馳走いなせや奮闘中!

京都柳馬場三条上ルの町屋料理屋「馳走いなせや」
オーナー(通称大将)の酒と食の奮戦記。

こだわると拘る

2016年11月29日 | Weblog

今になって言うことでもないのだが…。

最近の雑誌やテレビを含めたメディアでは「こだわり」って言う言葉をやたら使ってますな。
何かこだわってないとあかんみたいな風潮には、疑問を抱きます。

もちろん、いい意味でのこだわりもあるけど
何か呪縛のようなマイナスの拘りもある訳で

例えば、こだわるをGoogleで調べるとこんな答え出ますよ(大辞林ですが)

これ、まさしく「拘り」
拘束って意味と同じです。。



最近は、現場にいないのですが
昔から取材とかあると「いや〜!大将さすがにこだわってますねぇ」と、褒め言葉のつもりでおっしゃいますが


「いや、普通に大切にしてる事を普通にこなしてるだけですが」と返すので

「いやいや、ご謙遜を〜」

みたいな、噛み合わない話になる訳です。。。



人それぞれの考え方もあると考えますけど
早朝から酒造りをされる蔵人さんや農家さん。更に漁師さん達のような方々にとって、朝早くに起きて仕事をすることは「拘り」じゃなく日常ですね。

早朝から市場に仕入れに行く、飲食店も同じです。

おそらくは、それを理解出来ない人々が
「凄っい!」とか「こんな事は、絶対自分に出来ない!」とか思っての感想みたいな感じかな。


そんな意味で「拘り」とは、何でもない事を凄いことのように表現する「魔法の言葉」のような気がしてなりません。






しょ〜もない話からスタートしましたけど、本題に行きましょか。

少し前のブログにもアップした「京町家改装計画」

連日のように、打ち合わせや擦り合わせを実行して
知り合いの店舗のコーディネートに関わらせて頂いております。

設計施工を担当される工務店さんを筆頭に、1つの店舗に関わる業者さんはほんま多いです。

もちろんプロフェッショナルとしての知識も凄いので、この歳になって勉強する機会を作って頂いた事に感謝!
今さらながら、建築やデザインの本を買って読んで
「は〜〜!」とか「ほえ〜〜!」などと…。

同じ町家でもブティック仕様やカフェ仕様
もちろん和食やフレンチでも全く「出す色合い?」が違うんやな。

そんな話を専門家の方としてて
ふと、疑問に思ったのが
「そこに立つ経営者の気持ち」みたいな事。

年間何10件。いや何100件の店舗を作っておられる職業の人は、この店に毎日10時間以上10年間以上立つことを考えているんかいな。
(専門家の方が見られてたらすんません…)


数多くの飲食店を見て思ったのは、店と言う「ガワ」が出来て中の動線や厨房
果ては、うつわの色合いや大きさを決める「後決め」的な事。ほんま多いです!

本来ならば、こんな料理にこんな盛り付けして
こんな方にこんなシチュエーションで食べて頂いて
このサービスと価格で満足して頂こう!が、正しい。
(工事の現場に行ってないのに後で文句言うのも、どうかと思う)

それが、任せてしまってこんな事になった。何て、よく聞くけど。
簡単に言うとコミニケーション不足と勉強不足やな。

特に飲食店を開店するときは「それどころじゃない」と専門家に丸投げするので、後々後悔すること多々。
(まぁ実際、やることが半端なくあるしね)


馳走いなせやの工事は、ほぼ4ヶ月間
毎日私は現場に行って「もっとこうして」などと棟梁が嫌がる施主でしたけど…。

壁が出来てから「後5センチずらして」みたいなね。


ただ、自分の思いや魂が入らないといい店にはならないと思ってます。

まだ、公開は出来ないけど少しだけ

ほんまボロっボロっです…。

何の為にやっているのかと言えば
もうちょっとで、馳走いなせやも改装後10年!

俗に言うと色んな事をブラッシュアップしなければいけない年月を経過します。
勉強は、そのために
です。


こだわる事なく普通に「しれっと」やりたいですね。



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