映画『ヌーヴェル・ヴァーグ』に採用された音楽より、
今回ご紹介するのはパウル・ヒンデミットのアルバム
"Hindemith: Symphony
'Mathis der Maler'/Trauermusik/Symphonic Metamorphosis"
です。
ここからは
②Mathis der Maler/Grablegung
③Mathis der Maler/Versuchung des heiligen Antonius
④Trauermusik
の3曲が映画の中の重要なシーンで使用されています。
尚、写真のCDの演奏が映画に使用された演奏なのかどうか定かではないのですが、
映画での音とさほど変わらない演奏を聴くことができますので、
ここで取り上げることにしました。
まず②ですが、
映画の前半、ロジェとエレーヌお互いの心が徐々に離れていく屋敷の庭での会話のバックに
まるで陽炎のように静かに流れてきます。
後半では、湖で沈んでしまいそうになるエレーヌをリシャールが助け上げ、
陸に上がった二人が広大な庭を歩くシーンのバックに流れます。
③は前半の湖のシーンにおいて、エレーヌがロジェを船から落とし、
彼がおぼれて沈んでいくのを船の上からただ見ているシーンのバックで
かなり長時間鳴り続けます。
映画の中ではこのシーンにしか流れない為、非常にインパクトがありました。
この間アラン・ドロンの溺れる演技をカメラは執拗に捕らえ続けますが、
ロジェの哀れな最後は目に焼きついて離れない強烈な印象を観客に与えます。
④は「葬送音楽」という題名がそのまま当てはまるような、
映画の中盤でロジェがエレーヌと船で湖の沖合いに出て行くシーンで流れます。
後半ではリシャールに助けられたエレーヌが屋敷から出て行くまでのバックに流れます。
最初はロジェの葬送、最後はエレーヌの葬送、といった意味合いが曲の背後にあることは明らかです。
(2)でご紹介したDino Saluzziや(3)でのDavid Darlingのそれぞれの曲も含めて、
ヒンデミットの③以外はいずれの曲もロジェのパートとリシャールのパートの両方に顔を出しており、
映画自体が前半と後半とで対をなした構成になっていることが、
音楽の選曲の仕方を辿ることでさらに深く理解することができました。
(尚ヒンデミットの音楽は上記の曲以外にも以下のアルバムから数曲採用されています。)
ECM New Series 1330
3回に渡って『ヌーヴェル・ヴァーグ』の音楽を解析してみましたが、
これら以外にもまだまだ映画で採用された音楽は数曲あります。
全部やっていると長くなってしまいますので、
ここではこの3枚でひとます終わりたいと思います。
今回ご紹介するのはパウル・ヒンデミットのアルバム
"Hindemith: Symphony
'Mathis der Maler'/Trauermusik/Symphonic Metamorphosis"
です。
ここからは
②Mathis der Maler/Grablegung
③Mathis der Maler/Versuchung des heiligen Antonius
④Trauermusik
の3曲が映画の中の重要なシーンで使用されています。
尚、写真のCDの演奏が映画に使用された演奏なのかどうか定かではないのですが、
映画での音とさほど変わらない演奏を聴くことができますので、
ここで取り上げることにしました。
まず②ですが、
映画の前半、ロジェとエレーヌお互いの心が徐々に離れていく屋敷の庭での会話のバックに
まるで陽炎のように静かに流れてきます。
後半では、湖で沈んでしまいそうになるエレーヌをリシャールが助け上げ、
陸に上がった二人が広大な庭を歩くシーンのバックに流れます。
③は前半の湖のシーンにおいて、エレーヌがロジェを船から落とし、
彼がおぼれて沈んでいくのを船の上からただ見ているシーンのバックで
かなり長時間鳴り続けます。
映画の中ではこのシーンにしか流れない為、非常にインパクトがありました。
この間アラン・ドロンの溺れる演技をカメラは執拗に捕らえ続けますが、
ロジェの哀れな最後は目に焼きついて離れない強烈な印象を観客に与えます。
④は「葬送音楽」という題名がそのまま当てはまるような、
映画の中盤でロジェがエレーヌと船で湖の沖合いに出て行くシーンで流れます。
後半ではリシャールに助けられたエレーヌが屋敷から出て行くまでのバックに流れます。
最初はロジェの葬送、最後はエレーヌの葬送、といった意味合いが曲の背後にあることは明らかです。
(2)でご紹介したDino Saluzziや(3)でのDavid Darlingのそれぞれの曲も含めて、
ヒンデミットの③以外はいずれの曲もロジェのパートとリシャールのパートの両方に顔を出しており、
映画自体が前半と後半とで対をなした構成になっていることが、
音楽の選曲の仕方を辿ることでさらに深く理解することができました。
(尚ヒンデミットの音楽は上記の曲以外にも以下のアルバムから数曲採用されています。)
ECM New Series 1330
3回に渡って『ヌーヴェル・ヴァーグ』の音楽を解析してみましたが、
これら以外にもまだまだ映画で採用された音楽は数曲あります。
全部やっていると長くなってしまいますので、
ここではこの3枚でひとます終わりたいと思います。
TB有難うございます! 助かりました
どうも『ヌーヴェルヴァーグ』って変なこだわり持ってしまってて観れないんですよ。
ゴダール&ドロンのコンビがピンとこなくて…
まぁ、またチャレンジしてみようかなとは思ってるんですが…
サントラも2枚組み 観てないこともあってパスしちゃってます こちらもそろそろ聴いてみます。
この作品はゴダールがドロンさんを使って撮った
ECMレーベルの環境音楽のぜいたくな
プロモーション・ヴィデオなんだと思って観ると
この作品の違った魅力が体の中に染み渡ってきます。
被写体に徹したドロンさんの謙虚な姿勢にも感動させられます。
サントラ2枚組みは私も正直言ってお勧めしないです。
むしろ一連の記事に掲載した
各アーティストのアルバムを通しで聴いたほうが、
より作品の本質に迫れるように感じています。