「こんにちわッ、テディちゃでス!
しゅうまつゥはァ~さいどくぅ!」
「がるる!ぐるがるぐるる~!」(←訳:虎です!名作再読ですよ~!)
こんにちは、ネーさです。
雨足がひどくて外出はムリね~と溜め息させられる梅雨期……
そんな日は、手元の愛読書や名作の再読にうってつけ!
という訳で、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 悪魔が来りて笛を吹く ――
著者は横溝正史(よこみぞ・せいし)さん、
単行本は1954年に、
画像の『横溝正史自選集5』は2007年4月に発行されました。
先日NHKBSで放送された『犬神家の一族』が
いろいろな意味合いで考えさせられたため、
私ネーさ、またも少しずつ横溝さんの作品を再読しております。
この『悪魔が来りて笛を吹く』も、
『獄門島』や『犬神家』と同じように、
戦後の混乱がまだまだ残る時代を背景としています。
「しょうわッ、でスねッ!」
「ぐるがるるるぐるるるる!」(←訳:昭和22年で1947年!)
その頃、世を騒がせていた”事件”といえば、
椿子爵の失踪でした。
フルートの演奏家であり、作曲家としても知られる
椿英輔(つばき・ひですけ)子爵は、
3月の或る日、
どこへ行くとも告げず、
ふらりと家をでたきり、
ついに帰ってこなかったのです。
約二ヶ月が経って、
ようやく子爵の御遺体が発見され、
身元確認の後、死亡が確認されましたが。
子爵のご令嬢・美禰子(みねこ)さんが
探偵・金田一耕助さんを訪ねて問うには。
――あたしの父は、ほんとうに亡くなったのでございましょうか――
「あううゥ?」
「がるるっ?」
遺体を、確認した……その顔を見た……
父であると、たしかに認めた……
顔かたちは、苦悶のせいだろうか、生前とは違っていたけれど、
父であると見えた……そのときは。
しかし、あまりしつこく問い詰められると、
もう言い切る自信はない……。
「そッ、それはァ~…」
「ぐっるるがるぐる……!」(←訳:すっごく怖いかも……!)
そして、椿子爵の失踪の謎にかさなるのは、
天銀堂事件。
そう、著者・横溝さんはあの『帝銀事件』を彷彿とさせる事件を、
物語の重要な《鍵》として描き入れています。
いくつもの事件が同時進行する中で、
金田一探偵が行き着いた先には……?
「ふううゥ! ふんいきィ、ちがいィまスゥ!」
「がるーるるぐる!」(←訳:スピード感あり!)
孤島ではなく、信州の遠地ではなく、
東京で。
『獄門島』とも『犬神家の一族』とも異なる
“都市”を舞台とする金田一さんの探偵譚は、
ヴィンテージミステリ好きな方々におすすめですよ。
巻末には資料やインタビューも収録されていますので、
そちらもぜひ、一読してみてくださいね~♪