馳走いなせや奮闘中!

京都柳馬場三条上ルの町屋料理屋「馳走いなせや」
オーナー(通称大将)の酒と食の奮戦記。

竹鶴酒造 ②

2018年02月24日 | Weblog

さて、記憶が曖昧にならないうちに⁉️
前回ブログの続きだ。

蔵内をそれぞれ時間をかけて説明して頂いているうちに午後3時。

おやっさん(石川杜氏)が
「そろそろ、お茶でもしましょうか?」と
今まで数多くの酒蔵に行ったが「朝御飯」「昼御飯」「休憩時間」「晩御飯」は、どの酒蔵も必ずっと言っていいほど厳守される。
(いわゆる、ダラダラ仕事はされない)

特に過酷な労働も伴う「酒造り」と言う仕事。
きちんとメリハリをつける事で、集中力を高めて事故や怪我もないように配慮されてると理解しておるが。



そんな訳で、おやっさんと向かった先は
「蔵人の憩いの間」
八畳の部屋にこたつやテレビ、お茶菓子と湯沸かしポットに書籍(ほとんど雑誌やけど)山盛り。
隅に薄がけの布団もある。

写真を撮り忘れたので、長慶寺くんの写真を拝借しよう↓

どんだけ仲いいねん。皆さん仮眠中。。。


お茶とお菓子を頂きながら、おやっさんのストックしたビデオを見る。
テレビにも多数出演される「竹鶴酒造」
当然、酒造りのビデオもある。

そんなビデオを見ながら、おやっさんがあれこれ説明してくれる。


やはり注目は「生酛造り」

聞きなれない人もおられると思うので、ちょっとコピペ



6月に公開される映画には、酒造りをテーマに元AKBの何とかって女の子が主役で「何ちゃらかんちゃら醸せよ乙女」(すんません、女の子の名前もタイトルも忘れた…)って映画の監修もされている。
ちなみに一部だが「マッサン」も監修してる人。


何せ、世間一般で言う「生酛造り」はほとんど間違いだと指摘。「昔は精白技術が低く、はくの黒い(精白歩合率が低い)米だから、その為に生酛造りが盛んに行われたって嘘嘘‼️」とか
「日本酒を造るのは、本来なら関西の気候ありきなので東北や九州の酒蔵で同じ酒造りをするには、かなり無理がある❗️」とか。。。

気持ちいいぐらい、理路整然とと持論を展開するおやっさん。

「今度、本気で日本酒造りの著書を出そうと思います」と

ほんま凄い人です。



さて、そんな話を聞いてお茶の時間も終了❣️

蔵内を引き続き案内していただく。

木桶仕込みの醪は、元気いっぱいに発酵してるけど…。

生酛の酒母は14日目だと言うのに「ポチョン」とも発酵してる気配がない。
(発酵してるとふつふつと泡が出るんです)

私「これ大丈夫ですかね❓」



おやっさん「他の酒蔵も勉強に来るけど、皆んな怖がってやらない。うちは酵母菌の数も一般的な酒造りと比べると数100分の1ぐらいしかいないから、とにかく時間がかかる訳です」と

自分は、最初に手間をかけて後は酵母菌が元気に育つ手助けをするだけだと言う。

「むしろ余分な酵母菌はいらないので、残したい酵母菌だけ成長させるので、その他の酵母菌は大量虐殺してるわ」

ある時期に温度を急激に上げると、弱い酵母菌は死に強い酵母菌だけが生き残る。しかし、ほとんどの酒蔵はそこまで温度を上げる事に躊躇する訳です。そこで温みとりと言う作業(酒母の強い菌だけを残す為、温度を30°近く上げる)亜硝酸出ない訳だ。

「世間一般の酒蔵で造る生酛は、ほとんど酵母の発酵を促す○○を添加してるから、あれは偽生酛や」ガッハッハって…


辛口の純米酒で有名な竹鶴酒造の杜氏は、言葉も辛口だった。

そうこうしてるうちに、先ほど「出麹」を済ませて放冷作業中の現場に移動。


のっぺりと広げて放冷するのではなく、少しでも均一に冷却できるよう こんな凸凹を付けるのは、手作業で放冷される酒蔵は皆んな同じ(いわゆる車のラジエターやエアコンのフィンと理屈は一緒)


しか〜〜し❗️

「こんな模様を見ると、こうしたくなりますよねぇ」と、長慶寺くん。

おやっさん「ガッハッハっ❗️」

ガッハッハって…(2回目)



