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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 悩める美味くらべ ~

2025-02-09 22:03:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむむゥ、むずかしィ~せんたくゥ、なのでスゥ!」

「がるる!ぐっるるがるる?」(←訳:虎です!どっちにしよう?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 Aにするか、Bにするか、はたまたCかDなのか……

 本日の読書タイムは、

 ささやかだけれど、重要な選択に懊悩させられる

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― アジフライの正しい食べ方 ――

 

 

 著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、

 2024年9月に発行されました。

 日本文藝協会編の

 『ベスト・エッセイ (THE BEST ESSAY 2024)』

 にも選出された表題作品をはじめ、

 エッセイ40編が収録されています。

 

「うふふふふッ!」

「ぐるるるるるっ!」(←訳:くすくすくすっ!)

 

 著者・浅田さんの笑いのセンスが

 ポンポンポポ~ン!と

 小気味よくハジケるのは、

 もしかしたら、

 小説作品よりもエッセイの方、でしょうか。

 

 『アジフライの正しい食べ方』。

 ちょっと《?》な題名のエッセイの、主役はもちろん――

 

 日本全国、洋食屋さんやファミレス、

 居酒屋さんのメニューに載っていて、

 デパ地下やスーパーマーケットのお惣菜売場でもよく見かける

 『アジフライ』。

 

「たべかたのきまりィ、ないィでスゥ!」

「がるるるぐるる~…?」(←訳:無いはずだけど~…?)

 

 著者・浅田さんは、

 お住まいの、東京・日野市から、

 九州は大分県の、佐賀関(さがのせき)へ、

 取材旅行に出かけることになりました。

 

 はるか中世から近代の西南戦争まで、

 土地の史跡を前に、

 想像の翼をぐぅ~んと広げる

 浅田さんと、編集者さんたち。

 

 と、眼前に現れたのは。

 

「ゆうわくのォ、かんばんッ!」

「ぐるるるるるがるる!」(←訳:関あじフライ定食の!)

 

 おお、アジフライ!

 

 タクシーの窓越しに

 『関あじフライ定食』の看板を発見し、

 ちょうどお昼どきでもありましたから、

 浅田さんたち一行は車を停め、

 こころ弾ませて漁港近くの食堂へ飛び込みます。

 

 東京では高価な、関あじ。

 獲れたての関あじを、お刺身でも焼物でもなく

 フライにするとは、

 なんと贅沢な……!

 

「もふゥ! おいしそうゥ~♫」

「がるるるるぐるっるるぅ!」(←訳:美味しいに決まってるぅ!)

 

  《ものすごくうまかった》

 

 前後の取材内容が記憶に残らぬくらい美味しかった、

 と浅田さんが全力肯定する『関あじフライ定食』、

 隣席の編集者さんのお皿をチラ見すると。

 

 ん?

 ソース?

 

 私は醤油をかけて食したのだが、

 もう一人の編集者さんは……

 

 やっ?

 タルタルソース?

 

 いや、いい、いいんだ、

 醤油、ソース、タルタル、

 どれを使ってもいい、嗜好は自由だ。

 どの食べ方も、美味しいんだから、いい。

 

 でもなぁ……

 ベストな食べ方は、どれなんだ?

 

「くふふふッ!」

「ぐるるっ!」

 

 美味しいアジフライに必要なものとは、

 はたして?

 

 他にも、

 ナポリタンを食べたい!と煩悶する

 『ナポリを見て死ね』、

 坂本龍一さんへの敬愛が響く

 『東京の緑』、

 お祖父さまを偲ぶ

 『サナトリウムの記憶』など、

 エッセイ好きな活字マニアさんに

 おすすめの快作がギュウっと詰まっています。

 

 熱々のアジフライ定食の、

 最良の友とは何であろうかと

 想い巡らせながら、

 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね♪ 

コメント
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