ファイアフライといえば、マルクス兄弟の映画「我が輩はカモである」でグラウチョが演じた役を思い出す。このギターとは何の関係もないことではあるが、コーラルブランドの数あるギターの中で、このモデルだけ愛称がつけられているのには何かわけがあるのではないかと、例によってあれこれ思い悩んでいるときに、昔見た映画の記憶がよみがえってきたというわけなのである。現時点ではこれ以上の展開はないのである。
Coral Fireflyはダブルカッタウェイのホロウボディ。リップスティック・ピックアップが2つ取りつけられていて、それぞれに1Vol、1Toneが割り当てられている。ネックはデタッチャブルで3点止め。通常のダンエレクトロのように直接のネジ止めではなくプレートをかましている。21フレット。
ヴィンセント・ベルのシグネチャーデザインとピックガードには記されているのであるが、ボディは日本のカワイ製であることはよく知られている。このモデルが生産されていた時期は1967年から1969年頃まで。コーラルといえばエレクトリックシタールが知られているが、それ以外のモデルもセミアコのロングホーンやらティアドロップやらヴァイオリンシェイプやら変わり種が多い。その中でいわゆる普通のセミアコみたいな風情でいるのがこのファイアフライである。
ファイアフライには6弦モデルのほかに12弦や4弦ベースもあるそうだが、ほとんど出回ってはいない。6弦にもいくつか種類があり、ビグスビー付のものやウッドブロックにフレットをつけたブリッジをボディの上に乗せただけのものもある。そのあたりの仕様が曖昧なのでまぎらわしいのが悩ましい。
このファイアフライであるが、これを愛用するギタリストがどこかにいるのだろうかと調べてみると、愛用しているかどうかはわからないが、少なくとも「お宝」と認識しているギタリストがいることがわかった。野村義男である。
The Other Side of『野村義男ギタースタジオ匠~たくみ~』
http://ameblo.jp/nomura-guitar-takumi/entry-10922564702.html
リンク先のブログの下のほうに野村義男が所有しているファイアフライの画像を見ることができる。
やはりよっちゃんは持っているんだなあ。