そして最後に、おやっさん自ら「きき酒」の準備。

全てきき終えて思ったのは、全て純米酒なのにほとんどがアルコール度数21度を超えている。香りは、かなり控えめ。常温と言っても、蔵内は冷蔵庫と同じ温度ぐらいでグッとくるアルコールが強く感じる。

そう竹鶴酒造の売りは
「燗にして美味しい辛口の純米酒」なので、冷酒を楽しむとか食事なしでも美味しいとは違う日本酒な訳だ。

手のひらで、きき猪口を温めると角のあるアルコールが優しくなり含む味わいも徐々に変化を見せる。

冷酒の時に隠れていた甘味が出てくると共に沸き立つ酸味と渾然一体となる。温度を上げると更に際立つ事は間違いない。

やはり「竹鶴」は燗やな❗️

そんな事を考えながらも、気になって仕方ないのが

雑然と置かれたワインの空ビン🍷

私「おやっさんは、ワインも好きなんですか❓」
と聞けば

何でも飲むけど、ワインは勉強になる。美味しかったワインを忘れないように、空ビン置いてある。

ワインは、日本酒以上に食べ物との相性もストライクゾーンが狭いし難しいけど面白いなぁ思って。(もちろんワイン以外にも他メーカーの日本酒や焼酎も勉強の為に飲むと言う)

自分とこの日本酒しか飲まない杜氏は、あかんな❗️

そもそも日本酒で「日本酒ソムリエ」とか「マリアージュ」とかアホ違う⁉️と



日本酒は「干渉力」や「包容力」で合わせる。
ピンポイントは、存在しないと。
(私も全く同じ意見だ)



体調も違えば、好みも違う。男と女の味覚も違う。そもそも20歳の女の子と60歳のオッさんが同じ舌を持っている訳ないでしょう❓
ワインは日本酒より「合わない」が多いからソムリエが必要やけど


そんなもん、いらないから日本酒や❗️ガッハッハっ(3回目)


事前に聞いてはいたけれど
ほんまに凄い人です(2回目)

最初、長慶寺くんが「俺は仕事あるので、後はおやっさんのトーク楽しんでください」って言ってたけど。

この事やったんか‼️


これが、現在おやっさんお気に入りのワイン。

京都のとある店で飲んだら「最初は、まぁ不味くはないけどな」ぐらいやったらしいが
「身体が反応しだして、舌で普通と思ったワインを身体が美味しいと言い出しやたらにお腹が空いてきた不思議なワイン」だと。

凄くわかる気がする。味覚は、舌だけではないのだ。

この人は、感性が豊かなんや。

夕方になり、そろそろお暇(おいとま)しようと思っているのに
おやっさんのトークは続く。

「ウィスキー造りについて軽く2時間ほど語りましょうか?」


それまでにも、何とか締めようと(蔵の二階で板間にスリップは、ほぼ限界…)

「いゃ〜〜❗️ほんと勉強になりました。じゃそろそろ…」とか3回ぐらい言ったし。

さすがにウィスキー造りの説明は辞退して、最後に集合写真。

おやっさんを中心に、仲良しの「ハジメ」のメンバーと

そして竹鶴社長と玄関で


長慶寺くん

石川杜氏

竹鶴社長

お忙しい中、誠にありがとうございました。
「燗して美味しい食中酒」竹鶴

これからは、いなせや系列にもしっかりと品揃えしたいと思います。



今回も村上の出番なし。。。



竹鶴酒造 ①

2018年02月18日 | Weblog

先日、広島の呉にある「竹鶴酒造」さんにお伺いした。竹鶴と言えば

あまりに有名な日本のウィスキーの父「竹鶴政孝氏」の生家でもある。


そんな「竹鶴酒造」に今回きたきっかけは、3年前に同酒造に蔵人として入った「長慶寺」くんからの誘いだ。

一昨年から「是非蔵に来て下さい」と言ってくれてたのだが、私自身の都合が合わずに見送り。
やっと今期酒造りのタイミングでの訪問とあいなった。


「広島と言えば、京都から新幹線乗ったら1時間半ぐらいやから近いな」
みたいな甘い考えやったけど…。調べてみると

以外に乗り換えもあるし、時間かかるな。

まぁ、これぐらい仕方なかろう。


当日、いつもより早起きしてダラダラしてると
うっ!ちょっとヤバい時間になってしまった。


あかん!地下鉄じゃ間に合わない。
四条通りでタクシーに乗って、京都駅に向かおうとタクシーを待つが。
何故か全然来ないし。。。

10分待って、やっと乗って「京都駅まで、急ぎで!」

これなら地下鉄が正解やった。


タクシーは、京都じゃ丁寧な運転がきちんと教育されてるM○タクシーだ。
(ますますあかん…)

