Hawk

2008-10-31 18:51:34 | Dano Guitars
これは1967年頃のモデルです。ショートスケールの小さくて可愛いギターで、ブルー・フィニッシュされたものには「ベイビー・ブルー」という愛称がつけられています。このギターはボディが薄いのが特徴です。そしてブリッジはPRO-1と同様に鉄板を三角に折り曲げただけのものになっています。どちらかというとパキパキした感じの音が出ます。ネックは18フレットで、ボディとのジョイントもPRO-1同様なんですが、カッタウェイがより深くなっているので、最終フレットまで指がとどきます。

Hawkには12弦タイプもあり、アート・リンゼイが長年愛用していることで知られています。私もできれば12弦タイプが欲しかったのですが、弦交換のときに面倒なので、結果的に6弦タイプでよかったのではないかと思っています。
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4021

2008-10-30 20:36:41 | Dano Guitars


ダンエレクトロの定番ギター、59DC(3021)のヴァリエーションが4021です。通常のモデルとはヘッドとピックガードが異なり、前回紹介したシルヴァートーンの1452Lと同様のハンドヴィブラートが付いています。
このヘッドはバットウィングと呼ばれます。このモデル以外ではベルズーキにも採用されていますね。私の所有しているものには1、2弦のストリングガイドがありますが、ないものもあります。また、ペグにしても私のものはオープンバックですが、3連スケートキーになっているものが多いようです。
ピックガードは通常のものより大きいものになっており、ボディ全体に占める白の割合が増えていますが、この状態での黒と白のバランスが私は好きです。コントロールノブは通常と同様、下がヴォリュームで上がトーンのスタックタイプです。

このモデルはテレヴィジョンの初期にトム・ヴァーレインが使っていました。画像が小さいのですが、ビグスビーのB5が取り付けられているようです。この画像ではベースのリチャード・ヘルもショートホーン・ベースを使っています。

この4021は絶対に手に入れたいと思いました。手に入れるまでにいろいろと紆余曲折があったので、手にしたときは本当に嬉しかったですね。音も素晴らしく、ダンエレクトロならではの、音抜けの良いTWANGYなサウンドで、いつまでも弾いていたくなります。
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動画で楽しむDano(2)

2008-10-29 00:33:35 | Dano Movies(洋)
Link Wray Trail Of The Lonesome Pine


ダンエレクトロといえばやはりこの人。1960年の映像です。テレビ収録のせいか演奏はおとなしい感じ(というか弾いているフリだけ)ですが、ギターリンを弾いているリンク・レイが見られるだけで十分です。それにしてもリンク・レイは手がでかいですね。

ギターリンはいつかヴィンテージを手に入れたいと思っています。
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ダン・アームストロング

2008-10-28 01:02:57 | Dano Column
ダン・アームストロングのバイオグラフィをまとめたサイトを見つけたのでブックマークに入れておきました。

ダン・アームストロングは透明なボディとカートリッジ式で簡単に着脱できるピックアップを採用したギターやオレンジ・スクイーザーというコンプレッサーの開発で知られているルシアーですが、ダン・アームストロングとダンエレクトロの関係はというと、単に名前がダンというだけでなく、画像のようにダンエレクトロをモディファイしたギターをつくったというところにあります。

サイトの記述を読むと、ダン・アームストロングとネイサン・ダニエルは会ったことがあるそうです。ダン・アームストロングの工房にネイサン・ダニエルが訪れ、ちょうどダンエレクトロのギターを調整していたダンの作業を静かに見つめていたというのです。この頃はすでにダンエレクトロの工場も閉鎖されていたとのこと。この出会いからしばらくして、ダン・アームストロングはダンエレクトロの工場に残されたギターおよびその部材から、Dan Armstrong Modified Danelectroとして650本程度を生産し、販売することになります。その経緯はというと、MCAからダンエレクトロを買い取ったという、ウィリアム・C・へリングという人物との出会いから始まりました。話を聞いて興味を持ったダン・アームストロングは、へリングからダンエレクトロの商標権と工場にあるギターの部材を買うことにしたとのこと。

これらモディファイされたギターはすべてシングルカッタウェイのモデルで、ヘッドにあったダンエレクトロのロゴを取り、ペグをクルーソンタイプのものに変更し、透明のピックガードにDan Armstrong Modified Danelectroの文字を入れ、ピックアップはリップスティックの代わりにハムバッカーを一つ搭載したとされています。画像はベースで、リップスティックピックアップが搭載されたままですが。

何はともあれ、工場が閉鎖されて行き場を失ったダンエレクトロのギターたちをダン・アームストロングが救ってくれたわけです。
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DADDY O.

