テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《美術》からの、返信。

2014-09-07 21:40:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐおおおおォ~ッ! けッしょうせんッ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!言葉もないです!)

 こんにちは、ネーさです。
 錦織選手の快挙に日本中が沸いた一日でしたね!
 テニスファンの皆さまには楽しい週末となりましたが?
 ううむ、優勝杯の行方は?
 ハラハラドキドキしながら、
 本日の読書タイム開始です~♪

  



               ―― 美術、応答せよ! ――



 著者は森村泰昌(もりむら・やすまさ)さん、2014年7月に発行されました。
 『小学生から大人まで、芸術と美の問答集』と副題が付されたこの御本は、
 『ちくま』誌上に2012年1月号から2014年2月号にかけて連載された
 実に奇抜で真摯な《問答》の記録です。

「いッきゅうさんッ、みたいなァ~?」
「ぐる~!」(←訳:南無~!)

 いえいえ、これは、頓智(トンチ)の禅問答集、ではありません。

  《美術についてなにか聞きたいことはありませんか》

 という問題提起に対し、
 寄せられた数々の質問。
 それへ、森村さんは答えを述べてゆくのです。
 もうホントにマジメに、
 心から。

「でもォ~、びじゅつゥもんどうゥッてェ~…」
「がるるる~…」(←訳:難しそう~…)

 おっと、読まず嫌いはいけませんてば。

 この御本の中で、
 森村さんは難解な専門用語、技術用語を使いませんでした。
 分かりにくい用例も挙げませんでした。
 ごく平易な、
 理解しやすい言葉で実直に、

   《美術であることと、そうでないことの境はどこに?》
 
   《誰かの手に作品が渡るとき、どんなことを考えますか?》

   《ヨーロッパばかりでずるい!》

   《裸体作品がハズカシイ》

   《表現者として震災に向き合うのは可能でしょうか?》

 といった質問に応じます。

「ううむゥ! しつもんもォ~」
「ぐるーる!」(←訳:ユニーク!)

 大学教授さん、有名な精神科医さん、会社員さん等からの問いへの
 森村さんのお答えは、
 読んでみればどれも、
 なるほどなぁ~
 そういう見方もアリか!
 と感じ入ってしまうものばかり……。

 私ネーさ的には、
 狂言師の野村萬斎さんの
 《美術家にとって『化ける』とは?》
 という問いへの森村さんの答えが印象的でした。

 本気と演技の間の、
 捉え難い境界線。
 そこに生まれるものこそが――

「しィ~ッ! それいじょうはァ~」
「がるるるぅぐる!」(←訳:バラしちゃダメ!)

 森村さんの《まごころ》が露わになる、
 そして読み手の心に残る、
 まっすぐで、美しい一冊。

 すべての活字マニアさんに、
 ぜひのおすすめです!


 (森村さんは現在開催中のヨコハマトリエンナーレのディレクションでも話題です。
  トリエンナーレにも御注目くださいね!)



  
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北欧アートの展覧会へ♪ | トップ | 必見?必食?のレシピBOOK! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事