実はこの時刻表
乗り継ぎも含めて、1日3回ぐらいしかない【ベスト乗り継ぎ】
何とか乗らねば‼️

京都駅正面に新幹線の発車7分前に到着。そこからキップ売り場でチケット購入して



ウルトラダッシュ💨
(この時点で発車4分前)



間に合うのか〜〜〜〜❗️


「えっと何番乗り場💬」とにかく焦る。。。走る。。。
急いでエスカレーターを駆け上がったら



「○○行きのぞみ○○号、只今発車しま〜す!」





あ〜〜〜〜〜〜

行ってもうた〜〜〜〜。。。。。

後1分、いや30秒が間に合わなかった。



ターイムショック🤯





この奇跡の乗り継ぎを逃したら、次は12時台の発車になる。


必死で、代案を検索。
何とか酒蔵に1時過ぎに到着するルートが、これだ。

高速バスって🚍…

いや仕方がない。
「今日はやめとくわ」なんて電話出来ない。

このルートで決定して、改めて駅の構内で「お土産(実は買い忘れていた)」と新幹線で食べる「お弁当🍱」を購入。

基本的に私は、朝御飯を食べる習慣がないのだが何故か電車系に乗ると買ってしまう。
(全く、お腹が空いてないのにだ)


いわゆる「危機感」だろうか⁉️

もし、なんらかの状況で電車が止まっても食べるものがあると確かに安心やしな。


何一つお腹が空いてないのに「新神戸」あたりで、お弁当を食べる。。。



そして、広島駅に到着。
ここで又ルート表に記載されているにも関わらず
「北口」に降りてしまい、慌てて南口の高速バス乗り場に移動。



これやこれや❣️
チケット売り場ないけど、どないしよう。

あっ!ICOCA使えるって書いてあり、とりあえずほっとする。(高速バスやのにチケット買わなくていいんかい)

乗客8人ほどを乗せて、バスは一路「竹原駅方面」へ

写真をアップするほどじゃないけど、ほとんどこんな風景。


紆余曲折して⁉️ やっと到着した「竹鶴酒造」

玄関では、長慶寺くんが出迎えてくれた。

竹鶴社長は、初対面じゃないけど改めて名刺交換すると
「今からすぐ、室仕事あるから一緒に来て下さい」と長慶寺くん。
杜氏の石川さんについて、いきなりの室入り。
(ほとんど挨拶してないし…)





これは「中仕事」と言われる麹蓋での「切返し」作業。
今も麹蓋を使用されてる酒蔵もあるが、仕込み600kg以下ならほとんど手作業で麹蓋での仕事をされてると言うから恐れ入ります。

地元のお米「八反」40%精白 生酛造りの現場。

横に張り付いてしっかりと「おやっさん」の仕事を見せて頂いた。

ほんとうに丁寧な作業を黙々とこなす姿は、見ていても気持ちが入るな。


さて「おやっさん」こと石川杜氏は、こと生酛造りでは第一人者である。
そして「竹鶴酒造」のコンセプトは、燗して旨い食中酒。
世間の流行りに乗ることなく、しっかりと竹鶴の石川杜氏らしい酒を醸している。

同行した同業者のスタッフも、一切口を開くことなく無心に見入っている。

20分程度であったろうか。
(実は動画も撮ってあるのだが、うまくブログにアップすることが出来ない)


その後、室(むろ)を出て
長慶寺くんは、午後からの洗米作業に

石川杜氏は我々の訪問を受け、しっかりと時間を作って懇切丁寧な説明をして下さった。
(これ完全なVIP扱い)

日本酒業界のゴジラ松井と言われる容姿だが、日本酒造りには並々ならぬ熱い思いを持っておられる。




次回ブログにて、石川杜氏の熱い思いと広島の夜をアップするので

今回は、これにて



村上の出番はなかったな

姉妹店「んまい」で英勲の会

2018年02月13日 | Weblog
「あ〜大将ですねぇ❗️ ブログ拝見してますよ」
と、先日来られたお客様。
カウンターに家族4人でお越し頂いた。

「あっ、ありがとうございます」

「前に馳走いなせや来たときに隣で飲んではったから」「もう、かれこれ10年近く寄せてもらってます」

最近は、週末限定で馳走いなせやのカウンターに入り 改めて接客の仕事の楽しさを感じている。



誠にありがたい話だ。

馳走いなせやを始めてすぐに知り合いのお客様に連れて来て頂き、それから定期的に来店してくださっている。



ほんまに嬉しいなぁ。


こんなブログを読んで頂き誠にありがとうございます😊

これからも応援よろしくお願い致します。





さて、今回のブログは姉妹店「んまい」での英勲の会。

いったいこの会も何回目だろうか❓

ちゃんと記録とってあるはずやけど、記憶がない。


「んまい」は今年で17年目やから、17回⁉️



ん〜〜にゃ。そんなにやってはいないし。
そもそも、毎年の恒例行事でもなかったはず。


馳走いなせやが10年前から昼酒の会を開催して「あっ❗️英勲の会は、んまいでやらな❗️」

と、始めたかどうかもあやふやだ。



午後5時からの開宴にお集まり頂いた皆様

誠にありがとうございます!

