逆襲するさらりーまん

ーやっとこさ英検1級、通訳案内士試験合格。しかし英語の道は長い。基本的にやり直し英語+その時々に思うことなど。-

どうすれば英語が身に付くか?(今年もお世話になりました)

2016年12月29日 11時24分25秒 | 一般的英語学習

関東地方は穏やかな年の瀬ですね。

アッという間に2016年も大晦日になってしまいました。今年は自分は一体何が出来たのだろう、と反省することしきりですが、2016年も僕のブログのようなつまらないブログでも、沢山の方にご訪問頂き、有難うございます。

僕はプロのモノ書き(小説家や新聞記者等)ではありませんが、アマチュアのモノを書くのが好きな人間にとって、多くの方に読んで頂く、というのは最高の喜びであり、書き続ける励みにもなります。本当にお世話になりました。2017年も宜しくお願い致します。

さて、今年最後のブログの題は『どうすれば英語が身に付くか?』という、なんとも曖昧で基本的で大きなテーマについて、僕の経験から来る個人的な考えを書いてみます。またまた長くなりそうな予感がしますので、お正月休みの暇な時にでも(笑?)読んで頂ければ幸いです。

決して謙遜ではなく、僕程度の半端な英語力でも、普段英語に接していない人(日本ではごく普通の人)にとっては、英検1級やTOEIC 900 以上というのはかなり英語が出来ると誤解されており、時には『どうしたら○○さんのように英語が出来るようになるんですか?』と尋ねられることもあります。僕が英語が出来る、というのは大きな誤解であり、自分でも出来ると思ったことは一度もありませんが、そのような人達には、『たとえ少しづつでもいいですから、英語の学習を毎日続けることですよ。』と答えるだけです。が、それだけですと身も蓋もなく、せっかく貴重な時間を割いて拙ブログを訪問して頂いた方に失礼ですので、僕の”経験談”を書いてみます。

1、英語は日本人にとって非常に難しい
英語の他のスキルと最も違う点は、習得するのに非常に長い時間がかかる、ということです。例えば、自転車に乗るスキルは1週間、遅い人でも1か月も練習すれば乗れるようになります。ところが英語というスキルはそうではない。なぜそうではないかは、以前拙ブログの記事にも書いたので、詳述は避けますが、簡単に言いますと、日本語と英語は全く共通点がない、ということです。言語学的に共通点がないばかりでなく、人間は言語を用いて思考したり、意思を表明しますので、思考回路、意思伝達の手順も日本語とは全く異なっています。日本語がネイティブ言語の日本人にとって非常に習得が難しい(時間を要する)スキルです。英語の”親戚”のドイツ語を喋るドイツ人やオランダ語を喋るオランダ人は比較的短時間に英語をマスターしています。

日本人は最初から大きなハンディキャップを背負っています。そもそも、普通にストレスなく英語を使えるようになるには、単語だけでも10,000語ぐらい必要ですが、受験勉強の遺産があって、4,000語程度は使える人でも、あと6,000語を学ぶ必要があり、一日20語を毎日覚えても(かかさず毎日20語も覚える人は相当根性のある人だと思います。)300日もかかります。しかも人間はパソコンと違い、(日本語から想起出来ず、記憶のキッカケが皆無の英単語は、より一層)覚えた先からどんどん忘れていきます。僕の経験から、かなり我慢強い人でも、10,000語をモノにするだけでも2年はかかります。その他にもリスニングや日本語とは全く体系や語法が異なる文法など、他にやらねばならない未知のことは山のようにあります。

よく、3か月で英語がマスター出来ます、と謳っている教材が売られています。人様の商売を邪魔するつもりは毛頭ありませんが、もしそのような魔法の教材があるならば、勉強が大嫌いな典型的な『さぼりーまん』である僕は、なけなしのボーナスを全部はたいても、すぐに買いに行きます。

また、日本人は中学で3年、高校で3年、大学まで進学した人なら教養課程で2年、合計6年ないしは8年英語を習うのに、英語が全然出来ない、日本の学校での英語教育指導方法は、”受験英語”に偏重しており、間違っている、と自虐的に揶揄する人がいますが、僕はこの考えには反対です。仮に”受験英語”に偏重しているにせよ、日本の英語教育法は諸外国と比較すると、十分に優れています。ただ単純に、6年や8年では、週に4回英語の授業を受けて、さらに予習・復習したとしても、絶対的な時間が不足しているだけです。さらには英語の学習法には魔法のような王道はなく、その指導方法もそんなに大差はありません。

2、人間は怠けて当然
英語を習得するのに長い時間を要することは、少しはご理解出来たかと思いますが、そもそも生物である人間は、長い期間、苦労して努力や学習するようには出来ていません。これも説明すると長くなりますので、要点だけ書きます。

中南米にその名も『ナマケモノ』(英名 sloth) という動物が生息しています。僕も昔、南米に行ったときに実物を観たことがありますが、一日中樹の上で寝そべって、何にもしません。『うらやましいな。俺も一日中寝そべっていたいな。』と思いましたが、興味があったので、『ナマケモノ』について少し調べましたら、どうも『ナマケモノ』は怠けて、食うことと寝そべることしかしないことが生物としての”最強”の戦略であるらしい。

