Epiphone Electar

2019-08-29 17:48:05 | Other Amps


これはエピフォンの1940年代につくられたアンプで、このアンプの回路を設計したのが、若い頃のネイサン・ダニエルなのである。
このアンプはRola製の12インチスピーカーを搭載していて、出力は30wほど。正面のグリルのデザインはまさにアール・デコといった感じ。





上部は傾斜しており、コントロール部が埋めこまれている。3インプット、トーンとボリュームのノブが1個ずつ。その他に電源スイッチとパイロットランプ、ヒューズがついている。

真空管は5879、6SF5GT、6SL7GT×2、6L6G×2の、6本を使用。
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Fender Bassman '59 LTD

2018-12-09 20:45:01 | Other Amps


フェンダー・ベースマンはその名の通りベース演奏用のアンプで、開発されたのは1952年のことである。レオ・フェンダーはエレクトリック・ギター関連で様々な発明を行ったが、ベース・アンプの最初の開発者でもあったというわけである。
最初に登場したベースマンは15インチのスピーカーを1基搭載したものであり、フェンダーのその他のアンプと同じように、年代によってTV型→ワイドパネル→ナローパネルとデザインが変わっていった。

回路も同様であり、ワイドパネル期には5B6と呼ばれる回路が採用され、ナローパネル期になると10インチのスピーカーを4基搭載したものとなり、5D6という回路が採用された。スピーカーが10インチ4基に変更になった理由は、15インチ1基だとすぐにとんでしまうからだという。以後は年代順に1955年に5D6-A、1956年には5E6、1958年から1960年の最終期には5F6、5F6-Aといった回路に変わっていくのであった。

この最終期のベースマンがベース用に開発されながらも「世界最高のギターアンプ」と称えられるベースマンアンプであり、我々がベースマンといえばすぐに頭の中に浮かんでくるあのベースマンなのである。

今回入手したモデルは、その最終期のリイシューである。さすがにヴィンテージは手の届かないものとなってしまった。リイシューとはいえ、当然のことながら配線や使用しているパーツに細かな違いはあるわけで、その意味ではよりオリジナルに近いかたちに、たとえば配線をPtoPにハンドワイヤー化したいとか、欲は出てくるのだが、これはこれでとてもいいアンプといえるものである。

さて、ベースマンの出力は45w、コントロール部はブライトヴォリューム、ノーマルヴォリューム。トレブル、ベース、ミドル、プレゼンスの6つがあり、入力ジャックはブライトジャックとノーマルジャックがそれぞれ2個ずつある。マーシャルのアンプでよくやるような、ブライトジャックとノーマルジャックをリンクさせる方法もあり、それでもサウンドはずいぶんと変化する。

使用する真空管はプリ部に12AX7を3本、パワー部に6L6を2本、レクチに5AR4が1本であり、オリジナルとは若干の違いがある。

10インチスピーカーを4基も搭載しているのだからこのアンプは決して小さくはないが、高さ57センチ、幅60センチ、そして奥行きが27センチ程度といったところで、そんなに大きいわけでもなく、重さも25キロくらいなので、現在の大型アンプと比較すれば特別に重いわけでもないと意外に思うかもしれない。

ただ、自室ではナチュラルに歪んだサウンドを楽しむというわけにはいかない。部屋中が揺れるくらいの爆音になってしまうからだ。
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Supro SuperSix 6606

2018-10-26 17:29:24 | Other Amps


スプロのSuper Six 6606は出力が5W程度、サイズが横40cm、縦30cm、奥行20cmくらいの小さいアンプである。コントロール系はスイッチも兼ねているヴォリュームコントロールが1個、トーンコントロールが1個、使用する真空管はプリ管が12AX7、パワー管が6V6、整流管に5Y3という仕様である。スピーカーは8インチのジェンセンを搭載している。

