「こんにちわッ、テディちゃでス!
やッたねッ、じゃぱァ~んッ!」
「がるる!ぐるるるるっるがる~!」(←訳:虎です!祝オリンピック~!)
こんにちは、ネーさです。
JAPANの勝利を記念するウィニングボールは、
河村勇輝選手から渡邊雄太選手へ……
思わず涙腺が緩んでしまった瞬間でした。
激闘を終えた選手さんスタッフさんに全力で拍手を送った後は、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― マルタ騎士団 ――
著者は武田秀太郎(たけだ・しゅうたろう)さん、
2023年6月に発行されました。
『知られざる領土なき独立国』と日本語副題が、
『The Order of Malta An Overview of Its History』と
英語題名が付されています。
地中海に浮かぶ島――マルタ島の騎士団といえば、
歴史好きさんは塩野七生さん著『ロードス島攻記』を、
アート好きさんは画家カラヴァッジョさんの伝記を、
思い浮かべることでしょうか。
「いまもォ、しまにはァ~のこされていまスゥ!」
「ぐるるぅっるぅるるるがるる!」(←訳:カラヴァッジョさんの名作が!)
筋金入りのアウトサイダーであったカラヴァッジョさんが
追い詰められ、困窮した末に、
ここに行けば助けてもらえるかもしれない、
ローマの教会や大貴族にとりなしてもらえるかも……と、
“最後に頼った“ところこそ、
『マルタ騎士団』でした。
『マルタ騎士団』の歴史は、11世紀末、
エルサレムの街中に建てられた1棟の病院に遡ります。
修道士のジェラールさんを病院長とする『聖ヨハネ病院』は、
聖地巡礼に訪れるキリスト教徒、
各国の商人たち、
イスラム教徒の地元民に対しても門戸を開き、
広く治療を行っていましたが。
「わわわッ、せんそうゥッ?」
「がるるる!」(←訳:大軍勢だ!)
十字軍。
その巨大な戦乱、歴史の波に、
修道士ジェラールさんの病院も逆らえません。
エルサレムの統治者たちによって
小さかった病院の規模は拡大の一途を辿り、
やがて教皇の認可のもと
『聖ヨハネ騎士修道会』が誕生、
国際組織『聖ヨハネ騎士団』へと変化してゆきました。
修道士や病院騎士たちが運営する医療施設から、
軍事組織へ。
キリスト教徒がエルサレムを失ったのちは、
拠点をロードス島に。
そして、ロードス島包囲戦に敗れ、
マルタ島へと移った騎士団は、
『マルタ騎士団』と呼ばれるようになります。
「かこくなァ、たびじィなのでス……」
「ぐるがるぐるるるる!」(←訳:でもまだ終わらない!)
1798年、マルタ島から騎士団を追放したのは、
ナポレオンでした。
権力者たちによって多くの騎士団が解体されたように、
流浪の憂き目に遭った『マルタ騎士団』も消滅……するのを、
ナポレオンは期待していたかもしれませんけれども、
しかし。
現在も『マルタ騎士団』は存在しています。
領土を持たぬ“世界最小の独立国“として
国連や欧州連合に座席を保有し、
憲法も法律も備え、
100を越える国家と外交関係を有して
大使館を置いている――
この、まことに不思議な《国家》の来歴と信念を、
詳しく、諄々と綴ってゆく著者・武田さんとは、
いったい何者なのでしょう?
もしかしたら……?
「ふううゥ! びッくりィでス!」
「がるぐるるがるるる!」(←訳:凄い人材がいるんだ!)
あまり内容をバラしたくないので、
このあたりに留めておきますが、
『マルタ騎士団』の歴史と、
近現代の政治情勢が複雑に絡む
ユニークなノンフィクション作品です。
マルタ島って、どんなところだろう?
その島の名を戴く騎士団ってどういう人たち?
と思ったら、ぜひ、手に取ってみてくださいね。
初秋の読書タイムに、おすすめですよ~♪
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