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フランダースの獅子と黄金の拍車の戦い








先日、ブルージュのあちこちに掲揚されているについてご質問を受けて書いたら、「では旗のライオンにはどういう意味合いがありますか」とさらに尋ねて下さったので、わたしでよければ説明いたします。


ブルージュの市旗、及びフランダースの旗にあるあのライオン(獅子)は、1302年ベルギー南部のコルトレイクで、フランス王フィリップ4世を相手に戦われた「黄金の拍車の戦い」において、フランダースの独立を守るために戦った兵士たちが獅子のように勇敢であったことが元になっている(わたし自身は素人なりにもっと古い起源があるのではないかと思っている。あらためて調べておきます)。

戦場にフランス騎士の無数の金色の拍車が残されたから「黄金の拍車の戦い」と呼ばれるようになったという。叙事詩のようだ。

ブルージュのマルクト広場に建つ2人の銅像はこの戦いで活躍したヤン・デ・コーニンクとヤン・ブレイデルの像で、この戦いをネタにブラハリングェ(ブルージュっ子)から何回この話を聞かされたことか。

黄金の拍車の戦いはフランダース人にとっては特別の意味があり、「ベルギーでは、フランドルの独立を守った戦いとして記憶されており、戦史的には中世ヨーロッパにおいて市民中心の歩兵軍が、初めて重装騎兵である騎士軍を破った戦いとして知られている」(ウィキペディア)のである。

つまり、あの獅子の旗はナショナリズム全開の旗なわけですな。


それはおいてもデザイン的にはかなり優れていると思う。前にも書いたが、ユニオンジャックの優れたデザインに十分対抗できるだろうといつも思う(悔しいのか?って感じですね・笑)。

今週末のエリザベス女王ジュビリーを控え、店舗や通りや、普通の民家までがユニオンジャックを飾り(雑貨屋でいろいろな形状の旗が売られていた)、濃い緑を背景に華麗にたなびいているのをみると、戦勝国は無邪気でいいなあなどと思ったりする。

人との会話もラジオの放送内容も「あなたの家ではどんなパーティーをするの?」とか「あなたの街ではどんなイベントがあるのか?」とか「どんな料理で人をもてなせばいいか」とかそんな話題ばっかりだ。実際、すごいお祭り騒ぎになるらしい。


わたしどもは今夜からベルギーに帰ります!
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