アラン・ドロンの隠れた一品、1968年作品の『ジェフ』をご紹介します。
この作品はこれまでビデオ化もDVD化もされておらず、
『栗色のマッドレー』同様、現時点では幻の作品となっています。
『さすらいの狼』に続いてドロンのセルフプロデュース作品の2本目となる本作ですが、
残念ながら公開当時、批評家や観客からほとんど評価を得られなかった作品のようです。
私自身正直言ってあまりこれまで注目したことがなく、記憶に残っていない作品でした。
ところが先日ビデオの棚からふと何気なく取り出して、よく観てみたところ、
80年代以降のドロンのあまり出来のよくない作品群と比べると、
ひとつひとつのシーンがしっかりと作りこまれており、
水準以上に楽しめる娯楽作品であったことを改めて確認することができました。
監督は『さらば友よ』のジャン・エルマン、
脚本は『ボルサリーノ』も手がけたジャン・コー、
撮影は『さらば友よ』のジャン・ジャック・タルベ、
音楽はもちろんフランソワ・ド・ルーベ、
という当時のドロンが信頼するスタッフが集められています。
物語はドロン扮する主人公ロランが父親のように付き従うジェフがリーダーとなり、
仲間を集めて宝石店強盗を巧みに成功させるシーンからいきなり始まります。
ところが数日後、盗んだ宝石を現金化して仲間たちに報酬を渡す段になって
ジェフがその場に現れなかったことから、
ジェフを信頼するロランと、他の仲間たちとの対立が発生します。
そしてジェフの愛人であったエヴァ(演じるのはミレーユ・ダルク)を連れて
再びジェフを探し出すまでが、ロランと仲間たちとの銃撃戦を交えながら
ロードームービー的に描かれていきます。
ジャン・エルマン監督の演出は『さらば友よ』の時もそうでしたが、
フランス映画というよりむしろアメリカン・ハードボイルド・タッチを目指したような
思わずはっとするようなアングルや画面のつなぎが観られ、
また随所に挿入されるベルギーの港町アントワープの街の佇まいの美しさにも息を呑みます。
特に印象に残るのは、物語前半、ボクシング・ジムで行われる仲間の一人とロランとの格闘シーンです。
拳銃を使わず、いろいろな小道具を武器にお互いが死闘を尽くすこのアクション場面は、
ドロンのフィルモ・グラフィーの中でも屈指の出来栄えであると言えます。
さらにジェフの旧友が営んでいる蜂蜜農場でのロランと敵との銃撃戦も、
その舞台設定の旨さや、撃たれた旧友が「籠を撃て」とつぶやく顔のクローズ・アップ、
敵が蜂の大群に襲われる残酷な描写などなど見ごたえ十分なシーンです。
この作品はこれまでビデオ化もDVD化もされておらず、
『栗色のマッドレー』同様、現時点では幻の作品となっています。
『さすらいの狼』に続いてドロンのセルフプロデュース作品の2本目となる本作ですが、
残念ながら公開当時、批評家や観客からほとんど評価を得られなかった作品のようです。
私自身正直言ってあまりこれまで注目したことがなく、記憶に残っていない作品でした。
ところが先日ビデオの棚からふと何気なく取り出して、よく観てみたところ、
80年代以降のドロンのあまり出来のよくない作品群と比べると、
ひとつひとつのシーンがしっかりと作りこまれており、
水準以上に楽しめる娯楽作品であったことを改めて確認することができました。
監督は『さらば友よ』のジャン・エルマン、
脚本は『ボルサリーノ』も手がけたジャン・コー、
撮影は『さらば友よ』のジャン・ジャック・タルベ、
音楽はもちろんフランソワ・ド・ルーベ、
という当時のドロンが信頼するスタッフが集められています。
物語はドロン扮する主人公ロランが父親のように付き従うジェフがリーダーとなり、
仲間を集めて宝石店強盗を巧みに成功させるシーンからいきなり始まります。
ところが数日後、盗んだ宝石を現金化して仲間たちに報酬を渡す段になって
ジェフがその場に現れなかったことから、
