テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《どこに》よりも、《なぜ》? ~

2024-06-02 22:04:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ことしもォ、もくとうゥ~…!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!永遠の謎に!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 天正10年6月2日(1582年6月21日)早朝、

 京都の本能寺にて変事が……!

 なぜ(動機は)? 誰が(首謀者)? 遺体は?と、

 未だ解けぬ歴史の難問に腕組みしつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 中禅寺先生の物怪講義録 09 ――

 

 

 漫画は志水アキ(しみず・あき)さん、

 脚本は田村半蔵(たむら・はんぞう)さん、

 Founderは京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、

 2024年5月に発行されました。

 『The Mononoke Journal by Chuzenji-sensei』と英語題名が、

 『先生が謎を解いてしまうから。』と日本語副題が付されています。

 

 時代は、『姑獲鳥の夏』にて

 拝み屋の”京極堂”こと中禅寺秋彦さんが世に現れるよりも、

 もうちょっと遡って、

 昭和23年の東京。

 

「ふわァ~…そらがァ、ひろいィ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:ビルがないねえ!)

 

 まだまだ復興途上の東京の、

 都立美戸川高校に臨時講師としてやって来たのが、

 中禅寺夏彦さん。

 

 あ、担当科目は、もちろん国語です。

 

 で、美戸川高校2年生の

 日下部栞奈(くさかべ・かんな)さんは、

 中禅寺先生の教え子であり、

 ”事件に巻き込まれる体質”、というか、

 ”事件に飛び込む気質”の持ち主、というか。

 

「こんかいもォ、まきこまれェましたよゥ~!」

「がっるるぐるる!」(←訳:奇っ怪な事件に!)

 

 探し物を手伝ってくれない?

 と同級生の武園(たけぞの)くんに頼まれて、

 彼の家を訪ねてみれば……ええっ?

 

「ひゃあッ! ひろいィ!」

「ぐるるがぅる!!」(←訳:お屋敷じゃん!)

 

 僕の家? ごく普通の家だよ、と

 武園くんは言っていたのに、

 豪華な洋館に、広い庭園、室内の調度品も美しく、

 案内された客間には、

 武園くんの家族や、

 弁護士さんもいる――

 

 って、なんかヘンでしょ?

 おかしいでしょ?

 

「ようやくゥ、きづいたのでスかァ~」 

「がるるぅ!」(←訳:遅いよぅ!)

 

 ええ、そうです、

 栞奈さんは今回も見事に巻き込まれたのでした。

 武園家の、遺産相続問題に。

 

 先代当主による、直筆の手紙。

 弁護士さんによれば、

 その手紙を兄弟全員で読むことが

 遺言公開の条件。

 

 しかし、探せど探せど、手紙は見つからず。

 

 こうなったら外部の知恵にたよろう!と、

 栞奈さんが呼ばれた訳なんですけれど……?

 

「はわわッ? もうひとりィ??」

「ぐるるるがるっ?」(←訳:知恵袋が来たっ?)

 

 最終兵器、じゃなくて、もう一人の外部の知恵として、

 榎木津礼二郎(えのきづ・れいじろう)さん、登場。

 

 ”視えてしまう”礼二郎さんの前では

 何事も隠せない?

 手紙も、すぐ見つかる?

 

「うゥ~んッ、そうかなァ?」

「がるるるるぐっるるる?」(←訳:ややこしくなってきた?)

 

 手紙はどこにあるのか?

 いえ、それより、

 なぜ手紙は消えたのか?

 

 ミステリ好きな方々にはよく知られる

 命題《消えた手紙》を、

 なぜ?という

 動機面から解きほぐしてゆく

 第44話~第48話は、読み応えがありますよ。

 歴史好きな活字マニアさんにも、

 戦後の文化や風物も丁寧に描き入れられている

 《物怪講義録》シリーズはおすすめですので、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

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