Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその73:スギサク(高杉成男)

2007-04-16 22:44:16 | Weblog
今宵のネタはいうなればメジャーな人ではないかもしれないが、私の師匠こと「スギサク」氏を紹介したい。

スギサクさんとの出会いは、もうかれこれ20年以上前になる。まだ私が学生の頃で、卒業はしたものの音楽に未練タラタラの状態で、たまたまその頃自分がやっていた歌ものバンドのメジャーデビューの話が持ち上がり、勢い余って最初に勤めた会社を辞めてしまった頃だ。いやー、あの頃はバカだった(今でもか??)。

私は当時、バンド仲間の友人と一緒にルームシェアの形で京王線の桜上水というところに住んでいた。正に甲州街道沿いになるのだが、スギサクさんはそこで「お好み焼き」の屋台を引っ張っているおっさんだった。最初の出会いはルームメイトと一緒に偶然立ち寄ったところからの始まりだった。私が20代中頃、スギサクさんが30代中頃の時分だ。

お好み焼きのオヤジにしては音楽に詳しい。なんなんだろうな、と思いながらも屋台に通い、スギサクさんからある日、「ウェス・モンゴメリの名盤、"Full House"に入っている"Blue'n'Boogie"というブルースがあるから、これを採譜してみろ」という宿題をもらった。楽勝だろ、と思いながらも結構苦労し、どうにかこうにか仕上げて持っていったところ、「よう頑張ったな。100箇所くらいまちごうてる(「間違っている」の関西弁)けどな」と笑われ、それからスギサクさんとのお付き合いが始まったのだ。同じ関西人ということで、かなり可愛がってもらった。

写真を見てもらえばわかると思うが、スギサクさんはギタリストだ。だが、スギサクさんからギターの弾き方なんぞを学んだことはない。とにかくギタリストという観点からいえば、テレキャスターをツインリバーブにダイレクトに突っ込んで、しかもピックを使わず指弾きのみ、という、あまりにもワン・アンド・オンリーのスタイルなのだ。もともと、大阪でジャズ・ギタリストとしてキャリアを積み、大志を抱いて上京したのだが、最初はなかなかいい仕事に恵まれず、やむなく「もう一つの才能」である料理人として生活の糧を稼ぎながら地道にライブ活動を続けてきた人である。最近のセッションメンバーは目を見張るばかりであり、岡沢章(b)、野力奏一(key)、今剛(G)、松原正樹(G)、などなど、錚々たるミュージシャンと飄々と共演している。「お好み焼き」屋のおっちゃんがだよ?

話を戻そう。ウェスの楽曲の採譜から始まり、いろいろなネタを屋台に持っていき、お好み焼きをつまみに焼酎を飲みながら、音楽談義に花を咲かせた。スギサクさんからは音楽理論及び相対音感に関する考え方を徹底的に鍛えてもらったのだ。これは非常に役立った。それまでロックしか聴いていなかった私がジャズやソウルミュージックに対する理解を深めることができる端緒となった。

私もいろいろあって、スギサクさんと出会ってから3年くらいして一時期郷里の大阪に戻ることを余儀なくされ、それからは自然と距離が離れてしまい、再び上京してからも甲州街道からは遠いところに住んでいたので、なかなか会うことができない。ただ、なんとかヒマを見つけて会いに行くと、「なんやおまえ。不義理ばっかりしやがって。七夕みたいなやっちゃなー」と冗談交じりに悪態をつきながらも歓迎してくれる。

もうスギサクさんのスタイルと私のスタイルは全く違うベクトルを向いているが、こういうお付き合いはできる限り大切にしていきたいと思う。

ちなみにスギサク氏のHP、及び氏のお店である「ゴキゲンヤ」のHPを紹介かねて掲載しておく。お店の開店時間は夜10時頃からとかなり遅いので、なかなか行くのは難しいかもしれないが、興味のある方は是非。

http://www.sugisaku.jp/

http://www.gokigenya.com/
(Butzmetz社長)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