silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

年末のご挨拶(インクレチン・スキー・競輪GP)

2010年12月30日 02時48分19秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
今年は画期的な年でした。
インクレチン関連薬であるDPP-4阻害剤(経口剤)とGLP-1作動薬(注射)の登場が私たちの分野で驚くべき成果を上げたからです。
おさらいです。
今までのインスリン分泌促進薬(主にSU剤)はKチャネルを常に強制的に閉鎖して、電位依存性Caチャネルを開放。それによりインスリンを放出させていました。
なので血糖が高くとも低くともインスリン分泌を促進し、常にβ細胞を刺激している状態だったわけです。
これにはふたつのデメリットがあります。
※β細胞が常に刺激されるために疲弊すること=将来インスリン注射が必要になる可能性が上昇
※低血糖がおこりやすいこと=低血糖による臓器障害
それに対して上記2剤は、β細胞内でカルシウムチャネルの時点でしか働きかけないので血糖が上昇しない限りインスリンの放出をさせない。
このような『高いときには働き、低いときには働かない』というオンデマンドな薬剤は、実はあらゆる分野で今までなかったのです。
また面白いことにこれらの薬剤は、従来のインスリン分泌剤の効果が落ちている場合(二次無効)に、その低下した効果を取り戻させるようなのです(増幅経路)。
なので経口血糖降下剤を用いてもコントロールが不良の場合、DPP-4阻害剤をオンすることで飛躍的に改善することが多いです。
低血糖に注意しなければなりませんが、米国での報告に比べて明らかに日本人では効果が良いのです。日本人は元々インスリン分泌は少ないが感受性が良いのでそうなるのでしょうね。
いっぽう注射薬のGLP-1作動薬はより一層の福音を肥満の2型糖尿病の方に与えてくれます。
胃排出時間の遅延により食欲を抑制し、結果減量を可能とします。もちろん単剤で低血糖の心配はメカニズム上ありません。
インスリン注射と異なり注射する時間もルーズで構わないし、ある意味夢に一歩近づいた薬です。
現在は導入がやや難しいので糖尿病専門医しか使わないように勧告されています。この間に私たちがエビデンスを蓄積して、近いうち他内科の先生方に安心して使ってもらえるようになると思います。

他にはメトホルミンやピオグリタゾンの効果の見直しなどもありました。なかでも糖尿病予防効果が特筆すべきものです。耐糖能異常程度から使い始めることにより糖尿病への移行を防ぎ、長い目で見れば将来的に医療費も減るでしょう。
高血圧の薬であるARB、特にバルサルタンは『Kyoto Heart Study』によって大幅に心血管イベントの抑制させ、また糖尿病の発症を抑えることも示されました。

他にスタチンの話題もありますが、やはり今年の白眉はインクレチン製剤に尽きます。
今後これにより合併症の大幅な減少が望める可能性が出てきました。

30日は競輪グランプリですね!一億円は誰の手に?
本年おそるべき躍進を遂げた近畿勢に期待しますが強豪揃いで激しいレースになりそうです。
地上波でも放映がありますので、是非ご覧になって競輪競争の面白さを知って頂きたいと思います。
それでは12月30日~1月3日に白馬でお会いしましょう!よいお年を。
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乾癬にアスピリン?(&さよなら、びわ湖競輪)

2010年12月23日 23時12分18秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
乾癬って御存知ですか?日本人では比較的稀とされていますが、最近では増えているようです。
私には難しいので(試験レベルで知っている程度)このサイトをご覧下さい。
皮膚科学会なので信頼性は問題なしです。

さて門外漢の私が何故に乾癬?実は乾癬の方は動脈硬化イベントが多く『独立した死亡の危険因子』と発表されたからです*1。
米国の看護師さんを対象にした研究でも糖尿病・高血圧の発症が多いと発表されています*2。
(※引用は基本的に査読あり)
で何故かということなのですが、乾癬は皮膚科的領域に留まらずアテローム性動脈硬化に関連していて、それが血管系へダメージを与えているのではないか?ということです。
機序は。。。すみません分かりません。原因も特定されていないようです。肉食による食事性のものも示唆されていますが内因性の何かがあるのは確かでしょう。
実を言えば慢性関節リウマチも心血管イベントのリスクが高いのです*3。
ただしこれはペーパー(論文)ではなく発表なのですが事実としては間違いなさそうです。
皮膚科医やリウマチ医はそれに留意して内科と連携ととるべきで、それは糖尿病医にも言えることです。
専門性が高くなれば、他の専門にはどうしても疎くなりがちです。
糖尿病は眼科や歯科との連携は相互理解が深まっているので問題はないのですが、皮膚・リウマチとはつい“関係ないもの”と捉えがち。
連携は大切ですね。
なんといっても罹病者一人の総ての分野でジェネラルに捉えることは、これだけ専門性が高いと殆ど不可能といっても差し支えないと思います。
せめて自分のみている疾患の方には、そういう可能性があるのだということは知っておくべきなのです。
表題のアスピリンに関しては心血管イベントに対してのことなので、直接乾癬やリウマチ治療に関するものではありません。

