「こんにちわッ、テディちゃでス!
きゃほゥ! ぱんちゃんッ、かわいいィ~♪」
「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!ころころだねえ~!)
こんにちは、ネーさです。
今日公開された上野動物園のちびパンダちゃんたちの映像には、
うわあ~♫とか、きゃ~♪と
歓声を上げるしかありませんね。
愛らしいお姿をこの目で拝見できたらと願いつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 変格ミステリ傑作選【戦前篇】 ――
選者は竹本健治(たけもと・けんじ)さん、
2021年8月に発行されました。
戦前――20世紀の前半から中頃にかけて発表された
短編ミステリを精選したアンソロジーです。
各作品の著者は
夏目漱石さん、谷崎潤一郎さん、
芥川龍之介さん、川端康成さん……
といった日本の文豪さんの他に、
同時代の中国の作家・孫了紅(そんりょうこう)さんの
『真偽の間』も、と
才気きらめく15篇が収録されています。
「どれもォ、おすすめェなのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:どれも特別!)
どの作家さんのどの作品も
惚れ惚れしてしまう完成度なのですけれども、
それでも敢えて、
1作品だけ、ここで御紹介するとしたら、
私ネーさのイチ推しは……
浜尾四郎さん著『殺された天一坊』!
「ふしぎなァ、おかたでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:異色の経歴!)
著者の浜尾四郎(はまお・しろう)さんは、
政治家であり医学博士である華族の
加藤照麿男爵の四男として生まれ、
後に浜尾子爵の婿養子となった御方です。
一高から東京帝国大学の法学部へ、
卒業後は東京地方裁判所の検事に、
検事の職のかたわら
横溝正史さんに誘われて
探偵小説を執筆、
検事を辞してからは弁護士に、
さらには貴族院議員に当選するも
39歳の若さで急死――
「むむむむゥ! えいがァみたいィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:超一流の人材!)
浜尾さんの作品には、
検事であり弁護士でもあった
浜尾さんならではの視点や解釈が
大きく活かされています。
『殺された天一坊』は、
江戸時代中期の、
或る”騒動”を主題とする物語です。
自分は八代将軍・吉宗の御落胤であると
ひとりの青年が名乗りを上げました。
「あわわッ! ごらくいんッ!」
「がるぐる??」(←訳:本物なの??)
紀州生まれの山伏・天一坊(てんいちぼう)。
その主張は、嘘か、まことか。
見極める大任にあたるのは、
《天下の名奉行》と謳われる
大岡越前守。
御奉行さま、と
江戸の町民たちに慕われる大岡さまの、
天一坊に対する審判の真意は……?
「みじかいィけれどォ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:深いのです!)
浜尾さんの作品はもちろんとして、
とにかくどれも傑作ばかり!
題名に『ミステリ』とあるものの、
ミステリマニア諸氏に限らず、
全活字マニアさんに激おすすめのアンソロジーです。
読了すれば、
ミステリへの認識が変わるかもしれない一冊を、
皆さま、ぜひ~♪
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