おかげ様で【満員御礼】


んまいでの酒の会も、馳走いなせや同様
2ヶ月前には、キャンセル待ち状態。
(何とかせなあかんな、と思うが何ともならん状況だ)

普段通りならば、私もお客さんと一緒に席に座って楽しむところだが…。

当日は、6時には馳走いなせやに出勤命令⁉️が入った。


村上: 今日出勤予定の子が、体調崩して欠勤になりました。それとバイトリーダーの○○もんまいに入ったので、お願い出来ませんか?



アルバイトが休んだので、社長が出るのも問題(出るのが嫌じゃなくて、常に人手が足りないのが…)だが、頼られるのは意外に心地よいもんだ。

そんな訳で、英勲の会の写真は今回




こちらは英勲(斎藤酒造)の斎藤社長


そしてマルマン酒店の堀井社長


これだけとなってしまった。。。
(いや。変な意味でのこれだけじゃない)

開会の挨拶して、写真を撮って出勤だ。


馳走いなせやに行くと

村上: 当日予約がかなり入って一階と二階・カウンター席が満席です。
(いわゆる飲食店あるあるだ)

「ほな、何でんまい入った○○を戻さないの?」

村上: いや向こうも忙しいと思って…。

「想像せんと電話せ〜〜や」
「んまいは人手もあったし、大丈夫や。俺が電話して戻すわ」

どんな経緯でバイトリーダーが、んまいに行ったのかはわからないけど
「混んで来たら、戻して下さい」ぐらい言っておこうや。

ピンチはチャンスと言うが、私的にはピンチを読んでこそのチャンス。

予測をしておかないと簡単にパニックになったり🤯する。
(もしかしたら、こうなるかもしれないな的な)

俗に「不測の事態」は、かなり個人差がある。

そんな訳で、戻ってきた○○君
(3分ぐらいでやけど)早っ❗️

さすがに対応早く、あれこれ段取りをしている。
(ピークは7時ぐらいやし、もう少しゆっくりでよかったんだけど)

ピークが7時って事は、お客さんの帰りは9時過ぎるなぁ。

何とか少ないスタッフで営業を終了して、んまいに戻ることにしようと思うが。
んまいの英勲の会は、5時からやしもうすでに終わったかも…。

んまい到着は9時過ぎ。
あれっ! まだ何かお客さんが一杯やけど



いったい、この会は何時間やるねん…。

んまいスタッフが、最後に挨拶しとるな。


その後、私・マルマン酒店の堀井社長・英勲の斎藤社長と締めの挨拶。
最後にんまいの丸山からの挨拶と、何とかまとまった。

最後に
最近、村上ネタが多いのでお客さんから
「あんまり村上君いじめんといたげて〜」と言われたが、むしろかわいいからこそのブログ登場とご理解の程宜しくお願い致します。
(多少の盛りは、入っているが)

さぁ、今度のブログに村上は登場するのか。。。




昼酒会初の「古酒の会」

2018年02月05日 | Weblog

馳走いなせやの昼酒会は、2月にスルーするのが多い。理由は、姉妹店「んまい」で恒例の英勲(斎藤酒造)の会がある為だ。


別に馳走いなせやは馳走いなせやで開催しても問題はないのだが、どちらかの会にお客様が集中するのも困るからと言う理由やけど。
最近は、昼酒会もお断りするケースが多いので
有りと言えば有りだな。

基本的に飲食店は「ニッパチ」と言って、2月と8月が閑散期(あくまで一般的には)