 

いつも微笑んでいるような、穏やかな顔をしていますので、一部の珍獣マニアの間では静かなブームになりつつあります。しかし、これは感情的なものからくるのではなく、顔の筋肉がない(退化している)ので外皮が垂れ下がって笑っているように見えるだけです。顔の表情を作るには50以上の筋肉が関係します。(厳密に解剖学的に言えば、笑顔を主に形作るのは小頬骨筋と大頬骨筋です。)

筋肉を維持するには、膨大なエネルギーが要ります。さらに筋肉を動かすにはさらに莫大なエネルギーが必要となります。『ナマケモノ』はそれらの筋肉をそぎ落とすことによって、一日わずか9g程度の木の葉を食べるだけで、生き続けることが出来ます。時代を先取りした、まさに究極のスローライフ、プリウス顔負けの『エコカー』ですね。

生物としての本能の最も重要なことは、『個体として生命を維持し続けること』と『種の子孫繁栄』です。『ナマケモノ』はマンモスやサーベル・タイガーのような、元気のいい男の子が好きそうな、大きくて強そうな、何万、何十万と絶滅した種を尻目に、氷河期も乗り切り、しぶとく生き残り続けています。『ナマケモノ』は、生物としては決して”怠け者”ではありません。『ホモ・サピエンス』以外の生物から学べることも多いですね。(しかし、近年は新参者の『ホモ・サピエンス』によってねぐらが奪われ、絶滅しそうになっていますが。。。)

絶滅したサーベル・タイガー

 

進化論の話ではないので、『ナマケモノ』の話はこれぐらいにして、さて人間『ホモ・サピエンス』についてです。

人間は上のサーベル・タイガーのように強力な牙や身体能力や筋力を持っているわけではありません。それどころか、生まれつき備わっている自前の持ち物だけでは生きることすら出来ず、衣服がないとすぐ風邪をひくような情けないほど弱い生物です。しかし、何故か『ナマケモノ』と同じように、氷河期も生き残ることが出来ました。

絶滅していない理由を、知性を司る前頭葉が発達したからだ、という学者がほとんどです。それはおそらく正解でしょう。しかし、人間の脳はまだ1%も解明されていません。

僕は怠け者の自分を擁護するつもりはありませんが、人間の中には生物としての本能、つまり、『個体として生命を維持し続けること』と『種の子孫繁栄』が強力に維持されていると思います。だから氷河期も絶滅せずに済んだのです。(とはいうものの、生物としては”極めて最近登場した新参者”の『ホモ・サピエンス』が今後千年先の短い期間でさえ、絶滅しない、という確証は何処にもありませんが。)

詳しい説明は避けますが、元々人間は省エネ、『ナマケモノ』のように作られているのです。それが少なくとも今迄絶滅せずにこられた、生物としての本能によるのですから。僕などは、もしオリンピックに『ナマケモノ』という競技があるのなら、絶対に金メダルを獲る自信があります。 

3、ではそうすれば英語が身に付くの?
①英語を身に付けるには、(日本で生まれ育った日本人にとっては)非常に長い時間がかかること、②人間の本能(本性)は元来怠け者であること、を少しは理解頂けたと思います。でもではどうすれば、英語が身に付くの?という回答にはなっていませんね。

そこで、漸くここからが本題ですが、僕個人の場合は、
1、計画通りいかなかったからと言って自分を絶対に責めない。
僕の場合、学習計画を作るには作るのですが、計画通りにいったことはただの一度としてありません。小、中、高の学生時代の夏休みの宿題などは、普通の人であれば8月の25日を越せばさすがにやり始めるのですが(僕が育った関西地方では9月1日から学校が始まる。)さぼりーまんには自信のある僕は、8月31日になってもまだ宿題に手を付けず、『あの授業があるのは9月3日からなので、あの教科の宿題は9月3日に出せばいいや。』などと、9月になってから漸く宿題に取り掛かりました。しかし、いつも計画では、7月末までに宿題を片付ける、となっていました。

ましてや、天然資源もほとんどなく、生きていくのにまず第一に絶対に欠かせない食料も、自給率が40%しかないのに、人口は1億人を超えているこの国で、生きて、働いて、食べていくだけでも”生物”として大変なことです。専業主婦の方であれば、生物としての最優先事項である 『個体として生命を維持し続けること』と『種の子孫繁栄』の家事や育児だけでも大変なことです。

ましてや、エネルギーを大量に消費する、それ以上の英語学習などの努力を続けることは、”生物の本能”が許しません(笑)。 ”頑張りすぎると個体としての生命も棄損してしまう。”ことも生物として人間の本能はよく分かっています。よく頑張りすぎて過労死した、とか自殺してしまった、というニュースを耳にしますね。

親がかりの学生の方であれば、少しは叱咤もしたい気もなくはないですが、学生時代勉強が大嫌いで、さんざん遊び回っていた僕が言えた義理でもありません。最近の若い者はダメだ、努力しない、と爺様の愚痴のようなことを言うつもりも毛頭ありません。僕も若い頃には、『お前は全然努力しない怠け者だ。最近の若いヤツはなっていないね。』と爺様達に毎日のように言われ続けて、いやな思いをしましたで、それをそのまま、今の若い人に伝承するつもりはありません。