*1:Association of Psoriasis With Coronary Artery, Cerebrovascular, and Peripheral Vascular Diseases and Mortality
*2:Psoriasis and the risk of diabetes and hypertension: a prospective study of US female nurses.
*3:CARRE研究

さて本日は自転車で大津びわ湖競輪に京都から自転車で行ってきました。小関越を使っての往復なのでそこそこエクササイズになります。
使用自転車は『思い出の土曜日号』。
2011年3月に閉鎖されるびわ湖競輪を偲んで4コーナー観客席でM吉師匠と観戦していました。ちょっとやるせないですね。
跡地にはSCが出来るとのこと。大津周辺には大きなSCが多いので採算取れるのかしら?いっそ屋内に33バンクでも作るというユニークな案でも考えればいいのに。


本日はもういっこおまけ。ゲームの話です。
『ニード・フォー・スピード ホット・パースート』。
はいEAから出ている例のバーンアウトパラダイスの別バージョンともいえるものです(NFSシリーズ)。相変わらずのバカっぽさで面白いですよ。
早速Dodge charger SRT8で参戦だっ!
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微妙、ROADMAP試験

2010年12月21日 23時28分51秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
ロードマップ試験。
Randomised Olmesartan And Diabetes MicroAlbuminuria Preventionの略。

2型糖尿病の腎症を抑制することは腎不全への進展を予防するために急務であり、多くの大規模試験が行われています。
また尿中微量アルブミンは心血管イベントのリスクファクターと位置づけられており、結果多臓器の保護ともなり、この治療は重要な意味を持ちます。
代表的なスタディは以下のものでしょうか。他にもあると思いますのでご指摘いただければ幸いです。

IRMA-2試験(ARBで早期腎症から顕性腎症への進展を抑制)イルベサルタン
IDNT試験(2型糖尿病・高血圧でARBがCCBより腎保護作用)イルベサルタン
RENAAL試験(2型糖尿病・顕性腎症にARB追加で腎障害進展抑制)ロサルタン
MARVAL(2型糖尿病で微量アルブミン尿を抑制)バルサルタン

で、完全に糖尿病性腎症1期から早期腎症への進展を抑制するかどうかを調べたのがオルメサルタンを使ったROADMAP試験です。
そのリザルトが発表されました。
発症リスクを23%低下させたのは確かですがハザード比0.770(1.0より低い方が良い)でP=0.0104。
大規模試験にしてはP値が低い。P=0.0001は欲しい。
とはいえ抑制はしたのですから意味はある。オルメサルタンはARBの中でも降圧作用の強い方なので、使い道はあります。
でも、、、何となく微妙なんですよねえ。。。
数千人以上が参加する大規模試験では少しの差も有意となるのでP<0.05以下程度で満足できないのは欲深すぎるでしょうか?(もちろん0.05でも0.0001でも有意差ありなんですけど)

閑話休題。最近強引に話を変えているなあ(^_^;)
上記のように薬剤療法もいいのですが、糖尿病にしろ骨粗鬆症にしろ食生活(もちろん大切です)だけではないような期がします。本日の『本当は怖いたけしの家庭医学』を観ての感想です。
もうちょっと運動に目を向けましょうよ。と強引に自転車の話に持って行きます(笑)。
スポーツは兎も角(スポーツは健康維持には強すぎる)適度な運動は必ずこれらを予防します。
そのために自転車を乗りませんか?って話です。
現在私は休日のややきつめのMTBや踏切(ピスト)、ロードバイクを走らせて時間のない平日は固定ローラーで平均40分程度の運動をしています。
歩くことや体操もいいのですがちょっとした旅気分が味わえるので飽きることがありません。
入門は少々お金がかかりますが(15万円~20万円程度)、その後はさほどかかりません。これプラス心拍数計であなたの心血管イベントの抑制を!
交通事故には気をつけて下さいね。
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思い出の土曜日号とCCB(カルシウムチャネル拮抗剤)

