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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 模様は、白黒 ~

2025-03-19 22:03:37 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うぎゃわァ! あさからァ、かみなりィ~!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!雪で視界不良!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 轟く雷鳴、降りしきる雪に、気温の低下……

 今日は朝から春の嵐に驚かされましたが、

 午後以降はなんとか落ち着いてきたので、

 さあ、こちらの御本で、本日の読書タイムを、どうぞ~♪

  

 

 

               ―― タマや ――

 

 

 著者は金井美恵子(かない・みえこ)さん、

 単行本は1987年11月に、

 画像の文庫新装版は2025年2月に発行されました。

 

 前回記事では”犬の本”をご紹介しましたので、

 ええ、バランスを取るべく、

 今回は“猫の本”に登場していただきましょう。

 ただ、こちらはノンフィクションではなくて、

 4つの短編小説から成るフィクション作品なんです。

 

「ぼうとうゥからァ~」

「ぐるぅるがるっ!」(←訳:猫ちゃん出たっ!)

 

 250ccのオートバイに乗って、

 1匹の猫がやって来ました。

 いえ、猫がモーターバイクを運転していたのではありません。

 運転していたのはアレクサンドルという名の人間で、

 アレクサンドルさんが背負ったリュックサックに詰め込まれ、

 猫はやって来たのでした。

 

 顔が大きくて丸い猫。

 白黒のブチ模様をしていて、

 名前はタマ、

 そして、お腹が。

 

「にゃふゥ! まるいィ!」

「がるるぐるる!」(←訳:妊娠中なんだ!)

 

 あんたはいい人だから、

 タマを引き取ってくれるよね、と

 アレクサンドルさんに凄まれたのは

 写真家の小林夏之(こばやし・なつゆき)さん。

 

 当惑しながらも、

 夏之さん、タマを突き返したりせず、

 家の中を自由に歩かせちゃったりなんかして、

 猫好きなのかな? と思いきや。

 

 ……実は、夏之さん、知っているんです。

 タマの飼い主である女性を。

 

 そのひと――ツネコさんは、

 夏之さんのガールフレンド、なのですが、

 恒子さんには夏之さんの他にもボーイフレンドが大勢いて、

 アレクサンドルの異父姉でもあって、

 むむむ、ややこしくなってきましたよ。

 

「にんげんかんけいィ、ふくざつゥ~!」

「ぐるがるるるるる!」(←訳:でも憎めないんだ!)

 

 こんがらがった人間関係と、

 ちょっとズレた家族・血縁者との係わり、

 タマと、タマの子どもたち。

 ゆるゆると流れる、

 春の川のような日々。

 

 巻末の著者・金井さんによる

 『《タマや》について ――あとがきにかえて――』、

 また、

 武藤康史さんによる解説も、

 タマちゃんが気になる方々は必読!ですよ。 

 ぜひ、本屋さんの文庫本コーナーで

 探してみてくださいね~♪


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