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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 魅惑の双子たち ―

2015-12-04 21:49:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 せーのッ!」
「がるる!ぐるぅーっ!」(←訳:虎です!うりゃーっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ふーぅ、海外サッカーファンって忙しいわ。
 日本時間で明日未明、ラツィオと戦うユヴェントスの選手さんたちへ
 またも元気玉をかっ飛ばしたら、
 はい、読書タイムです♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



    ―― くらべてわかる世界の美しい美術と建築 ――



 著者は五十嵐太郎(いがらし・たろう)さん、2015年10月に発行されました。
 『ART×ARCHITECTURE』と英語題名が付されています。
 ↑上の画像からもお分かりのように、
 ちょっと大判の、
 ちょっと重量もあるアート本なんですけど、
 いいですね、この斬り口!

 《比較の妙》

 をテーマに、
 ぐぐぃっ!と美術史を総括!

「ふァ~、しゃしんがァ、いィ~ッぱいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:名作がずらり!)

 著者・五十嵐さんが《比較》の土俵に乗せるのは、
 絵画一枚だけを観賞するのではなく、
 単体で眺める建築でもなく、
 並べて、くらべてみれば
 互いに引き立てあう
 ふたつの“美”。

 たとえば、
 ページの片側には
 ゴッホさんの画『オヴェールの教会』、
 もう片方のページには
 パリ北西のオヴェール・シュル・オワーズ教会。

「じつぶつのォ、きょうかいィ、でスねッ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:絵画とそのモデル!)

 また、或るページには、
 フラゴナールさんの画『ブランコ』と
 ロココ装飾が目に眩しいドイツのアマリーエンブルクの宮殿が。

 そしてまた、
 クリムトさんの壁画『ベートーヴェン・フリーズ』と
 分離派の代表的な建築『ゼツェッション館』の外観写真が。

「ほほゥ、なるほどォ?」
「ぐるる!」(←訳:同類だ!)

 分かりやすい比較もあれば、
 おや?と考え込んでしまうような比較も、
 五十嵐さんは取り上げています。

 縄文土器と、現代建築?
 長谷川等伯さんの屏風と、イタリアの広場?

「あはァ! おもしろいィ~♪」
「がーるるーる!」(←訳:ハーモニーだ!)

 何しろこちらは“見る”御本ですので、
 私ネーさのヘタな説明よりも、
 書店さんや図書館で探し出し、
 御自身で手に取って“見て”みてください。

 似ている。
 呼応し合っている。
 直接の関係はないけれど、
 通じ合うものを持っている――

「ふたごのォ、ようなッ?」
「ぐるるがるるぐるる?」(←訳:他人の空似のような?)

 どちらが優秀なのかを決めようなどとは考えず、
 直感的に、
 ふたつを眺め、“くらべて”みる。
 
 そこから得られる、調和の美と愉楽。

 図版、写真資料の印刷精度も素晴らしく、
 美術評論としても一級のこの作品、
 全活字マニアさんにおすすめです。
 ぜひ、一読を~♪