2010年12月19日 23時53分11秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
この黄色いMTBが先日、元D大学教授が乗っておられてサイクリストとして現役を退かれるため譲って頂いたものをレストアしたものです。昨日進水式(hiro師匠と出町まで走るという光栄なもの)し、本日はmia嬢を含む5人で近所の山に遊びに行きました。
フレームは1992年~1995年くらいのものです。
スレッドステム・リッチーフロントホーク(フォーク)をベースに現代のパーツで揃えてみました。
コンポーネント:SHIMANO社製XT(3×10speed)
サドル:セライタリアのトロイ・リー
シートポスト:トムソンエリート
タイヤ:ラーセンTT(1.95)と定番で。タイヤは本当はKENDA:KOZMIK LITE 2の26×1.75が良かったのですけど現在欠品。
問題のカンチブレーキはTESTACH(てっちゃん)にしました。あとは三ヶ島製作所製ペタル(ペダル)とトゥクリップ。
※敢えてパーツを懐かしい書き方をしましたが、三ヶ島製作所のホームページには『自転車ペタル』と明記してあります。いいですね♪
とは言え、私は遅れてきた自転車乗りなので懐古的というよりも、業界的な言葉の響きが面白くて書いているだけなのですけどね。
走り味は実に軽快です。押し上げも軽量故楽です。
しかしながらやはりそこはカンチブレーキ。油圧ディスクやVブレーキに馴れた身には急な下りが恐ろしい。
ふだん乗っているXTR油圧ディスクの1/10も効かないんじゃないかと思えます。
実際下りで、前を走る油圧ディスクXTのmia嬢にハウス、、、と言うより追突して転倒させてしまいました。ごめんなさい!実際停まれると思ったのですが。
でもやはりこの自転車にはカンチでしょう。いずれ長いブレーキレバーにでも交換してこのまま乗ります。


ところで山頂でのひとこま。EMPATHY さん・MEGAさん・UKPDSさん・わたし(嘘つきました。実はNKさん・UZさん・NJさんですが。6-4-1-5でもいいですw)で作った人文字。
左から佐・藤・友・和と読みます。すみません、マニアックすぎました。


本日の参加者は全員VIGORE。クロモリもアルミもいいですね。

話は変わりますが、今や高血圧薬のファーストチョイスはARBで結論が出たように思います。日本人を対象とした『Jikei Heart Study』以来注意深く見守ってきましたが世界的にも本邦的にも、ほぼ結論は出たように感じます。最近では『Kyoto Heart Study』とかですね。
私的にはバルサルタンに限らず、イルベサルタン、オルメサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、カンデサルタンのどれでも血管内皮細胞保護の観点からみて問題なしと思います。
あとは降圧作用・心保護作用・腎保護作用・尿酸低下作用・糖尿病発症予防作用・心房細動発症予防作用などを吟味し目的別に選択すれば良いと思います。
ということでまずは原則的にARBから開始し、降圧不十分の時はどうするかというのが問題になります。
アリスキレン(直接レニン阻害剤)やARBと利尿剤合剤等は非常に良いチョイスと思いますがまだEBMが不十分な面もあり、多くの大規模試験で実績を持つカルシウムチャンネル拮抗剤(CCB)を上乗せするのが現状での標準的治療と思えます。
そうすると今度はどのタイプのCCBを選べばいいのか?
近年は降圧効果だけではなく、臓器保護効果の優れたものが選ばれる傾向があります(付加的利点)。CCBにはそれぞれ主にL型、L/N型、T型Caチャネルを遮断するタイプがあり、ここ数年で発表されたスタディを吟味致しますと、どうやらシルニジピンに代表されるN型、ベニジピンに代表されるT型が優れているようです。
もちろんL型代表のアムロジピンやニフェジピンが悪いというわけではなく、安定した降圧作用は非常に使いやすいことは確かです(証拠にARBとの合剤ではアムロジピンベースが多い。しかしこれは既にアムロジピンが多く使われているためという理由も大きいのではないでしょうか)。
ただ、どうしても強力に降圧しなければならない時を除けばそちらを使わなければならない理由が今はないのではないでしょうか。今後の検討が待たれるところです。
臓器保護の対象がどうしても自分の専門分野に目を向けがちなので、循環器や腎臓専門医のかたにも是非お話をうかがいディスカッションさせて頂きたいものです。
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専門医にかからないと病気の予後に格差が