ジェフを信頼するロランと、他の仲間たちとの対立が発生します。
そしてジェフの愛人であったエヴァ(演じるのはミレーユ・ダルク)を連れて
再びジェフを探し出すまでが、ロランと仲間たちとの銃撃戦を交えながら
ロードームービー的に描かれていきます。
ジャン・エルマン監督の演出は『さらば友よ』の時もそうでしたが、
フランス映画というよりむしろアメリカン・ハードボイルド・タッチを目指したような
思わずはっとするようなアングルや画面のつなぎが観られ、
また随所に挿入されるベルギーの港町アントワープの街の佇まいの美しさにも息を呑みます。
特に印象に残るのは、物語前半、ボクシング・ジムで行われる仲間の一人とロランとの格闘シーンです。
拳銃を使わず、いろいろな小道具を武器にお互いが死闘を尽くすこのアクション場面は、
ドロンのフィルモ・グラフィーの中でも屈指の出来栄えであると言えます。
さらにジェフの旧友が営んでいる蜂蜜農場でのロランと敵との銃撃戦も、
その舞台設定の旨さや、撃たれた旧友が「籠を撃て」とつぶやく顔のクローズ・アップ、
敵が蜂の大群に襲われる残酷な描写などなど見ごたえ十分なシーンです。
『ジェフ』の画像UPありがとうございます
ビデオの保管状態が大変宜しいのですね、綺麗です
私が所有してるのは深夜にTV放送した物のダビングなので
ちょっとボロボロ状態です・・・
なので、綺麗な画像大変嬉しく思います
TV放送物なので声は野沢那智さんが担当されてます
なので、画像を見ただけで那智さんの声が浮かんできます
『ジェフ』は私的には結構好きな作品ですよ
ミレーユさんのファッションも可愛いですし
ドロン氏のレザーコートも大変お洒落かと思います
オリジナルを拝見したですがDVDになってないのでしたら
今のところ無理ですね....我慢しますぅ
私のテープはもうかれこれ10年以上前に地元サンテレビのミッドナイト・シアターで放映されたのを録画したものです。
野沢那智の吹替え音声入りですので、かなり貴重なものかもしれません。
それと関西のベタなCMもいっぱい入っています。
オリジナルもいつかは観たいですね。
私が入手したのもサンテレビ「ミッドナイトシアター」ってなってます
同じ物ですね、ベタなCMもバンバン入ってました(笑)
ちょっとCMはお邪魔なのでカットしてDVD-Rに焼きましたけど・・・
私がこの作品を観れたのは昨年のことです
ロランがジムから戻って旅行の準部をし電話を掛けますよね(お写真3段目右から2番目)
で、一言『始まったぜ!』とだけ言いますが
誰に掛けたの?何が始まるの?
ってちょっとドキっとしたのを覚えてます
チェイサー様なら1回でバッチリかと思いますが
私の頭では1回観ただけじゃ理解不可能でした
結構奥の深いストーリー展開かと思います
そのテープ、映画の最初の部分はジムの途中から始まってませんよね?
もしそうでしたら元は私かもしれません。
確かにジムのところから(縄跳び?)始まっております
もしかしたら、チェイサー様のビデオがマザーテープかもしれませんね
回りまわって私の元へ・・・
感激でございます!改めまして、ありがとうございます
元テープはSVHSではなくVHSなので画質は元々よくないものでした。
誠にお恥ずかしい限りですが、少しはお役に立ててるようでよかったです。
それにしても世間は狭いですね。
古い記事にコメントいただいて大変嬉しいです。
文章を拝読しまして、恐らく私と同世代の方かなと思いますので今後ともよろしくお願い申し上げます。
「ジェフ」と「マイティジャック」の衣装が当時のトレンドだったということまでには私の考えが及びませんでしたが、
確かにそうだなと納得させられました。
仰るように日本語吹替え付きでDVD化されれば最高ですね。
そして舞台になったベルギーの風景がいつもフランス映画で見慣れているものとは違うことが、
他の作品以上に新鮮味をもたらせていると思います。