また、勉強嫌いの子供にただ、『勉強しろ!』と叱ったところで、大人と比べ、より生物としての”本能”に忠実に生きている子供が勉強するはずがありません。

計画通り行かなかったからといって、人間は本能的に怠け者であり、当たり前です。決してネガティブな気持ちにはならないで下さい。『どうして自分の意志はこんなに弱いんだろう。』などと自分を責めると、くどいようですが人間はしんどいことをエネルギーを使って努力し続けるようには、”設計”されていませんので、ますます抜け出せない負のスパイラルにはまってしまいます。

2、しんどいことは好きなことと結びつける
怠け者ということでは、人後におちない僕でも、好きなことは続けられます。英語の勉強なら30分も続けるともうイヤになり、タバコを吸いに行きたくなるのですが、映画や演劇が好きなので、二晩徹夜して、48時間映画を見続ける自信があります。洋画(英語の映画)は今まで1,000時間(本数にして500本程度)観てきましたが、それぐらい見聞きすると怠け者のバカな僕でも英語独特のリズムや言い回しが耳に残るようになります。

ロックやジャズやフュージョンなどの洋楽が好きで、歌うのも好きな人は、歌は言語の究極の表現手段ですので、英語特有のリエゾンやリズム感まで身に付きます。

二宮金次郎的な”刻苦勉励”ばなしが好きな日本人は、例えばなしとして、イチローや錦織の”努力”を引き合いに出して、彼らのように努力しないと一流にはなれない、とか言いますが、僕から見れば彼らは人並みはずれて野球が好き、テニスが好き、というだけのことです。本人達は周囲が思っているほど、”努力”したとは思っていないはずです。

3、馬ニンジン 褒賞方式
だれでも、大きな褒賞(見返り)があれば、しんどいことでもやります。『ナマケモノ』も美味しい葉っぱがあれば、自発的に活動します。ソフトバンクでは、TOEIC 900点超えたら100万円出す、ということですが、いつもお小遣いが少なくピーピーいっている僕なら、100万円くれるんだったら、シャカリキにTOEICの勉強を頑張ります。100万円に関しては、金で釣るのか!などと色々賛否両論ありましたが、きれいごとではなく、孫社長は少なくとも人間の本能をよく理解している経営者だと思います。

4、ギリギリの状況(生命が脅かされる状態)に身を置く
『ナマケモノ』は行動が遅く、牙やスカンクの屁のような、反撃の武器も持たないので、タカなどの猛禽類に狙われやすいのですが、命の危険に晒されると素早い行動をします。『ナマケモノ』は数種類が世界で確認されていますが、タカに狙われると、水中に逃れてスイスイ泳ぐ種類もいます。(タカは泳げないため、水には近づかない。)人間は学習しないと泳げないのに、『ナマケモノ』は大したものです。

生命の危機(職を奪われて生活の手段がなくなる可能性など)に晒されるほどの環境に自分を置くと、本能的にイヤでも行動するようになります。

 

1~4に書いてあることは、『な~んだ。当たり前じゃん。誰でも言っているじゃん。』と思うかもしれませんが、巷には3か月で1万語覚える方法とか、TOEICのリスニングのPart 3 と 4の先読みとか、表層的な方法論だけ書いた本がほとんどで、人間の本能(本性)にまで踏み込んだ本はあまりありません。が、4冊あげておきます。いずれもアマゾンでは中古で1冊1円で買えます。(4冊買っても4円+送料だけで済み、仮に僕に騙されたとしても、スマホのゲームアプリに月何百円も払うのであれば、時間の過ごし方としてはこちらの方がずっといいか、と思いますよ。)

『ムツゴロウの青春期』
畑 正憲さんの大学に入るまでの自伝。僕が読んだのは1974年、高校生の頃ですが、今読み返しても得るものがあります。好きなことだけして東大に入った、という話が出てきます。(実は 2、のしんどいことは好きなことと結びつける、は今も僕は実践していますが、元々の発想はこの本からのパクリです。)


『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』
著者の勝間和代さんは、僕は個人的にメールをやり取りした頃もありましたが、有名になってからの庶民感覚から離れた、タカビーな言動が反発を呼び、最近の著作は、アマゾンの書評でも炎上するのではないかと思うぐらいさんざんにこき下ろされています。しかし、初期(2007年頃)の著作は中々良いものもありますよ。この本は人間の本能に向き合って、だからどうする、ということまで踏み込んだ、従来にはないタイプの啓発本です。



『できる人の勉強法』『できる人の英語勉強法』
カリスマ予備校講師の安河内 哲也さんが書いたこの2冊は、僕の嫌いな根性論が若干書かれていますが、楽しく勉強を続ける仕組みづくりについても書かれており、読んでも損はしないと思います。
新版も出ていますが、中古の旧版で十分です。

 

大変長い記事を最後までお読み頂き、有難うございます。



 

 

 

 

 



 

 

 

コメント (2)
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