2010年12月16日 23時55分18秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
糖尿病は全身の疾患であり、高血糖を放置しますと細小血管障害や大血管障害のリスクが高まります。
それぞれが動脈硬化をおこすと細小血管障害では網膜症・腎症・神経障害などになり、大血管障害では狭心症・心筋梗塞・脳卒中などが高頻度に引き起こされます。
しかしながら血糖コントロール、及びよく合併する高脂血症や高血圧を上手にコントロールすることにより、それらは防ぐことが可能です。
特に近年、新しい糖尿病治療薬が出て、おそらくこれらにより将来は日本人の糖尿病合併症は大幅に減るのではないかと予想されています。
また降圧剤、高脂血症剤も副作用が少なく動脈硬化を防ぐものが次々と開発されています。
これら薬剤の使い分けは当然のことですが、ややテクニカルであり専門知識と経験が必要です。
現在の医療では各専門科ごとに非常に厳密な治療法が選択され、その標準的治療を受ける受けないで受診される方に予後の格差が生じてしまいます。
特に糖尿病・高脂血症・高血圧など血管系の疾患は治療を誤ると、それが全身を駆けめぐる動脈の問題であるので、のちに取り返しのつかない不可逆性の動脈硬化となります。

◎糖尿病の薬剤は、その方が肥満であるか、合併症はどうか、他の合併症はないか、インスリン分泌能は保たれているか、インスリン抵抗性はないか、罹病歴はどうかなどなど無数の要素から選択、または組み合わせて使われます。
肥満でインスリンのたくさん出ている方にインスリン分泌促進剤をファーストチョイスで使うのは理に適いません。メトホルミンやピオグリタゾンのメカニズムを理解すればそれがファーストチョイスになりうる可能性が高いであるとかそういうことです。
最近注目を浴びているDPP-4阻害剤やGLP-1作動薬も使い方次第では効果がないことがあります。
そのあたりのノウハウが重要になります。

◎血圧の薬の中でARB(アンギオテンシン2受容体拮抗剤)という有用な薬があります。大別してARBは6種類に分けられますが、それぞれ微妙に作用機序や効果が異なり、それらは大規模試験でエビデンス(科学的根拠)に基づいて選択されるべきです。
降圧が不十分な場合はDRI(直接レニン阻害剤)を使うのかCCB(カルシウム拮抗剤)を使うのかというのも重要な問題です。
ただただ適当に高血圧の薬を重ねれば良いというわけではりません。

◎高脂血症の薬剤は、どのタイプの高脂血症であるのか、合併症によってどれくらい下げるべきなのか、どのメカニズムの薬を使えばベストなのか等の要素から選択されます。
脂肪肝、特に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などを合併しているときは代表的なスタチンを使うのではなくてフェノフィブラートを使うとか細かい調整が必要になります。

たとえば心筋梗塞でPCI(冠動脈カテーテルインターベンション)を受けて改善した方でも、すでに動脈硬化が進んでいるので再発性が高く二次予防(二度目の心筋梗塞を起こさない)のために厳密なコントロールが必要となります。
それならば一次予防(心筋梗塞や脳卒中にならない)に力を入れて、まずは原因になる動脈硬化を起こさないことが肝要です。ひいては将来の医療費の抑制にも繋がります。
考えてみて下さい。一度心筋梗塞や脳卒中(心血管イベントといいます)を起こしたら運動の制限など人生の楽しみのひとつを(それが総てとは言いませんが)犠牲にしなくてはならない可能性が高くなります。
予防医学と口うるさく言われているのはそういうことです。
普段から適度な食事や運動を心がけ、必要とあれば目的通りの薬剤を服用して心血管イベントを抑制する。
人生はいつだってやり直すことが出来ますが、動脈硬化は取り返すことが困難なことが多いのも事実です。
ほんの少し気をつけてもらう。薬を飲むなら最低限のものを効果的に使い、糖尿病性合併症や心血管イベントを起こさないようにする。それが専門医の目的です。

