今日もぽかぽか陽気。
おととい「辛しれんこん」のカビについてリポートしたけれど、今日はカビない話。
みなさんは、“ヤマザキ”のパンがなかなかカビが生えないとを感じたことはないだろうか?
私は30年以上前から感じていた。
職場の机の引き出しの中に入れておいた菓子パンが、半年たって乾燥はしてもカビは生えなかったのにビックリ!<emoji code="a006" />強力な防腐剤を心配したのを今も思い出す。
そしたら先月の山形教研で、正にそのものずばりの本を発見!<emoji code="a006" />
「ヤマザキパンはなぜカビないか」渡辺雄二著(緑風出版)
その中身を紹介しよう。
カビが生えにくいわけ
「乳化剤」・「イーストフード」・「ビタミンC」などの添加物が3割ていど混ぜられている。
・「乳化剤」(合成)・・・グリセリン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステルなど6種
・イーストフード・・・塩化アンモニウムなど13品目から4・5品目を選び麦芽などを加えた物
・ビタミンC・・・酸の一種なので細菌やカビの増殖を抑える
これらの添加物は化学物質なので、カビは栄養源にできないので生えにくくなると考えられる。
他社のパンより生えにくいということは、「ヤマザキ」の添加物は多いといえるのだろう。
更に、「山崎製パン」だけで使われている
『臭素酸カリウム』という添加物がある。
これには発がん性があり、突然変異を起こしたり染色体を切断するといわれる。
それで細菌やカビは、より生えにくくなるとも考えられるが、やっかいな化学物質なので詳しく見てみよう。
<山崎製パンの食パン「ヤマザキ食パン」、「国産小麦食パン」、「芳醇」、「超芳醇」、「特選超芳醇」、「サンロイヤル ファインアローマ」などの袋の表示には、
『本製品は品質改善と風味の向上のため臭素酸カリウムを使用しております。その使用量並びに残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しており、第三者機関(日本パン技術研究所)による製造所の確認と定期検査を行っております」とある。
上記商品のほか「サンロイヤル サンアローマ」やサンドイッチ、角型食パンにも使われていると。
他のパン会社の製品には一切見当たらないという。
なぜこんな説明をしなければならないか
それは『臭素酸カリウム』の使用にある。
『臭素酸カリウム』とは一体何物?
それは、
発がん性がある化学物質なのだ。<emoji code="a003" />
だから基準に合致しているか定期検査が必要になり、こうした表示も行わなければならないのだ。
『臭素酸カリウム』は、食品添加物として認められている化学物質
旧・厚生省は、変異原生(=遺伝子を突然変異させたり染色体を切断するなどの作用があり、がん細胞に変化させる可能性を持つ)があると発表したが、使用禁止とはしなかった。
その後、WHOでも「ヒトに対して発がん性を示す可能性がかなり高い」発がん性物質に指定。
しかし、厚生省はなぜか?『最終食品の完成前に分解または除去すること(パンの中に残留していてはいけない)』という条件つきで小麦粉改良剤=小麦粉をパンの生産に適した性質に変えるためのものとしてパンに限って使用を認めたというのだ。
なぜ「山崎製パン」は使い続けるのか?
『臭素酸カリウム』の利点は、小麦のタンパク質に作用し、柔らかくてふかふかしたボリューム感のあるパンを作れるということにある。
それで「残らなければいいだろう」ということに厚生省と研究。
その結果、分析法が確立され残存量が0.5ppb以下であれば使用が認められることになった。
[0.5ppbとは、1ppm(100万分の1)の1000分の1の更にその半分の濃度。]
『臭素酸カリウム』の毒性とは
目に見えないほどのわずかな量。だったら、安全ではないの?
いやいや、とんでもない。
・赤血球を壊す・・・10~15gで脾臓が晴れ、腎臓の尿細管が詰まり尿が出なくなることも
・発がん性・・・ラットの実験では腎臓の細胞に腫瘍や腹膜中皮腫が多発
・がんの生成を促進する作用も確認されている
など、いくつもの毒性があるのだ。<emoji code="a003" />
化学物質は、かなりの低濃度でも毒性が現れるものが多い。
また、体内に蓄積されるものもあるので安易に使用してはいけないのだ。
消費者も学習し、敏感にならないと健康を保つことはできないのだ。
「山崎製パン」の工場の一つが我が町にもあり、町を代表する企業の一つとなっている。
それだけに、町民が安心して食べ、誇りを持って勧められるパンを作ってもらいたいと願う。
「世界のヤマザキ」だから。<emoji code="a007" />