silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

内足の操作

2011年03月31日 23時38分03秒 | スキーテクニック編
久しぶりにMZ嬢と滑ることが出来ました。SIAのシルバーを目標に頑張っている方ですが、いまいち届かない。
今シーズン一度も一緒に滑っていないので是非短時間でもと言うことで、春休み中のmia嬢にも付き合ってもらって今日は整地練習の日となりました。たった2時間弱ですがスキー場が空いているのでムービーを撮りながら濃い内容のひとときを過ごせました。

さてではMZ嬢に何が欠けているか、またどう克服すれば良いかを考えたいと思います。
ざっと滑りを見ていると、体軸の倒し方の角度はいっけん良いように見えるのですが、脚がシュテム状に開くことが多く、またターンの切り替え時に内側のスキーを上げてしまう癖があります。
で、内足を使えるようになればいいだろうと思い、内足主体の斜滑降、横滑りなどをやってみましたがなかなか安定しない。ならばと外足、内足:50%、50%でやって貰いました。
次にプルークスタンスで内足からのターン始動を試してもらいましたが、少しスピードが出ると、内足から荷重が抜けてしまいます。
つまり後傾ゆえ、重心を斜面下方に落とし込むことが出来ず、切り替えの際に上へ立ち上がり且つ重心を斜面山側に倒すことによって次のターンを始動せざるを得なくなっているのです。
連続写真で検証してみます。
左:mia嬢(先日、SAJ一級とったところですね)、写真右:MZ嬢の中回りの様子です。
2コマ目で後傾が明らかです。ターンのきっかけに伸び上がり抜重を使うための準備動作となってしまっていますが、ここまで腰を落とす必要はなく、また何よりもスキーの方向を変える時には抜重という概念は頭から消して、重心の入れ替えだけを念頭におけば改善するかも知れません。
3コマ目は谷回りからフォールラインを過ぎようという場面です。
左のmia嬢は谷回りから内足(この場合は右足)にも荷重がかかっているので素直な丸いターン弧を描くことに成功しています。MZ嬢は内足の回旋動作が認められず、谷足一本でスピードに耐えようとしています。
その結果、4コマ目でmia嬢はスキー板を走らせることが出来ていますが、MZ嬢は下に落とされて足がシュテム状に開いてしまいました。
こうなるとますます次のターン導入が困難になります。
大回りの場合、外力に耐える必要が出てくるため外向傾のみでは処理できません。身体の軸を長めに使って両足で対処する必要があります。
では両足を使うにはどうすれば良いか?外足は耐えることに慣れているので内足を使うしかない。いかに内足の小指側に荷重出来るかが中級者脱出のカギになります。
しかしながら内足を使うためには後傾では不可能です。
前へつんのめる位の下方への荷重移動がないと内足は動いてくれません。というよりターンの邪魔になるだけです。
上記を抑えた上で、今度はMZ嬢に重心を前に出して滑る練習を再度やってもらうことにしました。
微速で両ストックを身体の下方に突いて、それを支えにしてその場でターンをするという古典的な方法のほか、内向傾!とでも呼ぶべき荒技?も練習メニューに加えました。
このバカげた名前の練習法はこちらをどうぞ

高速でなければ、MZ嬢は時々うまく内足を使うことが出来ます。
比較的体力のない女性スキーヤーなので、スピード→後傾→回し込めず暴走、というパターンにはまってしまって失敗するパターンだと感じました。
SIAシルバーやSAJ二級は、さほどスピードを要求されないので、まずは内足を使えるためにスピード領域を落として後傾にならないよう練習してもらうよう伝えました。
検定が近いそうなので、是非じぶんの感覚にあった練習法をみつけて合格して欲しいものです。
頑張れ!
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スキー初心者の教え方(&MacBookデータ移行)