糖尿病と分かった場合、一度は短期間の入院が望ましいですが、時間的に厳しい場合でも諦めないで下さい。
外来においても入院と同様のコントロールを得ることは可能ですし、実際働きながら学んでいただき、良好なコントロールを得ている方は大変多くいらっしゃいます。
経験的に長期の治療の中断こそが一番のリスクです。極端なことをいえば(望ましいことではありませんが)薬だけを服用して、放置したときに比べて一定期間HbA1cを1%低下させているだけでも動脈硬化の差は明らかです。
透析導入(残念ながら、いまだに透析されるかたの原因疾患の一位は糖尿病です)される方の多くは数年間治療を放置しておられ、その後血糖コントロールを改善しても腎不全になってしまいがちです。
進んだ糖尿病性腎症でも、ある程度は進行を食い止めたり改善させることも可能な時代になりつつあります。どの時点でも諦めるべきではありません。しかしそれはやはりストレスのかかることです。
食事制限は糖尿病食のそれよりも厳格になり、服用する薬も増えて時間的にもコスト的にも厳しくなりがちです。

日本糖尿病学会では、現在『DREAMS』というプランを実行中です。
Diagnosis and Care(早期診断早・期治療体制の構築)
Research to Cure(研究推進・人材育成)
Evidence for Optimum Care(エビデンス構築・普及)
Alliance for Diabetes(糖尿病国際連携)
Mentoring Program for Prevention(糖尿病予防)
Stop the DM(糖尿病抑制)
それぞれの頭文字を取って『DREAMS』です。ちょっと無理にDREAMSにした感じがありますね(笑)
(覚えやすいように大規模試験などでよく使われる手法です)
でも日本糖尿病学会(JDS)のオピニオンリーダーの方々が、糖尿病による不幸を取り除こうと真摯に考えて作り出したプランです。
最後のStop the DMは米国糖尿病協会(ADA)のSTOP! DIABETESキャンペーンと同じです。

■大切なポイント■
*いつでも諦めないで下さい。以前は不可能と思われていたことも時代とともに可能になっていることが多々あります。
*ウェブ上の情報だけ見て恐怖心を高めないで下さい。まずは専門医を訪れてみて下さい。もちろん基幹病院の糖尿病外来でも構いません。百聞は一見にしかずというのはいつだって真実です。ああなんだ、、、そんなに難しいことじゃないんだと思われる方がほとんどです。
*上記とよく似たことですがウェブ上の耳あたりの良い治療法や特殊な治療にぐらっと来ないで下さい。それは標準的治療を受ける機会を失うことになり貴重な期間を失います。
*とにかく気になることは話してみて下さい。思い違いは誰にでもあることです。こんなこと聞いていいのだろうか?なんて気にしないことです。
*一歩踏み出すこころがあれば、道は開けます。あなたに少しの勇気を!

上の写真は何でしょう?はい勿論自転車用ライトです。デンマークの会社のもので遊び心満載です。
もっとも本来は子供向けで防水機能もなさそうですが、いいですねえ~。デザインはシャークです。価格は2,100円。
現地では10オイロ程度の安物かも知れませんけど楽しければいいのです。


上のライトは藤井大丸で買いました。Gold Sprintさん主催の自転車系イベントです。向日町競輪のポスターが嬉しい。
これからも要注目!
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性ステロイド作用系と肥満・糖尿病

2010年12月14日 23時17分57秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
今日読んだ雑誌に興味深い記事があったので抜粋(相当すっとばしてます)。

まずは理解のために
男性ホルモン系:アンドロゲン(性ステロイド)→アンドロゲン受容体(AR)
女性ホルモン系:エストロゲン(性ステロイド)→エストロゲン受容体(ER)

◎男性系
アンドロゲンの中ではテストステロンの作用が最も強いためテストステロン(以下T)で。
性ステロイドの低下→肥満・糖尿病の発症リスクや死亡率の増加につながる。
以前はTがHDLを低下させるため動脈硬化促進のイメージであったが、近年は血中Tが高いほど動脈硬化・肥満・糖尿病の発症進展に抑制的と言われている*1*2
男性において血中T値は脂肪蓄積と逆相関。体脂肪率の増加及び安静時エネルギー消費の低下。
♂ARノックアウトマウスで白色脂肪の増加、肥満。

◎女性系
女性は閉経後、男性並みに冠動脈疾患が急増。約10年遅い。
以前はHRT(ホルモン補充療法)をしている女性は心臓イベントの発生が30~50%低いとされていた。
しかし意外なことに、近年のHERSやWHI*3などの試験において、HRT群女性の方が早期に冠動脈疾患のリスクが上昇した。
閉経後に女性は糖尿病リスクが上昇。
エストロゲン欠乏で→肝臓における遊離脂肪酸のβ参加の障害が食後高TG血症や脂肪肝を引き起こす可能性が高い。
いっぽう生理的活性を逸脱した高エストロゲン血症(妊娠後期など)ではインスリン感受性を低下させる。