2008-10-27 01:21:35 | Dano Effects
ダンエレクトロのオーヴァードライヴペダルですが、なぜDADDY Oとネーミングされたのでしょうか。ダンエレクトロのネーミングはユニークではありますが、いわゆるアメリカン・ジョークにピンと来なくて笑えないのと同様な感覚を引き起こすことがままあります。
DADDY Oというのは「おじさん」とか「おっさん」という意味で、より親愛の情を加味するならば「おやっさん」みたいなニュアンスになるでしょうか。経験豊富で頼れる存在みたいな意味合いのオーヴァードライヴペダルということかもしれません。また、Overdriveの「O」にかけているとも考えられます。ネットで調べてみると、1950年代後半につくられた「DADDY O」というB級映画があることがわかりました。タランティーノが「パルプ・フィクション」の中でポスターを引用しているそうなので、その筋にはカルト的な人気のある映画なのかもしれません。この映画とダンエレクトロを関連づけるものは見つかりませんでしたが、引き続き調べてみたいと思っています。

このペダルは3バンドのEQが特徴です。そのためコントロールノブが全部で5つになり、しかもかなり密集しているため、操作しづらいという難点があります。3バンドのEQといえば、マーシャルのガヴァナーもそうですが、DADDY Oはガヴァナーの回路を参考にしてつくられたようです。確かにサウンド的にはマーシャルライクなものになっています。
マニュアルのセッティング例を見ると、ブルース、ジャズ、カントリー、60年代ブリティッシュ・ロックなどがあり、多様なスタイルに対応できることをアピールしています。
そのセッティング例に「T.C.O.B」というのがあります。これはおそらくTake Care Of Businessのことだと思われますが、「やるべきことをやる」といった意味のフレーズがエフェクターのセッティングとどういう関係にあるのかが不思議に感じられます。フラットに近いセッティングなので最低限「やるべきことはやっている」ということなのでしょうか。これについてもネットで調べてみるとエルヴィス・プレスリーが好んで口にしたフレーズがTake Care Of Businessだったということがわかりました。もし、そのことが踏まえられているのだとすると、ロックンロールをやるのにちょうどいい感じの歪みということになるでしょうか。

いずれにしても、クランチからディストーション的な歪みまでをカバーしていますので、FAB TONEを持て余してしまうような場合にはDADDY Oがよいということになります。

DADDY Oといい、T.C.O.Bといい、日本人には微妙に伝わりにくいのですが、アメリカ人であれば労せずとも腑に落ちる感じなのでしょうか。
言葉はとりあえず置いておいて出てくる音がよければいいではないか。そういうわけで、私はこの大きな筐体のエフェクター群にますます魅かれていくのでした。

※追記
改めてマニュアルを見ると、The Gran Daddy of Overdrive と表記されているのを見つけました。オーヴァードライヴのおじいさん、ひいては模範となるようなオーヴァードライヴといった意味合いでしょう。まあ、それはそれで。
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ヴィンセント・ベル

2008-10-26 02:32:00 | Dano Column
ヴィンセント・ベルのギターコレクションのサイトをブックマークに入れました。このコレクションには、製品化されるには至らなかった試作品もあって興味深いです。

この人はダンエレクトロの開発協力者としてベルズーキやエレクトリック・シタールを生んだことで知られていますが、もちろん伝説のスタジオ・ミュージシャンですね。数え切れないくらいのレコーディングに参加しています。「ツイン・ピークス」のテーマ曲もヴィンセント・ベルですが、ダンエレクトロのバリトンギターを使用したそうです。

ギタリストであり発明家的な側面も持っている人というと、レス・ポールがすぐに思い浮かびますが、ヴィンセント・ベルも負けず劣らずですね。ベルズーキはブズーキという民族楽器にヒントを得て開発されましたが、12弦のエレクトリックギターとしては世界初とされていますし、エレクトリック・シタールもそうですね。それと、「エアポート愛のテーマ」で聴ける、まるで水の中でギターを弾いているようだと言われたサウンドなど、オリジナルなギターサウンドも生み出しています。

けっこうホラ吹きの爺さんらしく、なんでもかんでも「あれは俺が弾いたんだ」とか言っちゃうらしいですけれども。
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動画で楽しむDano(1)

2008-10-25 12:41:57 | Dano Movies(洋)
Boom,like that - AMAZING AUDIO! - Mark Knopfler - Live 2005


昨日紹介したシルヴァートーン1452Lをマーク・ノップラーが弾いています。
マークさんはイメージ的にはストラトの人ですけれども、ダンエレクトロの59DCやテスコのスペクトラム5を弾くこともあって、意外にビザール系のギターとも親和性が高いんですよね。
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Silvertone 1452L

2008-10-24 02:56:28 | Dano Guitars
このモデルは1968年のもので、ダンエレクトロがシルヴァートーンに提供した最後のモデルです。ダンエレクトロ製のギターとしては珍しくソリッドボディとなっています。フェンダーのジャガーに似たボディシェイプと言われていますが、ジャガーと比べると少しはずした感じがします。そのあたりがまた可愛くて仕方がないところなんですが。
このモデルはダンエレクトロがMCAに吸収されてから新たに立ち上げたコーラルブランド(エレクトリック・シタールが有名)のものもあり、Hornetと名づけられました。ボディ下部のふくらみは確かに蜂を連想させますね。