このアンプの回路はグレッチの6150とエアラインの62-9032と同じものであるが、ブランドのヒエラルキーによって市場価格に差がある。当然、グレッチが一番高い。

このアンプも「チャンプキラー」と呼ばれているものの一つである。

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Gibson BR-9

2018-08-27 13:25:29 | Other Amps


ギブソンのBR-9はラップスチールギターとセットで販売されていた。第二次世界大戦後ハワイアン・ミュージックが流行し、ラップスチールギターを学ぶ人が増加したことから、このモデルは音楽教室を通じて1948年から1955年頃まで販売されたという。文字通りのスチューデント・モデルなのである。

このアンプは出力は10w程度、使用される真空管は5Y3、6SN7、そして6V6が2本である。フィールドコイルの8インチスピーカーを搭載している。
サイズは高さが33センチ、幅が44センチ、奥行きが17センチで小さく、扱いやすいもの。コントロール類は背面にまとめられており、2つのインプット(先生と生徒がセッションするために2つあるのだそうだ)、電源のON/OFFスイッチ、そしてヴォリュームノブが一つだけある。

このアンプから得られるサウンドの特徴はウォームなクリーンサウンドであまり歪まないが、ブルージーな雰囲気を醸し出すにはとてもよいアンプ。

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Magnatone Varsity M-197-3-V

2018-08-06 21:49:00 | Other Amps
マグナトーンの歴史は1930年代後半にさかのぼる。
ディッカーソン・ミュージカル・インストルメント・カンパニーがマグナトーンの前身で、アンプやスチール・ギターを製造していた。それをガストン・フェイター・ギター・スタジオが1940年頃に買収し、さらに1946年にアート・デュアメルがその会社を買い取ることとなった。それを機に、社名はマグナ・エレクトロニクス・カンパニーと改められ、ブランド名はマグナトーンとなったのであった。



Magnatone Varsity M-197-3-V
マグナトーンのこのアンプはスチールギター用につくられたアンプで、1948年から1952年頃まで生産された。筐体のサイズは高さ24センチ、幅25センチ、奥行きが13.5センチほどのとても小さいものである。出力は5W程度で、インプットは2つ、電源スイッチを兼ねたヴォリュームコントロールが1つある。真空管はプリ部に6SJ7、パワー部に6V6GT、整流管には5Y3が使用されていて、スピーカーはオックスフォードの8インチが搭載されている。これらの小さいアンプは現在でも比較的安値で購入することができ、そのサウンドは、同時代を代表する小型アンプであるフェンダーのツイード・チャンプに勝るとも劣らないことから、「チャンプ・キラー」と呼ばれたりもする。

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Marshall Mercury

2018-07-14 01:18:31 | Other Amps


マーシャル・マーキュリーは1972年から1973年までメールオーダーのみで販売されたモデルである。

基本的にはイギリス国内だけで販売されたようで、117V仕様のものはない。なので、アメリカや日本で見かけるものは、トランスが交換されているか、ステップダウントランスをかまして使うものかのどちらかになっているはず。私が入手したものはステップダウントランスが付属していたが、邪魔なので、トランスを交換してもらった。

マーシャルはいわゆるスチューデントモデル的なアンプをあまり作ってこなかった。今でこそ、5wクラスのものや1wクラスのものなどを作ったりしていたが、そのカテゴリーに対応するモデルがマーキュリーであり、カプリであると言える。

マーキュリーのサイズは縦47cm、横47cm、奥行き22cmの手頃なサイズ感であり、ミュージックマンと同様、チューブとトランジスタのハイブリッドアンプである。インプットはLoとHiの2つあるが、ゲインの違いというよりはトーンの違いのように感じられる。また、トレモロが内蔵されているが、回路的な問題があり、他のメーカーのトレモロのようには大きな変化はしない。