低下すると両ホルモンとも脂肪蓄積(肥満)&インスリン抵抗性増大。
但し両ホルモンとも高濃度でインスリン抵抗性の方向。

Diabetes Journal Vol.38,No.4,2010より抜粋、まとめ。
*1:Liu RY et al
*2:Ding EL Song Y et al
*3:The WHI Estrogen/progestin and HERS II Trials in Perspective
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ん~ん~。
とすると中年期以降にどちらであれ性ホルモンが低下すると肥満および糖尿病リスクが上昇ってことですね。
加齢によって心血管イベントリスクや糖尿病リスクが上がるのは当然なので、その一環を性ホルモンが担っていると思えば不思議なことではない。
で、ですが。。。

逆に言えば肥満の場合は性ホルモン作用が低下する、で良いのか?どうなのか。
と今日は尻切れ蜻蛉なエントリーでした。
あれ?自転車の話がない。
あ、Amazonで↓注文しました。インナーパンツ+これ+Rari-Furi又はSou-Souのハーフパンツで冬を乗り切ろう!
ウィザード レッグ ウォーマー L
クリエーター情報なし
ウィザード
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LDLコレステロールを厳格に下げると心血管イベントは減少する、そして新しい自転車予告編

2010年12月12日 23時50分18秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
あれこれ言われる悪玉コレステロール値ですが、莫大な数のランダム化比較試験のメタ解析で、これを抑制すれば心筋梗塞や心疾患などを減らすことが確認されました。
各スタディーあわせて15万人以上を追跡したものですから信頼性は高い。
具体的にはLDLコレステロールを1.0mmol/L(38.7mg/dL)減らせば20%以上イベントの発症が減り、2.0~3.0mmol/L(75~100mg/dL!!程度)減らせば40~50%は減るのではないかとの結論です。
出典はLancetの11月号
ちょっとスタチンの種類は分かりませんが、私の考えではあまり種類は関係ないように思います。LDLを下げることが重要なのではないでしょうか。
またスタチンは、ほぼ善玉のHDLコレステロールを上げます。
現在のLDLコレステロールによる評価がなくなって総コレステロールとHDLコレステロールでの評価に変わっても恐らく結果には変わりはないでしょう。

毛利元就もスタチンに関して熟考しています。

さて今日は寒かったですねー。ちょっと雪っぽいのも混じったミゾレでございました。下り寒かったです。テキトーな手袋だったもので。
ロードバイク出して御所周辺から大原、江文を越えて静原へ。写真はぜんぜん雪積もってない比良山系。シーズンパスは今年も割高になるのか?頑張ってくださいよ、びわ湖バレイさん、既にプレオープンは失敗したんだから。
その後VIGORE寄ってマル秘『思い出の土曜日号』の最終パーツを決めます。
これはなかなか面白い自転車に仕上がりそうですよ。時代はカンチブレーキ?
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結論は降圧なのか?(ACS:急性冠症候群)

