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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 戦国“茶友”紳士録 ―

2013-09-08 21:46:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 まさかのォ、かちのこりィ!」
「がるる!ぐるぐるがる!」(←訳:虎です!五輪開催です!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええっ?東京でオリンピック?本当に?と、今日は朝から驚かされましたね。
 開催に、賛成/反対、色々な声があるようですが、
 五輪出場を目指しているスポーツ少年少女のために
 (特にマイナー競技でがんばっている若い選手さんたちのために!)
 いまは素直に喜びましょう♪
 さあ、では、本日の読書タイムも――

「よォ~いィ!」
「ぐるっ!」(←訳:ドンっ!)

  



 
             ―― 戦国茶の湯倶楽部 ――



 著者は中村修也(なかむら・しゅうや)さん、画は川口澄子(かわぐち・すみこ)さん、
 2013年7月に発行されました。
 『利休からたどる茶の湯の人々』と副題が付されています。

 茶の湯……つまりは、茶道……その歴史となると……。

「ううッ、むずかしそうゥッ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:頭が痛いぃ!)

 そうね、それが一般的な反応と言えそうね。
 私ネーさも、考えただけで足がシビレてきちゃいそうです。

 しかし、
 文学博士にして、日本茶道史と古代史を専門とする著者・中村さんは、
 茶道の歴史と
 茶道史上の偉人さんたちの物語を
 とても読みやすい御本に仕立ててくださいました!

 俗に謂う、
 『目からウロコ』で『なぁ~るほど』!

「ぽろぽろォ、でスかッ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:落ちましたか?)

 日本人の大多数が持っている、
 茶道に対する概念は、
 利休さんに関する逸話に端を発しています。

 たとえば、朝顔のお話。

 利休さんのお庭に朝顔の花がそれは見事に咲いている、と
 耳にした秀吉公。
 茶会に招かれ、いそいそと利休さんのもとを訪ねてみたけれど、
 あれ?
 花なんて無いじゃないか!
 眉をひそめつつ茶室に入れば、
 そこには、一輪の朝顔の花が……。

「うむゥ! ゆうめいィなァ、おはなしィ、でス!」
「がるるぐっるるがる!」(←訳:みんな知ってるよね!)

 ところが、
 このエピソードは創作。

 利休さんの没後ずいぶんと時が経った江戸期・元禄時代の書物、
 『南方録(なんぽうろく)』から生まれ、広まったフィクション、なのですって。

「えええッ? ふぃくしょんッ??」
「ぐるるがっるるるっ??」(←訳:ホントじゃないのっ??)

 かように、既成の《むやみに偉大なる茶聖》像を壊しながら、
 中村さんは茶道の歴史を再構築してゆきます。

 出自不明の商人たちが
 茶の湯大好き!な大名諸侯を利用し、のし上がってゆくさま。

 大事な茶道具を最期まで渡さず、地獄へ道連れ!にしちゃった武将。

 信長さんに影響されて茶道に入れ込んだ秀吉さんの、
 茶碗は黒か?赤か?をめぐる趣味の真相。

 利休さんよりはるかに前の時代にも
 茶を好み、たしなむ《先輩》茶人たちが存在した……。

「じじつはァ、しょうせつゥよりィ~」
「がるる~!」(←訳:面白い~!)

 教科書には載っていない茶の湯の歴史本道!
 歴史好きな活字マニアさんには
 ことにおすすめです♪
 武将萌え!な方々も、ぜひ~!