このモデルにおいても、歯切れがよく、高音域が強調されたマーシャルらしいサウンドは健在。

赤いトーレックスの筐体と金のパネルに大きく書かれたMarshallの文字とあいまって、かわいらしい雰囲気を醸し出している。

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Sound City Concord

2017-08-16 19:33:02 | Other Amps
ダラス・アービター社の歴史は1875年までさかのぼることができるのだという。ヴィクトリア女王の時代、王室御用達で楽器をつくっていたのが始まりなのだそうだ。

この会社が1960年代の初頭にダラス・ミュージカル・リミテッドとなり、1965年にアービター・エレクトロニクス社を買収、そして1967年にそれぞれの会社の代表者の名前を入れたダラス・アービター社が生まれたというわけだ。「サウンド・シティ」というブランド名はアービター・エレクトロニクス社が使用していたものだったが、ダラス・アービター社になってからも引き続き使用された。

この会社にいたのがデイヴ・リーヴスで、彼はレイ・ボネットやブライアン・ハッカーの協力を得ながらMark1と呼ばれるアンプを設計し世に送り出した。その後、リーヴスはハイワットを設立することとなるのだが、サウンド・シティがハイワットの前身であるかのように語られることがあるのはこのせいである。ダラス・アービターからは他にもデニス・コーネルのようなアンプ・ビルダーが出ている。



さて、このたび私が入手したのはサウンド・シティのコンボアンプ「コンコード」である。12インチスピーカーを2発搭載した40ワットほどのアンプであるが、特徴としてはヴォリュームやトーンコントロールがスライド式のフェーダーになっていることとVUメーターがあるというところで、このような外観を備えたアンプは他にはないだろう。このルックスが気に入り、かなり前からこのアンプが欲しかったのだが、なかなか縁がなく、今回ようやく手に入れることができたので、喜びもひとしおである。

サウンド的な特徴としては、音量を上げてもなかなか歪まず、かなりトレブリーで音の抜けがよいといったところ。こうしたサウンドはハイワットなどとも共通するキャラクターと言ってよいだろう。

前面のグリルクロスに穴が開いているので交換したいと思うし、スピーカーもできれば交換したい。やはりUK製なので、選択肢としてはセレッションかFANEにしたいと考えている。実のところオリジナルはエミネンスという話だけれども。
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Ampeg Jet J-12T

2016-06-22 19:03:46 | Other Amps


アンペグのJ-12Tは15ワットのコンボアンプで、12インチのスピーカーを搭載している。私の入手したものはジェンセンのアルニコスピーカーが搭載されたものである。パワー部はEL84が2本、プリ部は12AX7が2本といった感じ。

オリジナルは60年代に製造されていたと思うが、これは90年代に出たリイシュー。これは一時期相当な安値で投げ売りされていたような気がするが、コストパフォーマンス的にはとてもよいアンプであるし、歪む一歩手前のサウンドを楽しめるアンプでもある。



このアンプの機能としては、ギター用とアコーディオン用の2つのインプットとトレモロとリバーブを装備している。

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Acoustic G100T 112

2016-06-21 20:56:18 | Other Amps




アコースティック・コントロール・コーポレーションは1967年、スティーヴ・マークスと彼の父親が立ち上げた会社で、ギターやベースのアンプを開発、製造していた。1980年代にいったん事業を停止したが、2007年にアコースティック・アンプリフィケーションと名称を変更して事業を再開しているとのこと。

企業としてはこうした経緯があるため、事業停止前のアコースティック製品は今ではなかなか見つからなくなっているのだが、一部ではその製品に対する評価が高まってきており、これから価格が高騰していくのではないかと思われる。

今回、私が入手したのはG100T 112というモデル。まず、ブラウン、といってもフェンダーよりははるかに濃い、焦げ茶といったほうがいいトーレックスに覆われた外観が素晴らしい。そして、パワー部に6L6管を4本使用、プリ部に12AX7を3本、フェイズインバーターに12AT7を1本使用した100ワットのフルチューブアンプである。

