テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名作再読! 金田一探偵の東京は。 ~

2023-06-09 22:07:25 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しゅうまつゥはァ~さいどくぅ!」

「がるる!ぐるがるぐるる~!」(←訳:虎です!名作再読ですよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 雨足がひどくて外出はムリね~と溜め息させられる梅雨期……

 そんな日は、手元の愛読書や名作の再読にうってつけ!

 という訳で、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 悪魔が来りて笛を吹く ――

 

 

 著者は横溝正史(よこみぞ・せいし)さん、

 単行本は1954年に、

 画像の『横溝正史自選集5』は2007年4月に発行されました。

 

 先日NHKBSで放送された『犬神家の一族』が

 いろいろな意味合いで考えさせられたため、

 私ネーさ、またも少しずつ横溝さんの作品を再読しております。

 この『悪魔が来りて笛を吹く』も、

 『獄門島』や『犬神家』と同じように、

 戦後の混乱がまだまだ残る時代を背景としています。

 

「しょうわッ、でスねッ!」

「ぐるがるるるぐるるるる!」(←訳:昭和22年で1947年!)

 

 その頃、世を騒がせていた”事件”といえば、

 椿子爵の失踪でした。

 

 フルートの演奏家であり、作曲家としても知られる

 椿英輔(つばき・ひですけ)子爵は、

 3月の或る日、

 どこへ行くとも告げず、

 ふらりと家をでたきり、

 ついに帰ってこなかったのです。

 

 約二ヶ月が経って、

 ようやく子爵の御遺体が発見され、

 身元確認の後、死亡が確認されましたが。

 

 子爵のご令嬢・美禰子(みねこ)さんが

 探偵・金田一耕助さんを訪ねて問うには。

 

 ――あたしの父は、ほんとうに亡くなったのでございましょうか――

 

「あううゥ?」

「がるるっ?」

 

 遺体を、確認した……その顔を見た……

 父であると、たしかに認めた……

 顔かたちは、苦悶のせいだろうか、生前とは違っていたけれど、

 父であると見えた……そのときは。

 

 しかし、あまりしつこく問い詰められると、

 もう言い切る自信はない……。

 

「そッ、それはァ~…」

「ぐっるるがるぐる……!」(←訳:すっごく怖いかも……!)

 

 そして、椿子爵の失踪の謎にかさなるのは、

 天銀堂事件。

 

 そう、著者・横溝さんはあの『帝銀事件』を彷彿とさせる事件を、

 物語の重要な《鍵》として描き入れています。

 いくつもの事件が同時進行する中で、

 金田一探偵が行き着いた先には……?

 

「ふううゥ! ふんいきィ、ちがいィまスゥ!」

「がるーるるぐる!」(←訳:スピード感あり!)

 

 孤島ではなく、信州の遠地ではなく、

 東京で。

 

 『獄門島』とも『犬神家の一族』とも異なる

 “都市”を舞台とする金田一さんの探偵譚は、

 ヴィンテージミステリ好きな方々におすすめですよ。

 巻末には資料やインタビューも収録されていますので、

 そちらもぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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