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もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

ドラマ「風をあつめて」を見て

2011-02-11 13:36:08 | Weblog
  今朝、珍しくテレビドラマを見た。
 NHK障害福祉賞45年記念、ドラマ「風をあつめて」。

 新聞のテレビ番組紹介欄より。
 原作は、熊本市在住の浦上誠さんの手記「私たち夫婦の普通の家庭」。
 浦上さんの長女・杏子(ももこ)さんは、生後7ヶ月で「服山型筋ジストロフィー」と診断され、20歳までは生きられないと告げられる。杏子さんは20歳で天国へ。
 夫婦が同じ劣性遺伝子を持っているため、生まれる子どもの4分の1の確立で発祥するという。夫婦は望みをかけて2人目を生む。だが、2人目も筋ジストロフィーの娘さん。
 ドラマはそれを受け入れ、乗り越えていく生き様を描いたもの。
 欄は、原作者の話として、次女は胃ろうで気管切開をしているのでテレビがお友だち。遊園地とか連れて行ったほうがいいのかと思いながら、家族でテレビを見ているのが私たちの「普通の家庭の過ごし方」と紹介していた。

 小生にとってこのドラマは、ふるさと熊本のことであり、障害児を持つという同じような境遇に引き込まれた。熊本弁や阿曽の風景も心地よかった。

 二男のタカはダウン症。
 ガラス室の中で管をつけられた茶色の我が子。「ダウン症と思われます。詳しい検査は日赤に頼みます。現在は二十歳くらいまでは生きられます。」という産科医の言葉を上の空で聞いていた。上の子どもたちと同じように元気に生まれて来るものと思い込んでいたからショックは大きかった。
 
 大きな障害を持ったこの子を育てるということは・・・家族の犠牲が想像がつかないほど大変になるという思いが頭の中をぐるぐる駆け巡った。
 そして、「先生、あの酸素の管を間違って踏んでいいですか・・・」と出そうになるのを何度か飲み込んだ。
 
 日赤に移って、検査の結果が伝えられた。「染色体異常がたくさんありました。ダウン症候群です。」心の中では間違っていて欲しいと願っていたものだから、あの時は頭の中か目の前かが真っ白になり、思わずしゃがみこんでしまった。立ち上がると「今は40歳くらいまで生きられるようになってます。ダウン症の人は周りを幸せにしてくれますよ。」と慰めてくれた。この主治医にはその後長くお世話になった。  
 
 更に動脈開存症もあり循環器病センターで2度の手術。
 女房は精神状態が乱れに乱れ、精神科に入院を繰り返した。
  
 なんて、ドラマを見ながらこんなことが昨日のように思い出された。
 今は、この子がいてくれてよかったと心底思う。
 ただ、申し訳なかった、すまなかったという気持ちは一時も離れない。

 今日は金曜日、今から我が家の宝子タカを施設に迎えに行く。
 彼が戻ってくると、我が家には明かりがともる。