2010年12月09日 23時55分43秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
面白そうな講演会があったので行ってきました。
循環器の先生の話を聞くのはいつも楽しい。特にそれが頭の良い人であると次々とオーディエンスの私の頭の中も活性化され、自分の本来の分野とリンクが張られて一層興味が増します。
ほんらい今日は午後から休みなのですが残務たっぷりで15時前にようやくクリア。自転車か車で向日町競輪場に行こうと思っていたのにその元気もなくなってしまいました(行っても本場開催ではないのと時間的に最終レースしか見れないのもあります)。
とはいえ中途半端に講演時間までごろごろしているのも何なので、近所のコンビニに踏切自転車で行った後、少し午睡して固定ローラー台40分。
写真は御池通にて。冬ですね。ちょっとした街乗りでも何故か楽しい固定ギヤ。
急いで入浴して出租汽車に飛び乗ったのですが少々遅刻してしまいました。う~ん、間に合うと思ったんですけど。
前半の心筋梗塞のデータの話に続き、メインディッシュの北海道大学・循環病態内科学の筒井裕之教授
『心血管イベント抑制を目指した血圧・脂質管理のフロントライン』
お待ちかね質疑応答タイムがやって参りました。各界のオピニオンリーダーに直接訊ねられるのもこういう会の良いところです。主催の方ご苦労様です。
私の訊きたい内容は特別講演が進む内に次々と変わってきました。そう多くの時間がフロアからの質問に割かれるわけではないので、訊きたいことを手短に頭の中でまとめます。
急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction)を始めとした急性冠症候群のリスクファクターとして高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・喫煙などを挙げておられましたが中でも特に血圧コントロールを強調されていました。
代謝屋は、そこ(循環器科)に紹介する事態になれば負け(ってことはないですがリスクを取り除くことが出来なかったという意味です)なので何が一番重要なのかを違う立場から聞きたい。
そういう意味では腎臓もです。というかこの三つは密接に絡み合っています。神経内科もそうですが、そちらは取り扱うものがStroke以外も多いので(とはいえ全身を以て人間なので区別しすぎると本質を見失います)。
そうか降圧か。
最近は糖尿病で高血圧の場合、腎臓保護の観点からARB系をファーストチョイスとすることが多く、それで降圧が達成出来ないときにCa拮抗剤を加えるという順番なので、心臓保護の観点からはどうなんだろう?と言うのが本日の質問内容です。
『降圧が一番大切なのであれば、同程度に降圧出来ればARBでもCa拮抗剤でもどちらを用いても目標に達すれば良いのでしょうか?』
実際は他の要素も考慮するが降圧の達成を考えるとCa拮抗剤を用いるのが妥当じゃないかと思います、という感じでした。
もうひとつストロングスタチンの使い分けなどもお尋ねしたのですが現在行われている大規模スタディはいろんな結果がでていて、これ!とまだはっきり言えないとのお返事でした。
まあそうなんでしょう。だからこそ多種多様のスタディが行われていてスタンダードを探すのに必死になっているのでしょうから。
昨日の続きですがアトルバスタチンがインスリン抵抗性を上げたり、ロスバスタチンがアディポネクチンを下げてしまうというような発表があると(エンドポイントの解析がないとしても)フト、スタチンの前に呆然と立ちつくしてしまうのです。
いちばん確からしいエビデンスとガイドラインを頼り、個々に合わせてアレンジするしかない。と今日の結論でした。
オピニオンリーダーは神ではない。
それは分かってはいるのですがはっきりした答えを求めているのは宗教的態度にも似ていると思いました(ザビー様?)。
正解は自分で探しましょう。ただしひとりよがりにならないように。

その後の懇親会で久しぶりにお会いした方と『やっぱ糖尿病増えたのは脂質過剰摂取と運動不足だよね~♪同じ摂取カロリーで脂質・蛋白増やしたら一時の血糖は下がるかも知れんけど動脈硬化進むね!確実に。それに食後血糖だけが悪さしてるんじゃなくてヤパ、インスリン抵抗性でねえの~。蛋白増やしたら腎臓悪く(CKD)なるし~わはは』とおっちゃん同士、満腹中枢ノックアウトマウスのように高脂肪食のブッフェを食べながら歓談したのでありました。
まああとでスタチンのめばいいか(違)。


町は降誕祭を待っています。

おまけ)ちょっと面白いバルサルタンの話
森下竜一先生、この時少々肥満です。いまは改善中です。
それにしても何故スパイシーの森下先生、サモハンキンポーと繋がっているのよ。
誰かわざとやっただろ!(笑)
実は繋がっている水島裕さんというのが同姓同名で、サモハンキンポーの声優、水島裕さんと同姓同名なんですね。
いい加減なものです。


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悩ましきスタチン

2010年12月09日 00時35分36秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010、11月13~17日、開催地:シカゴ)での発表。
この韓国人学者はスタチンによる効果を『Diabetes Care』に発表していてそのまとめ。文章だけでは分かりにくいので自分で以下のテーブルにまとめてみました。

