goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶちょうほうの画(え)日記(一語一画(え))

亭主「ぶちょうほう」の身の周りのいろいろな風物を「画(え)日記」ふうに綴っています。

6/22日 空木岳を池山尾根から その6:この山域にライチョウ(雷鳥)は棲息するのか?

2015-07-03 07:04:25 | 草花
高山帯を歩きながら、これだけハイマツがあるのだから、雷鳥がいてもおかしくは無いと思いました。
これまでに中央アルプスには何度も登って来ていますが、そういえば雷鳥を見た記憶が無いのです。
それで、いろいろ考えながら歩くことになってきました。
「何故見ないのだろう・・・?」  「果たして居るのか居ないのか・・・?」  そして、「居ないのなら如何してそうなったのか・・・?」

その答えは、下山・帰宅してからネット上のこの鳥に関する記述を読んで、やっと解けました。

それによると、以前は確かに雷鳥は棲息していたそうです。
しかし、1967年に宝剣岳千畳敷カール底部に至る駒ヶ岳ロープウェイが開通してから、数年後には姿を見なくなったということでした。
その原因を、ロープウェイ開設によって沢山の観光客や登山者が押し寄せ、そういう人たちや設備が出した食べ残しを求めテン、キツネ、ハシブトガラスなど、雷鳥の天敵が高山帯に侵入したため・・・・と推論しています。

日本の高度経済成長は、残念ながら自然界に対して酷薄でありすぎたようですね。
その反省から、富士山やそれ以外の場所でも、雷鳥を放鳥する試みが為されたりしてきたようですが、今までのところ、目論見どおりにそれが定着はしていないようです。

ホシガラス ↓

ガスの中で大型の鳥が見え、もしや雷鳥か?・・・と思いますが、それはハズレで、岩の上に居たのはホシガラスでした。
今回は、これをきっかけにして、雷鳥のことを考えて歩くことになったのです。



イワウメ ↓

岩上のところどころでイワウメの群生を見ます。



イワウメ ↓

これも背丈のごくごく小さい、木本の氷河期からの残存植物ですね。



山肌の雪 ↓

登山道の左側は、雪の残ったこんな斜面になっています。



ミヤマハンノキ ↓

ミヤマハンノキの花を見て、その都度根際を確認しています。それは久しく見ていないオニクというハマウツボ科の寄生植物で、葉緑素を待たなくて、多肉質のものなのですが、今回も出会えませんでした。



ミネズオウ ↓

ミネズオウのやや疎らな群生も時々出てきています。



ミネズオウ(近写) ↓

小さい花ですので、近くに寄って写します。



キバナシャクナゲを4つ続けます。 ↓







写真に写すと、黄色味が薄れてしまいますので、それが残念です。



ミヤマダイコンソウ ↓

この花はこれからあとに勢いがついてくるようです。



イワツメクサ ↓

イワツメクサは岩上や岩礫上でしばしば小群落を作って出てきます。



イワツメクサ(近写) ↓

近づくと、可憐な造形を見せてくれます。



駒峰ヒュッテ ↓

空木岳の頂上の少し下にある小屋で、夏の最盛期には小屋番も居ますが、今は無人小屋でした。
ここからあと、高さにして70-80mほど上に山頂があります。



ミネズオウ ↓

山頂まで目指す道沿いにもミネズオウが出てきます。



ガス ↓

少し登って小屋を振り返ると、ガスが漂い、いかにも高山・・・・・といった趣が深まります。



もう少し ↓

山頂までもう少し・・・・・この登りが結構辛いものです。
右側の網掛けは植生保護の試みのようです。

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6/22日 空木岳を池山尾根か... | トップ | 6/22日 空木岳を池山尾根か... »

8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (多摩NTの住人)
2015-07-03 07:45:44
雷鳥が見られなくなったのは残念ですね。もとの環境に戻すのはやはり難しいんですね。いつか姿が見られるようになると良いですね。
返信する
多摩NTの住人様へ (ぶちょうほう)
2015-07-03 07:54:21
多摩NTの住人様 こんにちは コメントを頂きましてありがとうございます。
山で遭う雷鳥は、ほかの鳥には無い愛嬌があるように思えます。
この山にも是非雷鳥が帰ってきて欲しいものです。
彼らは翼を持っていますので、環境が気に入れば、近くから飛んできて棲み付いてくれそうな気がするのですが。
返信する
空木岳 (かなこ)
2015-07-03 10:18:21
ぶちょうほうさん今日は。
それで人工孵化しているのですね。
それより環境を整えるのが先のようですね。

