今日は久々に半日自分の時間が取れたので、以前から読みかけて読み終えていなかった塩野七生さんの 『 十字軍物語 (全 3 巻、図説も入れると全 4 巻) 』を読み終えました。
中世の 8 回、200 年にも及ぶ十字軍の歴史を描いた物語ですが、かなりの長編です。
塩野七生さんと言えば、とにかくイタリアの歴史を描いたものが有名で、僕も歴史が好きなので、ベネチアの 1000 年の歴史を描いた、『 海の都の物語 』なども読みました。
塩野さんの歴史小説は、年代ごとに歴史を記述するのではなく、その時々の人物の生き様に焦点をあてて書かれていますので、描写が生き生きとして面白い。
『 十字軍物語 』も人物を軸に書かれていますが、中近東のパレスチナ、特にエルサレムの攻防をめぐるキリスト教圏側とイスラム圏側の生々しい攻防戦が描かれています。面白いのは、キリスト教圏側、イスラム圏側のどちらにとっても、エルサレムの奪還は『 聖戦 』であり、宗教的な大義名分があったことです。
それは、今日まで続くパレスチナ問題にもつながっています。
十字軍の終焉から 800 年以上経過していますが、まさに人間がやることは、数百年経ってもさほど変化しませんね。
塩野七生さんのライフワークともいえる、『 ローマ人の物語 (全15巻)』 も第 11 巻のローマ帝国が傾き始めるころまでは読んだのですが、時間に余裕が出来れば是非読了したいものです。
欧州の歴史の根源ともなるローマの歴史は、英語を学ぶ上でも、直接的ではありませんが、じんわりと教養として効いてきます。特にイギリス人はローマ史について話すのが大好きですから。。