TOKAI LS-80

2008-12-24 02:07:38 | Other Guitars


1982年12月に購入した私の最初のギター。
一見、何の変哲もないレス・ポールのコピーであるが、ヘッドに謎があった。



トーカイのLSシリーズのヘッドの文字は年代によって次のようになっている。

1977年~1979年 Les Paul REBORN
1980年     Reborn OLD
1980年~    Love Rock MODEL

ところが、私のLS-80は画像のとおり「Les Paul MODEL」となっている。シリアルナンバーによれば私のものは80年製なので「Reborn OLD」か「Love Rock MODEL」でなければならないはず、しかしそんなことよりも、ギブソンとエピフォンにだけ許される「Les Paul MODEL」の称号が私のギターのヘッドにあるというのが謎であったわけだ。
この謎を解くカギは1980年にあった。トーカイはヘッドにLes Paulを入れてはいけないと訴えられ、ヘッドの文字を変更することになったわけだが、Reborn OLDにしたものの、ちょっとかっこわるいと思ったのか、さらにLove Rock MODELへと変更した。1980年という年はトーカイにとって激動の一年間であったのである。
要するに、私のLS-80のヘッドの付き板はLes Paul REBORN期のものであるが、しかしながらすでにLove Rock MODELの生産が始まった頃に作られたため、本来REBORNと印字されるべき場所ににMODELと印字されてしまったというわけだ。私のギターはトーカイの混迷した状況をそのまま体現する個体なのである。

私はこのLS-80を高校時代ずっと使っていた。当時はFadedだのRelicだのといった仕様はなかったが、使い込んだボロボロのギターがかっこいいという感覚はあって、私もそういう状態にしたいと思い、日頃の手入れを一切しなかったので、ブリッジやテールピースは腐っているし、バインディングも浮いている。高校時代は「俺がこいつをギブソンのよりもいい音で鳴らしてやる」とばかりに意地になって弾いていた。私のこの思いにこのLS-80は応えてくれたと思う。

数年前、ギターをやりたいと言い出した姪にあげたのだったが、学校に持っていく途中でどこかにぶつけたのか、ネックを折ってしまった。素人リペアしたのだが、結局姪はギターを弾かなくなったので、ギター熱が再燃した私のところに戻ってきたのである。リペア後の状態は、強度的には問題はなさそうだが、音にガッツがなくなったような気がする。とはいえ、決して悪い音というわけではなく、ショボいコンデンサーとゴトーPAFでこれだけの音が出れば十分だと思う。

やはり最初の1本ということで愛着があるので、そのせいで、今後もギブソンのレス・ポールを手にすることはないだろうと思う。
コメント (2)
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