「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむむゥ、むずかしィ~せんたくゥ、なのでスゥ!」
「がるる!ぐっるるがるる?」(←訳:虎です!どっちにしよう?)
こんにちは、ネーさです。
Aにするか、Bにするか、はたまたCかDなのか……
本日の読書タイムは、
ささやかだけれど、重要な選択に懊悩させられる
こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― アジフライの正しい食べ方 ――
著者は浅田次郎(あさだ・じろう)さん、
2024年9月に発行されました。
日本文藝協会編の
『ベスト・エッセイ (THE BEST ESSAY 2024)』
にも選出された表題作品をはじめ、
エッセイ40編が収録されています。
「うふふふふッ!」
「ぐるるるるるっ!」(←訳:くすくすくすっ!)
著者・浅田さんの笑いのセンスが
ポンポンポポ~ン!と
小気味よくハジケるのは、
もしかしたら、
小説作品よりもエッセイの方、でしょうか。
『アジフライの正しい食べ方』。
ちょっと《?》な題名のエッセイの、主役はもちろん――
日本全国、洋食屋さんやファミレス、
居酒屋さんのメニューに載っていて、
デパ地下やスーパーマーケットのお惣菜売場でもよく見かける
『アジフライ』。
「たべかたのきまりィ、ないィでスゥ!」
「がるるるぐるる~…?」(←訳:無いはずだけど~…?)
著者・浅田さんは、
お住まいの、東京・日野市から、
九州は大分県の、佐賀関(さがのせき)へ、
取材旅行に出かけることになりました。
はるか中世から近代の西南戦争まで、
土地の史跡を前に、
想像の翼をぐぅ~んと広げる
浅田さんと、編集者さんたち。
と、眼前に現れたのは。
「ゆうわくのォ、かんばんッ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:関あじフライ定食の!)
おお、アジフライ!
タクシーの窓越しに
『関あじフライ定食』の看板を発見し、
ちょうどお昼どきでもありましたから、
浅田さんたち一行は車を停め、
こころ弾ませて漁港近くの食堂へ飛び込みます。
東京では高価な、関あじ。
獲れたての関あじを、お刺身でも焼物でもなく
フライにするとは、
なんと贅沢な……!
「もふゥ! おいしそうゥ~♫」
「がるるるるぐるっるるぅ!」(←訳:美味しいに決まってるぅ!)
《ものすごくうまかった》
前後の取材内容が記憶に残らぬくらい美味しかった、
と浅田さんが全力肯定する『関あじフライ定食』、
隣席の編集者さんのお皿をチラ見すると。
ん?
ソース?
私は醤油をかけて食したのだが、
もう一人の編集者さんは……
やっ?
タルタルソース?
いや、いい、いいんだ、
醤油、ソース、タルタル、
どれを使ってもいい、嗜好は自由だ。
どの食べ方も、美味しいんだから、いい。
でもなぁ……
ベストな食べ方は、どれなんだ?
「くふふふッ!」
「ぐるるっ!」
美味しいアジフライに必要なものとは、
はたして?
他にも、
ナポリタンを食べたい!と煩悶する
『ナポリを見て死ね』、
坂本龍一さんへの敬愛が響く
『東京の緑』、
お祖父さまを偲ぶ
『サナトリウムの記憶』など、
エッセイ好きな活字マニアさんに
おすすめの快作がギュウっと詰まっています。
熱々のアジフライ定食の、
最良の友とは何であろうかと
想い巡らせながら、
皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね♪