「こんにちわッ、テディちゃでス!
うぎゃわァ! あさからァ、かみなりィ~!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!雪で視界不良!)
こんにちは、ネーさです。
轟く雷鳴、降りしきる雪に、気温の低下……
今日は朝から春の嵐に驚かされましたが、
午後以降はなんとか落ち着いてきたので、
さあ、こちらの御本で、本日の読書タイムを、どうぞ~♪
―― タマや ――
著者は金井美恵子(かない・みえこ)さん、
単行本は1987年11月に、
画像の文庫新装版は2025年2月に発行されました。
前回記事では”犬の本”をご紹介しましたので、
ええ、バランスを取るべく、
今回は“猫の本”に登場していただきましょう。
ただ、こちらはノンフィクションではなくて、
4つの短編小説から成るフィクション作品なんです。
「ぼうとうゥからァ~」
「ぐるぅるがるっ!」(←訳:猫ちゃん出たっ!)
250ccのオートバイに乗って、
1匹の猫がやって来ました。
いえ、猫がモーターバイクを運転していたのではありません。
運転していたのはアレクサンドルという名の人間で、
アレクサンドルさんが背負ったリュックサックに詰め込まれ、
猫はやって来たのでした。
顔が大きくて丸い猫。
白黒のブチ模様をしていて、
名前はタマ、
そして、お腹が。
「にゃふゥ! まるいィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:妊娠中なんだ!)
あんたはいい人だから、
タマを引き取ってくれるよね、と
アレクサンドルさんに凄まれたのは
写真家の小林夏之(こばやし・なつゆき)さん。
当惑しながらも、
夏之さん、タマを突き返したりせず、
家の中を自由に歩かせちゃったりなんかして、
猫好きなのかな? と思いきや。
……実は、夏之さん、知っているんです。
タマの飼い主である女性を。
そのひと――ツネコさんは、
夏之さんのガールフレンド、なのですが、
恒子さんには夏之さんの他にもボーイフレンドが大勢いて、
アレクサンドルの異父姉でもあって、
むむむ、ややこしくなってきましたよ。
「にんげんかんけいィ、ふくざつゥ~!」
「ぐるがるるるるる!」(←訳:でも憎めないんだ!)
こんがらがった人間関係と、
ちょっとズレた家族・血縁者との係わり、
タマと、タマの子どもたち。
ゆるゆると流れる、
春の川のような日々。
巻末の著者・金井さんによる
『《タマや》について ――あとがきにかえて――』、
また、
武藤康史さんによる解説も、
タマちゃんが気になる方々は必読!ですよ。
ぜひ、本屋さんの文庫本コーナーで
探してみてくださいね~♪
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