1 月 12 日から 14 日はほっと一息、会社も 3 連休です。
21 日にある TOEIC IP の対策にも追われていますが、なぜかアルベルト・カミュ の『 異邦人 』と『 ペスト 』を読んでみました。
両方ともカミュの代表作で、本来は学生時代に読んでおくべきでしたが、『 異邦人 』は学生の頃に読んだ微かな記憶があり、『 ペスト 』は今回が初めてでした。
『 異邦人 』は平凡な人間が、たび重なる偶然によって、殺人を犯してしまい、死刑になってしまう不条理を描いており、『 ペスト 』はその答えというか、北アフリカの一都市で蔓延するペストの進行とその終息までを描いた、かなり長い小説です。
『 異邦人 』の方は、人間がどうにもならない不条理によって、にっちもさっちもいかなくなる状況を描いていて、これはよく分かります。中央自動車道の笹子トンネルの天井版の崩落によって命を落とした方は、まさに自分のせいではない不条理に巻き込まれたものです。
日常生活を送っていると、大なり小なり不条理なことに遭遇してしまいます。
『 ペスト 』はそれに対する答えのような気がします。
なんの罪もない人が疫病によって次々に死んでいく。とくに最後の方の、ペストの蔓延の予防に力を尽くした若者の、まさにペストが終息した矢先にペストに罹患して死んでいく姿は圧巻です。
僕の『 ペスト 』に対する解釈は、人間は全て死んでいく、死んだら煙のように霧散してしまう儚いものだ、しかし、それが解っていてもなお精一杯生きていくのが人間というものだ、ということです。
生きていると毎日不条理なことが起きます。
昔読んだ、畑正憲さんの『 ムツゴロウの青春期 』は僕の愛読書の一つで、時々読み返すのですが、そこには
『 人には生涯をかけて達成せねばならぬ大きな目標と、その日をなんとか食いつながなければばらない悲しい作業とがある。後者の場合には、くよくよしないことだ。思い患ったり、失望したりする前に、いろんなアイディアをひねりだし、忙しく働くに限る。もの思いにふけるのは便所のなかだけでたくさんである。』
と書いてあります。
これには同感ですね。
しこしことTOEIC の対策をします。
しかしまた、畑さんは、『 しかし、そうも出来ないのが人間でもある。』とも書いています。
これにも全く同感です。
会社には定年があり、定年前の人は色々悩んでいるかもしれませんが、人生には定年は死ぬ日までなく、自分のピークを持ってくるのは、死ぬ日でよいので、無理をしないまでも、自分のペースで夢を追いかけようと思います。
新年早々、ちょっと重い話ですみません。
また、明日から日常が始まります。