LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

MADLY (1)

2009-02-21 | Dossiers de Presse
恐らく世界中のアラン・ドロンさんのファンがDVD化を熱望しているにも関わらず、
今もって一切の映像が封印されている問題の作品『栗色のマッドレー』のパンフレットです。

私自身この作品を観たことはありません。
1977年1月19日に日本テレビで放映されていましたが、
なぜか観ておらず今に至っています。

この作品が現代まで封印されてきている主な原因としては、
有名なエピソードですが、音楽を担当したフランシス・レイが、
アメリカ映画「ある愛の詩」のために作曲したテーマ曲が盗作である、
とイタリアの作曲家ステルピオ・チプリアーニに訴えられ、
その損害賠償の条件として、「マッドレー」の音楽の版権を譲り渡したことではないかと推測されます。

自身のプロデュース作品で、
しかも当時の人生のパートナーであったミレイユ・ダルクとの大事な共演作品の音楽が、
一人の作曲家の不始末によりこのような形で封印されてしまったということは、
ドロンさんにとって怒り心頭の出来事であったことは間違いないでしょう。
その後彼がレイやチプリアーニと共に仕事をすることは一切ありません。


さてそういった状況の中で、
このパンフレットはある方からありがたく頂戴したもので、
今となってはこのパンフレットのみが作品の雰囲気を感じることができる唯一のツールとなってしまいました。

パンフレットの中の「解説」の項に書かれてる内容を要約して以下に記載します。

①映画の原作はミレーーユ・ダルク、クレジットではミレーユ・エグローズというペンネームを使っている。
②タイトル・ロールのマッドレー役にはニューヨークでファッション・モデルをしているのを
ドロンさんが発見した新人ジェーン・ダベンポート
③他の共演者には中堅のパスカル・ド・ボワッソン、名女優バレンチナ・コルテーゼ
④製作にはドロンさんの友人ピエール・カロが協力している。
⑤ドロンさんは新人監督を使うことに決め、
アデル・プロの3作目『非常口』(Sortie de Secours)で鋭い演出を見せたロジェ・カーヌを起用した。
⑥脚本もロジェ・カーヌで共同で執筆しているのがパスカル・ジャルダン
⑦衣装はクリスチャン・ディオールとピエール・ランバンがデザイン
⑧撮影は『ベラクルスの男』の名手ジョルジュ・バルスキー
⑨ドロンさんの弟、ジャン・フランソワ・ドロンと
ルネ・クレマン監督の弟クロード・クレマンが助監督として参加協力している。

パンフレットには具体的に書かれていませんが、
原題の"Madly"の字はドロンさんご本人の筆によるものではないかと思います。
Comments (8)
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