※但し高コレステロール血症患者において

うーん。ちょっと面倒なので原著に当たっていませんが、これだけ見たらストロングスタチンが良くないような印象を受けます。しかも『?』の部分は検討していない。
誘導的な結論を導いていないようなのでそれは良いのですが、これはまあ飽くまでアディポネクチンやインスリン抵抗性はどうだったかと言うだけでエンドポイント(心血管イベント、死亡など)への効果までは言及していません。
ま、こんなdataがあるので発表してみました。ってところでしょう。
だって実際(いろいろ批判はあるにせよロスバスタチンを使ったRCTでは心血管イベントを40%近くも抑制しているのですし。
だから新聞などで『○○学会で太ってる人の方が長生きだー。。。って言ってます』とかいかにもウケ狙いの記事が載ってたら要注意。
“自分たち主催の学会で発表するならサルでも出来る”
ちゃんとレフリーのいる学会で発表しなくちゃいかんよ。その上、査読(ピアレビュー)のある雑誌に掲載されたらまあ大丈夫。
だって学会って言っても、それがどんなまともな学会かDQNな学会か分からないでしょう?普通は。マスコミは『ありとあらゆる分野について素人』ですから基本信用できません。
センセーショナルで読者にウケが良ければなんでもいいんですから。
ってことでここでもデータを読むスキルが必要になりますね。

今日の固定ローラーは47分と中途半端。追い込んだあと心拍数が129bpm以下になるまでのんびりペタリングしているので中途半端な時間になっちゃうです。
午前4時間仕事。午後1時間紹介状書きやデータ入力。おひるごはん。休憩。夕方3時間仕事。晩ご飯。ローラー台(前半文献読みながら後半もがき)。お風呂。Basara3毛利元就オクラ育て。睡眠。
庶民の日々の生活なんてこんなもんだ。
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ありがたいガイドライン(GL)

2010年12月07日 23時52分44秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
虚血性心疾患(狭心症など)や虚血性脳血管障害がハイリスクな場合、血栓予防のために抗凝固療法・抗血小板療法を用います。
ワーファリンとかアスピリンとか耳にされたことはある筈。要するに血液の粘度を下げて血管を詰まりにくくする療法です。
とすると當然、効きが良すぎると、もし出血したら危険なのじゃないか?という疑問を持ちます。
糖尿病メインでやっておりますと(糖尿病に狭心症や脳梗塞予備軍=動脈硬化症はつきもの)歯科の先生方から『抜歯をするので抗血小板剤に関してどうしましょう?』というお手紙が来ます。また眼科の先生方からも『白内障の手術をするのですが抗血小板を止めて良いですか?』というお問い合せも多いです。
以前から循環器学会で出されていた『循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン』では抜歯時にもワーファリンやアスピリン、クロピドグレル(プラビックス)は止めなくても大丈夫と言われていました。
しかしながらお互い病院でもないし、まんいち大出血が起こったら処置に困るというのでやや慎重になっていました。
姑息的にやや減量するとか休薬期間を短めにするという対処をしていましたが、このたび『抗血栓療法を受けている患者に対する抜歯は、抗血栓薬継続下に行うことが望ましい』というガイドラインを第13回日本栓子検出と治療学会(11月19~20日、開催地:福岡市)のシンポジウム「周術期の抗血栓薬管理」で、慶応大医学部歯科・口腔外科学の矢郷香氏より報告されました。
歯科領域からは『科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010年版』が発表・刊行。
このガイドラインで(もちろんケースバイケースですが)抗血栓療法中の方はそのまま休薬することなく抜歯をしてもリスクはほぼないと言うことで医師・歯科医師両方とも安心したのではないでしょうか。
こういうガイドラインは大変助かりますね。ガイドラインが出来たから、さあもう大丈夫というのではなくてエビデンス上リスクが少ないことが確認されたということが大切なのです。
歯科の先生方にしても抗凝固剤とめて抜歯したら、さあ心筋梗塞になっちゃった。では困りますもの。
残念なのは、Web上で全文を読めないこと(本で刊行されてしまったので)。
これは是非考えて欲しい。
たとえば糖尿病治療ガイドラインや心筋梗塞二次予防ガイドラインなどはPDFでWebに公開されています。
誰でもWebから閲覧できるようにすべきだと、ここだけは苦言を呈しておきます。
(もし見れるサイトがあったらご教授下さい)

さて今日は何となく天気もどんよりしていたので、午後から出かけず夕方に町に出て高島屋さんの『鼎泰豊』で久しぶりに小籠包。
mia嬢はどうやら感冒性腸炎(ノロ?)疑いで調子が悪く現在体調悪そうです。胃腸イマイチなのに小籠包や飲茶セット食べたからだろうか。早く良くなりますように。
私は帰宅してから、運動してなかったのでローラー台を50分。ちょっと追い込みすぎました(-.-;)
また心拍数MAX163bpm。いい加減にしような>自分。
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