Danelectro VS Fender(1)

2009-06-30 20:18:59 | Dano Column
まずは創業者編


ダンエレクトロの創業者ネイサン・ダニエルは1912年に生まれ、1994年にこの世を去った。少年の頃からラジオに熱中し、1930年代後半からアンプの製造を始めた。エピフォンのアンプ「エレクター」はネイサンによる。
1947年にダンエレクトロを創業。当初はアンプメーカーだったが、シアーズ&ローバックからの依頼もあり1954年にエレクトリック・ギターの製造も始めた。
低価格で独特の音色を持つギターを次々に世に送り出し、ギターやアンプに関するいくつもの特許を取得した。
1966年にダンエレクトロをMCAに売却。1969年にはニュージャージーの工場が閉鎖された。1970年代後半からハワイに移住、ボートの転覆防止用に取りつけるアウトリガーを開発してみたり、相変わらずの発明家ぶりを示した。



フェンダーの創業者レオ・フェンダーは1909年に生まれ、1991年にこの世を去った。彼もまた少年の頃からラジオに熱中し、1938年からラジオの修理業を始めた。その後カウフマンと共同でアンプとスティール・ギターの製造販売を始め、1946年にフェンダー・エレクトリック・インストゥルメンツ・カンパニーを創業。チャンプやベースマンをはじめとするギター・アンプ、1950年にエスクワイア、1951年にプレシジョン・ベースを世に送り出した。
1965年に健康上の理由からフェンダーをCBSに売却。その後、1972年頃からトム・ウォーカーらとミュージックマンを創設、1980年にはジョージ・フラートンとG&Lを創設、その死までエレクトリック・ギターの開発を続けた。

ネイサン・ダニエルとレオ・フェンダーは年齢も近く、同じように少年期にラジオに熱中した。二人ともギターを弾けなかったが、それゆえに従来のギターにとらわれない新しいエレクトリック・ギターを開発した。
二人とも同じ頃に会社を売却し、新たな道を進んだ。

この創意工夫に満ちた二人の創業者によって生まれたダンエレクトロとフェンダーのギターやアンプについてこれから見ていきたいと思う。
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動画で楽しむDano(33)

2009-06-25 01:05:00 | Dano Movies(邦)
cornelius New Music Machine @ Live in Japan


ダンエレクトロ4011。

フリッパーズ・ギターからもう20年ですねえ……。
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動画で楽しむDano(32)

2009-06-23 00:39:39 | Dano Movies(洋)
Captain Beefheart and the Magic Band Live at Detroit Tubeworks 1971


キャプテン・ビーフハートのライヴ映像です。
ダンエレクトロのダブルネックがフィーチャーされています。
オリジナルのダブルネックはこのようにギター&ベースです。
終盤にさしかかるあたりで持ち替えられていますが、フレット数が
足りなかったんでしょうか。
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Long Horn 4123 Guitarlin

2009-06-20 00:09:08 | Dano Guitars

かねてから念願のヴィンテージ・ギターリンを入手することができました。ギターリンについての概要的な記述は以前リイシューを紹介したときにしてありますので、今回はヴィンテージとリイシューの比較をしてみたいと思います。



まず、ボディですが、同じ2ピックアップではありながらも、ヴィンテージにはピックアップの切換スイッチがなく、リイシューにはあるという違いがあり、またブリッジがヴィンテージはローズウッドサドル、リイシューは6WAYの金属サドルという違いもあります。




次にヘッドですが、ともにコークボトルヘッドとなっていますが、ヴィンテージはマッチングヘッドでリイシューはナチュラルです。裏を見るとヴィンテージにはクルーソンのペグが取りつけられていて、リイシューはゴトーのロトマチックタイプのペグが取りつけられています。



ヘッド角もヴィンテージはほとんど角度がつけられていないのに対し、リイシューはヘッド角がつけられています。

このギターリンはコンディションがあまりよくないのですが、ヴィンテージのギターリンがなかなか出回らないため、今回思い切って手に入れることにしました。もとよりフルオリジナルではないので、ペグやポットなど思い切って交換してもいいかと思っています。
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The Shaggs with Dano

2009-06-19 20:21:49 | Dano Column


あのShaggsがダンエレクトロだったとは。
ベティが持っているのがショートホーンの5025で、ブリッジ部がストップテールピースとチューン・オー・マチックに交換されている。ドロシーが持っているのは同じくショートホーンの4021なんだが、こちらは6連サドルに交換されている。オクターヴ・チューニングが合うように改造したということなんだろうけど、あのShaggsがオクターヴ・チューニングにこだわったということなのだろうか。

そんなことはなくて、これはShaggsを題材にしたミュージカルのポスターであった。

最初のアルバムのジャケットではAVALON(テスコ製?)だったんだけど、手に入らなくてその代わりにダンエレクトロにしたということなのかな。

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リラからロングホーンへ

2009-06-18 01:14:06 | Dano Column
古代ギリシャのリラは7弦の弦楽器なんだけど、これには面白いエピソードがある。あるときヘルメスが複数の音が同時に鳴ったらどうなるのか知りたくなって、アポローンから牛と亀を盗んで、牛の腸を弦に、亀の甲羅を共鳴銅にして楽器をつくってみたというのが、リラの誕生にまつわる神話なんだけど、神の気まぐれな思いつきで腸を引きずり出された牛や甲羅を剥がされた亀はとってもかわいそう。

