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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 快作で《変格》なアンソロジー! ~

2022-01-12 23:34:03 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きゃほゥ! ぱんちゃんッ、かわいいィ~♪」

「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!ころころだねえ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日公開された上野動物園のちびパンダちゃんたちの映像には、

 うわあ~♫とか、きゃ~♪と

 歓声を上げるしかありませんね。

 愛らしいお姿をこの目で拝見できたらと願いつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

  ―― 変格ミステリ傑作選【戦前篇】 ――

 

 

 選者は竹本健治(たけもと・けんじ)さん、

 2021年8月に発行されました。

 戦前――20世紀の前半から中頃にかけて発表された

 短編ミステリを精選したアンソロジーです。

 

 各作品の著者は

 夏目漱石さん、谷崎潤一郎さん、

 芥川龍之介さん、川端康成さん……

 といった日本の文豪さんの他に、

 同時代の中国の作家・孫了紅(そんりょうこう)さんの

 『真偽の間』も、と

 才気きらめく15篇が収録されています。

 

「どれもォ、おすすめェなのでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:どれも特別!)

 

 どの作家さんのどの作品も

 惚れ惚れしてしまう完成度なのですけれども、

 それでも敢えて、

 1作品だけ、ここで御紹介するとしたら、

 私ネーさのイチ推しは……

 

 浜尾四郎さん著『殺された天一坊』!

 

「ふしぎなァ、おかたでスゥ!」

「がるるぐる!」(←訳:異色の経歴!)

 

 著者の浜尾四郎(はまお・しろう)さんは、

 政治家であり医学博士である華族の

 加藤照麿男爵の四男として生まれ、

 後に浜尾子爵の婿養子となった御方です。

 

 一高から東京帝国大学の法学部へ、

 卒業後は東京地方裁判所の検事に、

 検事の職のかたわら

 横溝正史さんに誘われて

 探偵小説を執筆、

 検事を辞してからは弁護士に、

 さらには貴族院議員に当選するも

 39歳の若さで急死――

 

「むむむむゥ! えいがァみたいィ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:超一流の人材!)

 

 浜尾さんの作品には、

 検事であり弁護士でもあった

 浜尾さんならではの視点や解釈が

 大きく活かされています。

 

 『殺された天一坊』は、

 江戸時代中期の、

 或る”騒動”を主題とする物語です。

 

 自分は八代将軍・吉宗の御落胤であると

 ひとりの青年が名乗りを上げました。

 

「あわわッ! ごらくいんッ!」

「がるぐる??」(←訳:本物なの??)

 

 紀州生まれの山伏・天一坊(てんいちぼう)。

 

 その主張は、嘘か、まことか。

 見極める大任にあたるのは、

 《天下の名奉行》と謳われる

 大岡越前守。

 

 御奉行さま、と

 江戸の町民たちに慕われる大岡さまの、

 天一坊に対する審判の真意は……?

 

「みじかいィけれどォ~…」

「ぐるるるる!」(←訳:深いのです!)

 

 浜尾さんの作品はもちろんとして、

 とにかくどれも傑作ばかり!

 題名に『ミステリ』とあるものの、

 ミステリマニア諸氏に限らず、

 全活字マニアさんに激おすすめのアンソロジーです。

 

 読了すれば、

 ミステリへの認識が変わるかもしれない一冊を、

 皆さま、ぜひ~♪

 

  


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