2チャンネルで、1チャンネルがクリーン~クランチ、2チャンネルが歪み。トーンコントロールはトレブル(プルブライト)、ミドル、ベース(プルブースト)、プレゼンスの4つあり、そしてリバーブとマスターボリュームがあり、5段のグラフィック・イコライザーがある。右端にはチャンネルを切り替えるスイッチとスタンバイスイッチがあり、電源スイッチはアンプの背面にある。背面にはその他、スピーカーの抵抗(4オームと8オーム)を切り替えるスイッチやワット数(100ワットと50ワット)を切り替えるスイッチがあり、あとはエフェクトのセンドリターンやフットスイッチの各ジャックがあるのである。

コンボアンプとして考えれば無駄に多機能にするわけでもなく、しかしかゆいところに手が届く、充実した機能を備えたアンプといえるのではないかと思う。

本来スピーカーもエレクトロボイスのEVM-12Lが贅沢に搭載されていたのだが、私は部屋の中でしか弾かないので、このスピーカーは重過ぎ、ラウド過ぎというわけで、ジェンセンのC12K-8に換装した。これで4キログラム減となったが、持ってみればやはり重い。しかしこの換装は私にとっては正解だったように思う。

もともと小さいアンプが好きで、このブログでも様々なアンプを紹介してきたが、昨年わけあってソリッドステイトの小さいアンプのほとんどを売却してしまった。現在も所有しているのは40センチ四方程度のチューブアンプがほとんどなのだが、今回ひさしぶりに大きくて重いアンプを手に入れて、いささか興奮している今日この頃である。

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Epiphone Century

2014-10-26 20:08:56 | Other Amps


エピフォンのアンプが届いた。注文したのは6月だったが、今頃になって納品されたのは例によって日本での発売が延期となったからだ。こうしたことはよくあることなので気にもしていなかったら何度か楽器店から意思確認の電話が来ていたらしく、変わらず購入意欲が漲っていることを慌ててメールで伝えた次第。

このアンプはエピフォンが1930年代に製作したもののリイシュー。オリジナルは1932年にリッケンバッカーが生み出した史上初のエレクトリック・ラップスティールである「フライング・パン」に対抗してエピフォンが開発した「エレクター・シリーズ」の一環だ。12インチのスピーカーを搭載し、プッシュ/プルの回路が採用されたアンプで、そのキャビネットは同年代のいわゆるカテドラル型ラジオのようでもあり、金属製のバーハンドルやアルファベットの「E」をモチーフとしたグリル部の装飾など、当時流行していたアール・デコ調のデザインを特徴としている。とりわけグリル部を斜行する電光や稲妻を連想させるジグザグ文様はスピードと躍動感を表す、アール・デコの象徴的なモチーフなのだ。蛇足ながら初期のフェンダーロゴにも稲妻が走っていたことを付け加えておく。

私がなぜこのアンプを手に入れたかったのかといえば、以前記事にしたように、ダンエレクトロの創業者ネイサン・ダニエルが若い頃に製作したアンプだからで、メーカーこそダンエレクトロではないながらも「だのじゃん」的に重要な意味を持つアンプだからなのだが、75周年記念とはいえ、このタイミングでのリイシューは、昨今のギター業界のレトロスペクティヴな傾向がアンプにも及んで、マグナトーンやスプロといった往年のアンプがリイシューされているここ数年の状況を踏まえてのことと見ることができるだろう。

往年のアンプをリイシューといっても、当時の部品は今では入手できなくなっていたり、あるいは法的に使用できなくなっていたりするのでまったく同じようにつくるというわけにはいかない。エピフォンのリイシューも同様で、外観こそオリジナルに忠実だが中身は現代的な仕様になっている。真空管はプリ管に12AX7、パワー管に6V6が使われ、ヴォリュームノブを引っ張るとブーストされるとか、BRIGHT、NORMAL、DARKの3種類のインプットジャックがついているとか、当時とは違う機能が組み込まれている。サイズは高さが38㎝、幅が34.5㎝、奥行きが11.1㎝となっている。
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