Fender Bassman '59 LTD

2018-12-09 20:45:01 | Other Amps


フェンダー・ベースマンはその名の通りベース演奏用のアンプで、開発されたのは1952年のことである。レオ・フェンダーはエレクトリック・ギター関連で様々な発明を行ったが、ベース・アンプの最初の開発者でもあったというわけである。
最初に登場したベースマンは15インチのスピーカーを1基搭載したものであり、フェンダーのその他のアンプと同じように、年代によってTV型→ワイドパネル→ナローパネルとデザインが変わっていった。

回路も同様であり、ワイドパネル期には5B6と呼ばれる回路が採用され、ナローパネル期になると10インチのスピーカーを4基搭載したものとなり、5D6という回路が採用された。スピーカーが10インチ4基に変更になった理由は、15インチ1基だとすぐにとんでしまうからだという。以後は年代順に1955年に5D6-A、1956年には5E6、1958年から1960年の最終期には5F6、5F6-Aといった回路に変わっていくのであった。

この最終期のベースマンがベース用に開発されながらも「世界最高のギターアンプ」と称えられるベースマンアンプであり、我々がベースマンといえばすぐに頭の中に浮かんでくるあのベースマンなのである。

今回入手したモデルは、その最終期のリイシューである。さすがにヴィンテージは手の届かないものとなってしまった。リイシューとはいえ、当然のことながら配線や使用しているパーツに細かな違いはあるわけで、その意味ではよりオリジナルに近いかたちに、たとえば配線をPtoPにハンドワイヤー化したいとか、欲は出てくるのだが、これはこれでとてもいいアンプといえるものである。

さて、ベースマンの出力は45w、コントロール部はブライトヴォリューム、ノーマルヴォリューム。トレブル、ベース、ミドル、プレゼンスの6つがあり、入力ジャックはブライトジャックとノーマルジャックがそれぞれ2個ずつある。マーシャルのアンプでよくやるような、ブライトジャックとノーマルジャックをリンクさせる方法もあり、それでもサウンドはずいぶんと変化する。

使用する真空管はプリ部に12AX7を3本、パワー部に6L6を2本、レクチに5AR4が1本であり、オリジナルとは若干の違いがある。

10インチスピーカーを4基も搭載しているのだからこのアンプは決して小さくはないが、高さ57センチ、幅60センチ、そして奥行きが27センチ程度といったところで、そんなに大きいわけでもなく、重さも25キロくらいなので、現在の大型アンプと比較すれば特別に重いわけでもないと意外に思うかもしれない。

ただ、自室ではナチュラルに歪んだサウンドを楽しむというわけにはいかない。部屋中が揺れるくらいの爆音になってしまうからだ。
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