メイソンさんのメゾナイト

2010-12-31 14:16:45 | Dano Column
ダンエレクトロのギターに使用されているメゾナイト(Masonite)はウィリアム・H・メイソンが1924年に発明したものだそうだ。なるほどMasonさんが発明した新素材だからMasoniteなんだね。



このメゾナイトは1930年代から1940年代にかけて、ドアや屋根、壁などの建材として幅広く使用されたとのことだが、木材のチップを繊維状にし、それを圧縮成型した、要するに合板なのである。建築資材として使用されているのだから強度も十分だし、安く大量に調達もできるとして、この合板がネイサン・ダニエルのフェイヴァリット・マテリアルとなり、ダンエレクトロのギターのボディやアンプのキャビネットに使用されることとなったというわけ。



ネイサン・ダニエルがメゾナイトを採用した背景にはシアーズがメールオーダーによる組み立て式住宅の販売をしていたということもあるだろう。シアーズの住宅販売部門である「シアーズ・モダン・ホーム」は1908年から1940年までの間にバンガローや別荘、邸宅など450種類以上の住宅を販売し、10万以上の家族、およそ50万人が住んだという。時期はいくらかずれるものの、シアーズ・モダン・ホーム用の建築資材の中には大量のメゾナイトが含まれていただろうし、コンヴァーチブルやデラックスに使用されたような、すでに家具調の木目がプリントされた状態のものもあっただろう。

とはいえ、ダンエレクトロも1966年からはラワンのような材を使用して完全なソリッドボディのギターをつくるようになったりして、メゾナイトばかりではなくなってしまうんだけどね。
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Deluxe 6038

2010-12-30 22:29:20 | Dano Guitars
ダンエレクトロのデラックスは1959年から1966年まで生産された。文字どおりショートホーンシリーズの高級機種として、家具調の化粧板が貼られたメゾナイトをトップ材として用い、またボディの周囲にはバインディングを施しているが、デラックスといっても、こうした見た目の高級感の演出のみで、ボディやネック、あるいは電装関係の材などに高品質のものが使われているというわけではない。

色は白とハニー・ウォルナット、ダーク・ウォルナットの3種類。それぞれ1ピックアップから3ピックアップのモデルがあるので、全部で9種類となる。





今回手に入れたのはデラックスの6038で、ハニー・ウォルナットの3ピックアップモデル。コントロール部はそれぞれのピックアップに1Vol、1Toneでウッドポインタノブが取りつけられている。ピックアップセレクターはなく、VolとToneを調節して音色を決めていく。ここで決めた音色をそのままに音量を調節するためのマスターヴォリュームもついている。
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Special Series D Model 68

2010-12-04 12:10:39 | Dano Amps




スペシャルはダンエレクトロの50年代のアンプ。出力20W程度で、12インチスピーカーが1発搭載されている。どこのメーカーのスピーカーかはわからなかったけれども、マグネットが小さいのが特徴。サイズはネット部分のせいで縦長に見えてしまうが縦43cm、横43cmで、奥行が21㎝。



使用チューブは6X5GT、6SJ7、6V6GT(×2)、12AX7(×2)となっている。今回私が手に入れたものはスペシャルの後期型になるのかな、初期型とは回路が若干異なっている。ネットで見つかる回路図は初期型のもので、たとえばチューブでも12AX7は使われてなくて、代わりに6SJ7になっていたりする。

50年代だとアンプは演奏者の前に置くのが一般的だったとのこと。当時のアンプのコントロール部が背面にあったのはそのためで、スペシャルのコントロール部も背面に配置されている。左側から見ていくと、電源のスイッチやヒューズがあって、次にVIBRATO(トレモロ)のSPEEDとSTRENGTHがあって、それからCHANNEL1と2の2つの入力チャンネルがあり、それぞれ2個のインプットジャックと、1Vol、1Toneとなっている。このトレモロ、かかりが浅い感じなのだが、「トレモロが深くてよい」といった評価がなされていたりもするので、真空管などの部品が劣化している可能性がある。

フルテンにすれば歪むし、それほど大きい音でもないので、自宅でもフルテンで鳴らそうと思えば鳴らせる。といってもマンションだときついだろうけどね。音はやはり古臭いブルースなんかやるのにぴったりな感じ。
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