goo blog サービス終了のお知らせ 

陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

小ブッシュ大統領のイラク最終訪問

2008-12-15 09:59:06 | 中東問題
 昨年のこの時期、米国アナポリスでアラブ諸国とイスラエルを招いて「中東和平会議」が鳴り物入りで開催され、イスラエルとパレスチナは1年以内に和平案を策定するとの合意を得た。何ら外交実績が無いライス国務長官が、会議開催で点数稼ぎにしたかったのだろう。

 その実行を促すため、今年になって小ブッシュ大統領は、度々イスラエルとアラブ諸国を訪問した。イスラエルもパレスチナも全くやる気が無いから、和平合意案策定など進むはずが無い。小ブッシュ大統領は、その都度イラクにも出かけているが、今回のイラク訪問は最後になる。

 彼は、「イラク侵攻は、事前の情報判断に失敗し、誤りであった」と発言したが、それを聞いてイラク国内で治安に当たる米軍14万人の兵士はどんな思いであろうか。それよりも、誤った判断で勝手に攻め込まれ、数十万人の人々を殺戮された上に多大の財産を失ったイラク人は、小ブッシュ大統領に対する恨みが骨髄に達しているはずだ。産経新聞によると、


「犬野郎」 イラク人記者、電撃訪問のブッシュ米大統領に靴投げ付ける
2008.12.15 07:05

 ブッシュ米大統領は14日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪問した。マリキ首相と臨んだ記者会見で、イラク人記者が「犬野郎」などと叫びながら靴を投げ付けた。大統領は危うくかわしたが、来月の退任を控え任期中最後とみられる訪問で、イラク人の根強い反米感情を見せつけられた形となった。

 バグダッドからのテレビ映像などによると、イラク政府や駐留米軍高官との会談後、イラクの治安改善や、イラク側が先に正式承認した米軍地位協定の成果を誇示するため記者会見に臨んだ大統領に対し、記者席の前から3番目の列にいた男性記者が突然立ち上がり、一足の靴を一つずつ投げ付け、大統領は身をすくめてこれをかわした。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081215/amr0812150707001-n1.htm


 靴を投げつけたと言うところに、イラク人の軽蔑心を強く感じる。YouTube でその実況を見ることが出来る。



 米国は、イラクの復興に大金を費やしているが、小ブッシュ政権はその計画遂行にも杜撰そのもので、これにも批判が集まりそうだ。チェイニー副大統領は、自ら経営する大建設会社ハリバートン社にかなり儲けさせた事だろう。

「1千億ドルの失敗」と指摘、米でイラク復興検証の報告書
2008.12.14 21:27

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は14日、米政府によるイラク復興が、官僚的な縄張り争いや甘い見通しなどの結果「1000億ドル(約9兆1000億円)の失敗」に終わったと指摘する報告書の内容を報じた。復興内容を検証しているボーウェン特別監察官がまとめ、2月に公聴会に提出されるという。

 報告書は、イラクで修理が必要な道路の総延長算出に4時間しか与えられず、政府担当者が図書室で作成した見積もりがそのまま計画に盛り込まれた事例などを紹介。復興には1170億ドルが注ぎ込まれたが、米政府には「復興政策を実行する十分な準備ができていなかった」と結論づけた。

 また、復興支援は戦争で破壊されたインフラを元通りにしただけと指摘。フセイン政権時代と比較して発電量は10%増えたのみで、原油生産量は開戦前よりも少ないという。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081214/amr0812142128003-n1.htm
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国籍法改悪成立を再考する | トップ | <ユー・レイズ・ミー・アッ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
小ブッシュ大統領、幕引き近づく (悠遊子)
2008-12-16 11:21:27
小ブッシュ大統領、いよいよ“Change! ”を訴えるオバマ氏と交代です!オバマ氏も前途多難でしょうが、なんとなくほっとしています。
Mr.bもアラブ世界から見れば(世界的に見ても)靴を投げ付けられて当然かも・・・

それにしても俄かに噴出した金融破綻と実体経済破産の危機!20世紀を通じて築き上げられてきた「大量生産・大量浪費」「不良情報叛乱のIT社会」そして「乱脈金融・儲け至上自由経済社会」などなど、20世紀のパラダイムの大崩壊を目の当たりにしています。このデッドロックから脱却する大変革は本当に可能なのでしょうか?"Yes, We Can!" と上手く行けば宜しいのですが・・・?
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

中東問題」カテゴリの最新記事