何か仕掛けるには、むしろうってつけ。



前のブログにもアップしたと思うが

馳走いなせやの今年の課題は「断捨離」
年明けにリニューアルした時に、かなりのゴミや不良在庫品を一掃した。

そして遂に10年間ためつづけた在庫の日本酒に手をつける(ゴミじゃないです❗️)
むしろ貴重な日本酒を何故❓❓❓


昨年の10月頃
「村上〜!いったいこの日本酒は、いつ売るねん!」

「いや… いいお客様が来られたらと思って置いてます」

「10年間 いいお客様は来なかったって事❓」

「いやそうじゃなくて、中々開けるにも勇気がいるので…」

「気持ちはわかるけど、恐らく3年経ってもこのまま置いてあるやろ?」

10本程度やけど、売るに売れない思いのある日本酒。もちろん購入したので、お金は払っている。

「ほな年末の昼酒会(総集編)で出すで!」

「いやそれは、もったいないです」「年明けに古酒の会でも開催してそこで出します」



追い詰めた訳ではない。
そう追い詰めた訳じゃなくて、単純にコレクション的に日本酒を在庫するには冷蔵庫がもう一杯一杯なのもあるし私自身はコレクター趣味は無い。
(冷蔵庫に余裕があり、完全に保存専用ならば理解できる)

今年は節目を迎える年でもあり、一旦全てリセットするつもりだ。

そんな訳で、むずがる村上を説得して
長年冷蔵庫にあった日本酒達を開放することとなった。



しか〜〜〜し…。
「これぐらいじゃ、お客様もおかわりできないのでもう少し古酒を取り揃えないと」って。


マジか。。。これで充分やろ。

「いやしかし、なくなったらあかんし」必死に私にうったえてくる…。



これが馳走いなせやの過剰在庫の原因か。。。
物が無くなるのが不安で仕方ないんやろな。



まぁ、これ以上話してもラチがあかないので
熟成酒や古酒の在庫が豊富なS酒店へと店休日に向かう。

これは店内の写真やけど。

実際は、比叡山の麓にある日本酒やワインを管理するセラー❓(小屋)で選び事にした。

いざ現場で選び始めると
「あっこれも。あ〜これも」

目を見開いて製造年度に釘付けになる村上…
完全にフリーズ状態だ。



薮蛇やってもうた。。。


「こんなもんにしとこ」と言って購入したのが6本。


何の事はない。これで「古酒の会」赤字決定やな(まぁ、在庫の日本酒はお客様に奉仕する気持ちになろかな)


当初の計画では
10本×60ml=600mlやし、1万円の古酒の会ならかなりお値打ちな会になる予定やったのに

事前の試飲やなんやで、最終13本。
出品酒クラス(内2本は金賞受賞酒)3本だけでもすごいのに…。




そんなあれこれを乗り越えて❓
2月4日の日曜日に、馳走いなせや初の「古酒の会」が開催された。

この写真は、特に意味ないけど。


今回は全て1本限りの日本酒の会なので、一階席のみの営業(30人限定)


古酒を迎える、馳走いなせや日本酒会席料理は
全て酒肴的なことになり

酒肴と言えば、大阪北新地の「酒肴人の親方」まで参加。

しかし、派手なオッさんやな…。
思い起こすと10年の付き合いになる。

乾杯は、静岡県の開運(土井酒造)の波瀬正吉
17BY 35%精白❗️❗️❗️
今は亡き名杜氏「波瀬正吉」さんの超貴重な日本酒だ。

あ〜〜〜〜

旨いっ❗️香りにも味にも一切「老ね」がなく、限りなく綺麗な熟成。口中一杯に広がる13年間の旨味。グラスにまといつく熟成の日本酒が持つ魅惑の膜。飲み干した後の余韻が素晴らしい。
(ライターになれるな)

その後、石川県羽咋市の御祖酒造のお酒(金賞受賞酒含む)16BY〜20BY

滋賀県東近江の喜楽長(喜多酒造)
「天保正一」17BY(何と燗酒にて提供)

全てびっくりするほどの、超熟感と麗しい旨味。

あかん。これはうますぎる。

これが断捨離だとすれば、何て残酷な断捨離…。



今回の昼酒会のお客様は、かなり感動したはずだ。
もちろん、ここからまだまだ続くが。


そして料理の写真









日本酒にコストかけたつもりやのに、料理もハイコストだ。


かなわんな…。



初めての馳走いなせや昼酒会に参加のお客様も結構多い❗️
(いきなり古酒の会から参加された)訳だ。

熟成酒(古酒)の会は初開催だが、思った以上にお客様の食事のペースは遅い。
味わってもらっているんやと感じる。

そして思った以上に「飲み飽きない」
いわゆる重い日本酒はほとんどない。

終わってみれば、合計13本の熟成酒(ほとんど古酒)を堪能して頂いた。


しかし、改めて見ると
「やってもうたな」

まぁお客様に喜んで頂いて「なんぼ❗️」

来年もやろかな「古酒の会」
(全国から掻き集めなあかんけど…)