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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 行列に、勝機あり? ~

2025-04-08 22:03:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ、はなまつりィ~♫」

「がるる!ぐるーるるー!」(←訳:虎です!祝バースデー!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日4月8日はお釈迦様の誕生日《花まつり》。

 古代の日本では、山の神さま、田の神さまを迎える日、でもあったそうです。

 佳き日佳き年になぁれと願いつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 神様の次くらいに ――

 

 

 著者は久住四季(くずみ・しき)さん、

 2024年11月に発行されました。

 『LION'S LIES AND OTHER STORIES』と英語題名が、

 『人の死なない謎解きミステリ集』と日本語副題が付されています。

 

「ほッほゥ! へいわなァ~みすてりィ、となッ?」

「ぐるがっる!」(←訳:それ乗った!)

 

 この御本には、

 『さくらが丘小学校 四年三組の来週の目標』

 『ライオンの嘘』

 『神様の次くらいに』

 『小さいものから消えよ』

 『デイヴィット・グロウ、サプライズパーティーを開く』

 の5篇が収録されています。

 

 いずれも、重犯罪課の刑事さんが出動する必要のない、

 《日常の謎》と呼ばれるミステリ作品ですが、

 私ネーさのおすすめは、

 表題作品の

 『神様の次くらいに』。

 

「ぷふふふゥ!」

「がるる~!」(←訳:だよね~!)

 

 その日、物語の語り手――

 大学生の《俺》こと花房(はなぶさ)くんは、

 朝からげっそりしていました。

 

 ガムを踏んでしまって、

 スニーカーの底から、ぴったんぴったん、と音がする。

 ああ、なんという不快。

 そして、こんなことで苛々する自分自身にも腹が立つ。

 

 が、そんな苛々げっそり気分を

 吹き飛ばしてくれたのは。

 

 学部棟ロビーで出会った

 榛子(はるこ)さんの笑顔。

 

「すてきなァえがおォ、なのでスゥ!」

「ぐるるっるるる!」(←訳:人気者っぽいよ!)

 

 誰にでも優しく温厚で、

 男子にも女子にも人気がある榛子さん。

 今まで二人で話をする機会は

 あまり無かったけれど、

 このチャンスを逃してなるものかと

 花房くんは思い切って話しかけ……ただけでなく、

 

  明日って暇ですか。

  じゃあ、もしよかったらですけど、

  どこか行きませんか。

 

 と、申し出ちゃったりなんかして。

 

 しかも、榛子さんのお返事は、

 

  うん、いいよ。

 

 ですって。

 

「おおォ~! ぱちぱちぱちィ!」

「がっるぐぅる!」(←訳:やったじゃん!)

 

 やった!とガッツポーズするより先に、

 花房くん、不安になりました。

 俺はデートに誘ったつもり、なんだが、

 榛子さんは解っているんだろうか……。

 すると榛子さん、

 花房くんの揺れる心にトドメを刺すかのように

 こう言ったのです。

 

  それじゃ、テレビを買いに行こうか、花房くん。

 

「……ふァ?」

「ぐるるぅ??」(←訳:てれびぃ??)

 

 いや。いやいやいや。

 テレビだろうと花火だろうと、

 榛子さんと一緒にお出かけできるなら

 花房くんに不平不満はありません。

 

 ちょうど明日、国道のそばに

 家電量販店がオープンするのです。

 オープン記念のセールでは、

 テレビや冷蔵庫やエアコンも特価になる!とあって、

 榛子さんと花房くんの2人は、

 開店前の行列に並ぶことに。

 

 “事件”は、そこで起きました……!

 

「むゥ! そこまでッ!」

「がるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 人の死なないミステリ、と銘打ってはいても、

 最後まで気を抜けない榛子さんと花房くんの

 “行列サスペンス“劇場、

 ミステリ好きな活字マニアさんに、

 エンタ好き&短編作品好きな方々にも

 激おすすめの快作ですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪


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