高山で咲くイワウメに感激しました。
素敵なお花ですね。
よくこんな場所でと思ってしまいました。
ミナズオウも同じ思いをしました。
これからも生き残って欲しいものです。

キバナシャクナゲも頑張っていますね。
優しい色合いが魅力でした。

やっぱりガスが出ていますね。
まだ山小屋はお休み中なのですね。
7月1日は山開きでしたのでそろそろかもしれませんね。
返信する
かなこ様へ (ぶちょうほう)
2015-07-03 11:11:01
かなこ様 こんにちは コメントを頂きましてありがとうございます。
蝶でも鳥でも、羽のある動物は飛翔することによってほかの動物と比べれば断然自由に環境を選べますね。
つまり、そういうものがいなくなったということは、それだけ彼らの棲息する環境が不便になったということで、生物の生育環境を測る指針になりやすいと思います。

かなこ様が言われるように、環境を整えるのが先・・・・・と言う意見は、それを壊した側の大反省点でありましょうね。

イワウメ、ミネズオウ、コケモモ、イワヒゲなどは高山植物の代表選手で、氷河期から永らく生き残っている種類ですので、私たちの世代で絶えさせる訳には行きませんね。

キバナシャクナゲは現地ではもう少し黄色く見えるのですが、写真に撮るとどうもそれが薄らいでしまいます。

小生の場合は雨男ですので、ガスとはいつもどおりのお付き合いとなります。

7/1日から山開きするところが多いでしょうね。
この山ではどうでしたでしょうか。
返信する
高山動物 ()
2015-07-03 17:46:11
高山植物が高山で存在する様に、高山動物が高山で居るのは分かりますが、そこへ低山動物が侵入して来たのでは堪ったものではありませんね。
雷鳥の声は聞いた事が有りますが、姿は見た事が有りません。
声を聴けば凄そうですけどね。

高山植物もそろそろ花盛りの季節が近そうですね。でも流石アルプスですね。雪がまだ残ているんですね。
返信する
燦様へ (ぶちょうほう)
2015-07-03 18:33:42
燦様 こんにちは コメントを頂きましてありがとうございます。
本来もっと下で生活するべき動物が山の上のほうにまで来てしまうなんて、厄介ですね。
以前槍ヶ岳の3000mの稜線にニホンザルが上がってきているとも聞きました。
彼らはハイマツの実を食べて、雷鳥の繁殖に影響しそうだとも聞きました。

雷鳥の鳴き声はたしか咽喉を振り絞るようなものでしたね。
あの「奥飛騨慕情」の作詞者竜鉄也に聞かせておいたらあんな歌詞にはならなかったかもしれませんね。

7月に入り、いよいよ高山帯の花々も最盛期を迎えますね。
雪も大分少なくなってきたようです。
返信する
キバナシャクナゲ (山ちゃん)
2015-07-05 17:10:08
ぶちょうほうさん、こんにちは!
綺麗なキバナシャクナゲが出てきましたね。彼方此方で何度も見てますが、花の傷んだのばかりで、こんなに綺麗に見れた事はないです。
雷鳥が中央アルプスにいない理由は、そうゆう事でしたか。自然界は敏感い反応する事を実感させられますね。
返信する
山ちゃん様へ (ぶちょうほう)
2015-07-05 22:28:41
山ちゃん様 こんにちは コメントを頂きましてありがとうございます。
このときは未だ6月の22日ですから、キバナシャクナゲを見るには遅いことは無いはずですね。
しかし、森林限界に出てすぐでは、花が済んだものばかりが続きました。
2700mを超えたあたりでやっと花に間に合いだした感じを持ちました。
あのホシガラスを見た瞬間では、雷鳥かと思いました。
しかし、やはり違うものでした。

たしか雷鳥は、八ヶ岳にもいませんでしたね。
御岳と南アルプスにいるのですから、その中間の中央アルプスに居てもいいですし、その北の八ヶ岳に居ても良さそうですね。
羽があるのですから飛んで来ればよいのに・・・と思います。
でも、その前に生育環境を整えなければいけませんね。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。