リップスティックピックアップとローズウッドサドルのブリッジはダンエレクトロそのものですが、このモデルはハンド・ヴィブラート(トレモロユニット)が付いています。このトレモロユニットはビグスビーやフェンダーとも違った非常にユニークなもので、ブリッジの真下にボディを貫通する穴を開けて、大きなスプリングを垂直に入れ、ブリッジと金具で上下からはさむという仕組みになっています。ブリッジと金具は長いネジでつながり、このネジでスプリングのテンションを調整します。ボディの裏側には貫通した穴をふさぐために金属製の蓋がしてあります。可変幅は大きくないのでジミ・ヘンドリックスのようなアーミングはできません。

ネックはそれほど太くはありませんが、幅がかなり広いため、慣れないと弾きにくく感じられます。音はソリッドボディのせいか、トレブリーな傾向があります。
このギターはマーク・ノップラーが使用していることで知られています。彼のような名手が弾けば極上のトーンを出しますが、幅広いネックのせいもあり、弾きこなすのは難しいですね。
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Silvertoneもよろしく

2008-10-23 21:13:50 | Dano Column
シルヴァートーンブランドのギターやアンプ、そして家電製品などを紹介するサイトを見つけたので、ブックマークに入れておきました。

このシルヴァートーンはダンエレクトロとも非常に関わりの深いブランドですね。ダンエレクトロに興味を持ったばかりの頃は自分の中で情報が整理されていなくてなんとなくややこしい感じがあったんですけれども。
というのも、私は最初、シルヴァートーンというのはダンエレクトロの下位ブランドみたいなものだという認識を持ってしまったからなんですね。でも、シルヴァートーンブランドのギターにはダンエレクトロだけではなく、ハーモニーやケイ、あるいはテスコのものもありますし、さらにはKISSのポール・スタンレーのシグネイチャーモデルもあったりするわけです。

要するに、シルヴァートーンというのはシアーズ&ローバックという米国のデパートがやってたカタログ通信販売のブランドで、実は1915、6年あたりからラジオや蓄音機などの家電製品を扱うブランドして存在していたのです。ギターやアンプなど扱うようになったのは1930年代くらいからで、ダンエレクトロは1950年代から60年代にかけて、シルヴァートーンブランドにギターやアンプを提供していたというわけです。

シルヴァートーンというとまず思い浮かぶのがアンプ・イン・ケースですね。ギターのハードケースにチューブアンプを内蔵し、電源のあるところならいつでもどこでもエレクトリックギターの演奏を楽しめますと、まあこういうわけなんですが、しかしアンプ内蔵のケースは重たいですね。ポータビリティーのパフォーマンスは決して高くないと思います。テスコはもうアンプ内蔵のギターを作っていましたし、それをシルヴァートーンブランドでも販売していましたから。
とはいえ、アンプ・イン・ケースのたたずまいには古き良きアメリカの雰囲気が横溢してますので、これはこれでたまらない魅力を備えていますね。
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FAB TONE

2008-10-22 02:28:25 | Dano Effects
ダンエレクトロは1969年に工場が閉鎖され、いったんその歴史に幕を閉じます。その後、1990年代にエヴェッツ・コーポレーションによってダンエレクトロブランドが復活しました。このエヴェッツ・コーポレーションの社長はオクターヴ・ファズの名機FOXX TONE MACHINEを作った人だということはよく知られていますが、そのせいかどうか、ギターだけでなくエフェクターも現行のダンエレクトロの主力製品となっています。

ダンエレクトロのギターとアンプの虜となった私は、自然とエフェクターにも関心を抱くようになりましたが、そのとき目の前に現われたのがFAB TONEでした。凄まじい轟音を出す、最狂の歪みと謳われることの多いこのディストーション・ペダルに強く魅かれるものを感じた私は、早速入手し試してみることにしたのでした。



高出力のピックアップを搭載したギターにつなぐと、評判どおりノイズまみれの凄まじい轟音になりましたが、決してコントロールできないほどではなく、TREBとFABのツマミを下げることで心地のいい歪みを得ることができました。ダンエレクトロのギターにつないでみると、TREBやFABをかなり上げても暴れることなく、倍音成分がジワーッと広がっていく、いい感じの歪みが得られました。

FAB TONEは愛好者も多いが持て余す人も多いというペダルですが、これは決して轟音を出すために設計されたのではなく、ただ、「あのモグワイも使用している轟音ペダル」というイメージが先行しているため、轟音を出しつつそれをコントロールしようとすると音作りが難しくなってしまうということなのだろうと思います。

ダンエレクトロのエフェクターの筐体はとてもユニークなかたちです。一見するとミミズクのように見えますし、Dのロゴマーク部分はおそらくキャデラックのエンブレムを模したのだと思われます。ときにアール・デコ調の筐体だと言われることもありますが、他のメーカーのエフェクターと比較すると装飾性の高いデザインでしょうし、コントロールノブを目に見立てて全体を顔として構成するファズフェイス以来のデザイン伝統を踏まえているようにも思います。

ユニークなかたちと個性的なサウンドを持ったダンエレクトロのエフェクターに出会ったことで、それまでアンプ直結主義であった私は見事に転んでしまったのでした。
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