才により企画され運営されたものであり、それに象徴されるようなヒッピー文化が隆盛したアメリカの60年代がSALAD DAYSということになるわけ。ということで、この時代を象徴するミュージシャンがジミ・ヘンドリックスであり、彼が使用したUNIVIBEのサウンドを再現するペダルをCHICKEN SALADと名づけたのではないかと、まあ勝手に考えた次第。

FRENCH TOAST

2008-12-13 03:22:29 | Dano Effects
FRENCH TOASTはオクターヴ・ディストーションということになっていますが、実は隠された秘密があります。このペダルはファズであり、FOXX TONE MACHINEのクローンなのです。
現在のダンエレクトロブランドを展開しているのはエヴェッツ・コーポレーションであり、その社長がFOXX TONE MACHINEをつくった人であると以前にも書きましたが、過去に自分が作ったオクターヴ・ファズの名機をダンエレクトロブランドで蘇らせたのです。
そのことは奇妙にも隠蔽されましたが、しかしそれとなくヒントを出してもいるのです。FRENCH TOASTという名前がそのヒントです。この名前はTUNA MELTと同様の語呂合わせ的なもので、イニシャルのFとTによって、このペダルがFOXX TONE MACHINEであることをほのめかしているというわけです。



さらにいえば、TONE MACHINEはある意味シュルレアリスムにも通底するように、金属の筐体をスウェードで包んでいますが、このことが、ダリのいう、「偏執狂的-批判的」な体系的連想をもたらし、パンを卵にひたして焼くフレンチ・トーストに結びついたと思われます。



FRENCH TOASTにはLEVEL、DIST、EQの3つのコントロールノブとOCTAVEの1つのミニスイッチがあります。これらはFOXX TONE MACHINEのVOLUME、SUSTAIN、MELLOW/BRIGHTという3つのノブとSUSTAINという1つのスイッチにそれぞれ対応します。

FOXX TONE MACHINEはFUZZ FACEとは違い、かなりエグいファズです。したがって、FRENCH TOASTも同様にエグい歪みかたをします。
オクターヴスイッチをONにし、DISTとEQをともにフルにした状態で、ギターの高音弦のハイポジションを高速アルペジオで弾いてみれば、まさに狂乱状態のスクリーミングサウンドが得られます。
オクターヴスイッチをOFFにし、EQを絞れば、重くて音圧のあるファズになります。ラムズヘッドのような音がするという噂も広まり、FRENCH TOASTは格安ファズペダルとして注目され、ダンエレクトロのペダルの中でも人気の高いものです。