ヘルメスはこうしてつくったリラをアポローンに返し、それ以来、リラはアポローンの楽器となった。アポローンのものになったということは、リラは協和音への関心から生まれた世界の調和を探求する楽器であり、その調和した響きによって人の心を沈静化するものであり、また数学上の比例(協和)を示すロゴスの楽器であると考えられていたということなわけ。

ちなみに、ニーチェの「アポローン的/ディオニュソス的」という対立概念で言えば、ディオニュソス的なパトスの楽器として考えられていたのは管楽器のアウロスだね。これにもリラと同様、その誕生にまつわるエピソードがあって、ペルセウスに首を切り落とされたメドゥーサの残された姉妹たちが嘆き悲しむ様を見て心を動かされたアテーナーがアウロスをつくって与えたなんていうのがある。

それはそれとして、時代もくだって18世紀、フランス革命が起こる前にヨーロッパでは古代ギリシャブームになった。ドイツの美術史家にヴィンケルマンというのがいて、古代ギリシャを模範とせよと言ったわけ。これが発端になってシュレーゲルのロマン主義やらヴァーグナーの総合芸術としての楽劇やらニーチェの「悲劇の誕生」やら文学・芸術・思想の大きな流れになっていくんだけど、その影響はいろいろなところに現われて、古代ギリシャのリラを元にした楽器なんていうのがつくられちゃったりもしたわけ。それがリラ・ギター。この楽器は18世紀後半から19世紀の初め頃まで、上流階級の女性がたしなむものとして流行したそうだけどね。

で、このリラ・ギターを見ると、ダンエレクトロのロングホーンというのは、リラ・ギターを参照してつくられたんだなと思う。曲線が強調された装飾性の高いデザインをモダンにシンプルにリメイクしたのがロングホーンといった感じ。ダンエレクトロのロングホーンは弦楽器の原型である古代ギリシャのリラにつながっているという話でした。

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サンプル・セッティング図が復活

2009-06-13 13:43:21 | Dano Effects
本家ダンエレクトロのサイトからエフェクターのオーナーズ・マニュアルやサンプル・セッティングがダウンロードできるようになっていました。
以前あったサンプル・セッティングが、いつのまにか見ることができなくなっていたのですが、新しいCOOL CATシリーズも含めての復活です。

こうしたサンプル・セッティングはメーカーがどういうサウンドを狙ってエフェクターをつくったのかがわかりますし、音づくりの起点にするのに便利ですね。中古で手に入れた場合、オーナーズ・マニュアルがついてないことが多いですし、サイトにアップされているとありがたいですね。

ただ、miniシリーズは一つのエフェクターに対して一つのセッティングしかありませんでした。以前は3つくらいセッティング例を載せてたような記憶があるのですが。

OWNER'S MANUALS / INSTRUCTIONS↓
http://www.danelectro.com/downloads.html
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Vox Phantom XII Stereo

2009-06-07 17:06:52 | Other Guitars
Vox Phantom Stereoです。実はしばらく前に手に入れてたんですが紹介する機会を逸していました。ここのところ記事にする題材もないことですし、紹介することにしましょう。

Voxがギターの製造販売を始めたのは1959年頃ですね。それからイタリアのEKOと組んで、独創的なデザインのギターを多数、世に送り出すことになるわけです。ストーンズのブライアン・ジョーンズが使っていたティアドロップがとりわけ有名ですが、このファントムも負けず劣らず知られており、変形ギターの王様としての地位を不動のものにしております。最近では東京事変の浮雲こと長岡亮介氏が「テレファントム」を使用したことで日本での人気がさらにあがりました。

私のものはファントムの12弦でなおかつステレオ仕様のものです。ピックガードにマウントされた多数のコントロールノブがビザールな雰囲気を醸し出しています。



ピックアップは低音弦側(A)と高音弦側(B)に分けられたものが3つ搭載されています。ステレオ出力にすると低音弦側と高音弦側が分かれて出力されるのです。これらのピックアップそれぞれに1Vol、1Toneを割り当てているので全部で12個もコントロールノブが取りつけられているわけです。
そしてこのピックアップの切換レバーが3つあって、それぞれのピックアップのREVERSE、STEREO、OFFを切り替えます。このうちREVERSEというのはAとBを逆にするというものです。
また、トグルスイッチがついていて、これはSTEREO、MONO、OFFを切り替えます。
このファントムステレオですが、ステレオプラグのついたケーブルを使用するのが前提となっています。モノラルプラグのケーブルだと片側しか出力されないので、さきほどのレバーでREVERSEに切り替える必要があるわけです。



で、私のファントムですが、何か変だと思った方も多いかと思いますが、ヘッドが黒く、ネックが白く塗装されています。前のオーナーがリフィニッシュしたときに、ヘッドやネックも塗装してしまったのです。ファントムはフェンダー系の感じなんですが、私のファントムはこの塗装によりギブソンライクなルックスになってしまいました。ファントム12弦のネックだけ手に入ればすげかえてもいいのですが、これはこれで面白いのでよいかもと思っています。
ネックは薄く、弾きやすいです。音もブライトな響きで気持ちいいです。コントロールノブがたくさんあるわりには劇的にサウンドが変化するわけではないですが。

ネックはこのようにオリジナル状態ではなくなってしまったのですが、このギターの肝はなんといってもコントロール部とピックガードに彫りこまれた文字が織り成すメカニカルなルックスにありますので、よしとしましょう。
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