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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

小ビストロでは《謎》ア・ラ・カルトを。

2008-08-25 14:04:12 | ブックス
 晴天が恋しい東京は多摩地方から、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ♪ こざむいィでスッ」

 ま、小寒いだけに読書もはかどるのだ、と思うことにして。
 昨日はグルマンなおやつガイド『極上のおやつ』を御紹介いたしましたが、
 本日もまた、美味美食、
 そして食の知識が大きなポイントとなる一冊を取り上げましょう♪

「むぽッ♪ おいしィものッ♪」

 はい、お待たせしました。こちらを、どうぞ~!



              ―― タルト・タタンの夢 ――
  


 著者は近藤史恵さん、’07年10月に発行されました。
 全7編から成る連作短編ミステリです。

「えッ、みすてりィッ?? ……おいしィものはァ?」

 美味しいものが登場するのは、物語の中で、なんです。
 何故かといえば、
 下町の商店街の片隅にある小さなフレンチ・レストラン
 《ビストロ・パ・マル》――
 このお店を舞台に、様々な謎が、
 シャンパンの泡のように浮かび上がってくるのですから。

「びすとろォ? ぱ・まるゥ??」

 パ・マルはフランス語ですね。
 英語でいう『not so bad』、
 日本語訳では『悪くない』、意訳するなら『悪かないね!』でしょうか。
 
 この少々変わった店名をつけたのは、シェフの三舟さん。
 長髪を束ね、無精髭をたくわえた風貌は武士を意識したものだとか。
 
 シェフ三舟さんの他に、
 正統派フレンチの修行を積んだ料理人、志村さん。
 元OLの若いソムリエール、金子さん。
 語り手でもあるギャルソン(サーヴィス係)の高築(たかつき)くん。
 総勢4名のスタッフで、お店を切回しているんです。

「ふむふむゥ、いごこちィ、よさそォでスッ」

 無口で気難しそうな三舟シェフさんですが、
 彼の料理を楽しみにしている常連さんもついていて、
 ビストロは今日も繁盛しています。
 しかし、新人ながらなかなか目端が利く高築くんは気付きました。

    おや、どうしたのかな、この御客さま?
    いつもと注文の傾向が違うようだけど?
    体調が良くないのかな……?

 シェフは高築くんの報告を聞き、さっそく特別なメニューを組みました。
 
「わぽッ、りんきィおうへんッ、でスねッ!」

 シェフの心遣いに感謝した御客さまは、閉店直前、
 わざわざ御礼を言いにきてくれました。
 ヴァン・ショー(赤ワインのお湯割り)をお出しすれば
 御客さまとの雑談も進みます。
 体調を崩したのは、一昨日、婚約者の手料理を食べすぎちゃったもんだから――
 のろけ話に金子さんと高築くんは笑ってしまいますが、
 シェフの三舟さんは無表情を保ち、
 その後、意外な行動に出るのです。

 いったい、御客さまの語った何が、三舟さんを動かしたのでしょう?
 
「えェッ?? なんだろうッ??
 なににィ、きがついたァのかなッ??」

 7つの物語に、それぞれの《謎》と季節の美味が盛りつけられています。
 どのお皿も、どのコースも、
 大満足を約束してくれるビストロ・パ・マルへ、
 さあ、ミステリ好きさんは予約の電話を!

「むぽぽッ♪
 らんちィがァいいかなッ、でぃなーにィしよォかなッ♪」

 年末は特に混雑するそうなので、お早いうちに。

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