テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《装い》も、新しく?

2017-07-11 22:01:07 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ぱふうゥ~…!」
「がるる!ぐるぅ~…!」(←訳:虎です!ふうぅ~…!)
「もうしょォ、なのでスゥ~!」

 こんにちは、ネーさです。
 キツ~い暑さが全国的に続いていますね。
 もう毎日くたくた、疲労困憊よ~!という方々も、
 仕事や家事や勉強の合間には、
 さあ、ちょっとだけでもリラックスして読書の世界に憩いましょう。
 本日ご紹介いたしますのは、
 ↓こちらの短編集ですよ~♪
 
  



         ―― 名作転生  脇役ロマンス ――



 著者は収録順に、小島水青さん、小松原宏子さん、北野勇作さん、
 こざきゆうさん、森奈津子さん、粟生こずえさん、
 2017年6月に発行されました。
 表紙イラストと挿絵を担当しておられるのはシライシユウコさんです。

「めいさくゥがァ、てんせいィ、ッてェ??」
「ぐるるぅっるがる?」(←訳:パロディってこと?)

 そうですねえ、
 パロディ、とはちょっと違うかしらね。
 パスティーシュ(贋作)の方が、
 やや近いかもしれないこの《名作転生》シリーズの基本コンセプトは――

   《誰もが知っている話を、誰もしらないかたちで。
    有名な物語たちが新しく生まれ変わる》

 そしてさらに、
 巻テーマが『脇役ロマンス』ですから……

「わきやくゥさんもォ~」
「がるぐる!」(←訳:恋をする!)

 名作/傑作の中で、
 チョイ役にされてしまっている登場人物たち。

 しかし、もちろん、表立って描かれていないだけで、
 脇に押し込められた彼女もしくは彼の身にも、
 それぞれの“出来事”があったに違いない。

 たとえば、誰もが知る、
 あの『竹取物語』のおじいさん。

 竹取の翁と呼ばれたおじいさんは、
 かぐや姫が月に去って後、
 どうしていたのでしょうか。

 日々に波風のひとつも無かった、とは思えませんよね。

「ううむゥ、たぶんッ?」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:それなりに波乱万丈!)

 小島水青さん著『フライ・ミー・ツゥー・ザ・ムーン』では、
 《竹取物語のその後》が語られています。

 かぐや姫を月に送り、
 すっかり寂しくなってしまったお屋敷で。

 おばあさんは、悲しみつつも、
 どうにも仕方がない、と自分を納得させていたのですが。

 おじいさんは、深過ぎる喪失感を埋めようもなく、
 ぼんやりと月を見上げ、
 御飯も進まず……

「だよねェ~…」
「がるるぐる~…」(←訳:分かるよね~…)

 落ち込む一方だったおじいさん。

 そんなおじいさんの、気力を奮い立たせたものとは?
 心の底からの、望みとは?

 原作『竹取物語』で、
 そもそもおじいさんは脇役だったのか?
 立派な主役さんだったような気がするけど?
 という疑問は、この際さておき、
 まずは読んで、浸ってみてくださいな、
 著者・小島さんのSF観に!

「さしえもォ、わんだほーでス!」
「ぐる~!」(←訳:拍手~!)

 『フライ・ミー・ツゥー・ザ・ムーン』に続いては、
 
 小松原宏子さん著『ロザラインの憂鬱』(原作:ロミオとジュリエット)

 北野勇作さん著『カーニバル・ゲート』(原作:羅生門)

 こざきゆうさん著『人魚に恋して』(原作:人魚姫)

 森奈津子さん著『シンデレラの姉』(原作:シンデレラ)

 粟生こずえさん著『ぼくの名は』(原作:寿限無)

 と、力作が並びます。
 はたして、あの名作がどんな新装をまとったのか、
 脇役さんたちがいかに転生し遂げたのか――
 好奇心をMAXにしながら、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
 

 
コメント
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