2011年03月29日 22時50分21秒 | スキーテクニック編
先日、台湾の友人Erica嬢(写真中。手前はMackey嬢。撮影mia嬢)とKGBの皆さんでスキーをしました。
スキーは二度目、しかも前回は3時間。場所はスキー初学者にはもっとも不適切なスキー場の一つであるびわ湖バレイ。どうなることかと思いましたが、3月も終わりで日曜日なのに空いていたこともあって打見山、ホーライパノラマ、汁谷の各コースを滑れるようになりました。
いつも外向傾だの谷回りだの言っているので新鮮な体験だったのでレポートを。
まずレンタルスキーです。これは身長170cmの彼女にはやや短い150cmでしたが、初心者なので取り回しに苦労しないのでそれで良いと思いました。
ストックは立ち上がりやすいように長めの115cmをチョイス。いつも95cmを使っている私から見たら無茶苦茶長いですねえ!
まずはスキーブーツでの斜面の登り方。ブーツの先端を使ったキックステップから。
きちんと蹴り込まないと、雪に慣れていない人は意外と緩斜面でも転倒してしまいます。
さあ!滑りましょう。
はじめてのスキーの際は下(ストップゾーン)が広く、恐怖心の出にくい5度以下の斜面がいいのですが、ここでは望むべくことがないことは行ったことのある方ならご存知でしょう。
とりあえず板を履いて貰って、平地でストックを使って前へ推進して“滑る”感覚を知ってもらう。おそらく大地が流れ出すようなイメージだと思うのですが古いスキーヤーの私は想起出来ません。
その後プルークスタンスを作る練習。膝を締め込まず『ハ』の字を作ってもらい、膝でスキートップを抑える感じを説明。
さっそく滑り出してもらいます。さすがに腕が縮み、膝は外反(X脚)となっていますがなんとか平地まで辿り着きました。やはり一度でも経験していると違いますね。
初心者のプルークは先端が開きがちになるので、本人にはそこだけ意識してもらい、指導する方は、後ろ向けのプルークなどで前を滑ってアイコンタクトを取って目線を上げさせるようにします。
おまけにフォーローワーが付いて滑れば、初心者の恐怖心は非常に薄らぎます(但しアドバイスは一人だけがすること)。
つぎに一気に蓬莱の山頂まで行きました。恐怖心の強い人にこの方法は逆効果ですが、挑戦的な性格ならば女性でもすぐに次のステップに移って構いません。
リフトはデタッチャルブルのクワッドなので、左右から挟んであげれば問題ありません。
しかしさすがに10度を越すと立つのもなかなか難しい。フォールラインの概念を覚えてもらうために斜滑降姿勢を取ってもらいます。
もちろん山側の外エッジ(小指側)は甘いです。
それでも『谷側の脚は伸ばさないこと。身体は斜面下方向に向いておくこと』は既にこの時点から教えるべきです。子供と違い大人は悟性があるので、指導側の説明と演技はしっかりしておくべきでしょう。
これをおろそかにして取り返しのつかない“外脚の突っ張り”を引きずっているスキーヤーがいますが、永遠に中級者から抜け出せません。
方向転換は難しい。スキートップを指導側の板で抑えておいて、しっかりストックを下方に突いて、徐々に回ってもらいます。数度している間にコツを掴んだようで一人で方向転換が可能になりました。
一度降りてきたところで、mia嬢に指導をタッチ!
実はまだターンを教えていなかったのですが、まあ大丈夫だろうと思って任せました。次に会った時にびっくり!プルークで連続ターンをしているではありませんか。
私は『行きたい方向を向けば曲がりますよ~』等と適当に言っていたので、一体どうやって教えたの?とmia嬢に尋ねると
『両方の脚を突っ張るとまっすぐしか進まない。行きたい方向に向いたその時に、下側の肩の方の脚に体重を載せる。その上で反対側の脚の力を抜く。突っ張ったままだと邪魔になるから』という説明をしたそうです。
うわあ!内容は簡単ですが結構上級者向けの説明ですね。でも指導者に対して安心感が持てて、先ほども書きましたように理屈で説明すれば大人はこれでいいのでしょう。
というわけでクローズ寸前に汁谷コースに行ってみようということになりました。林道コースで幾分急な場所もあるものの、その部分は距離が短い。最後はこのスキー場で一番距離の取れる緩斜面なので、右に左に大変楽しそうに滑っていました。
まずは成功と。
いつも思いますが、良いイメージを付けさせるためには子供や初心者ほど上手い人が教えるべきで(私などではなく正規のインストラクターが)スキー場でみかける初心者の団体レッスンは最も劣悪な方式です。滑る練習より止める練習をしているのじゃないか?とさえ思えます。
出来れば晴天で、広くて空いている緩斜面の距離の取れるスキー場のプライベートレッスンが極上なのは言うまでもありません。また正式なインストラクターではない親や友人が教える場合も同様で、遊ばせるだけならともかく、スキーをうまくさせたいなら決して教えてはならない人たちの部類に入ってしまいます(感情的になりやすい、イデアになりにくい)。



さて、ちょっと間が空いたのにはいくつか理由がありますが最大の理由は、新しいMacBookPro15(クワッドコア)へのデータ移行をしていたからです。
ReopardからSnow Reopardであり、Time Machineも作動させてあるから楽々だ、と思っていたのが大間違い。
OSが立ち上がり、設定アシスタントでTime Machineから移行しますか?と訊かれて、迷わずほいほいと外付けHDDを接続、、、出来ない。
なんとMacBookProのFireWire(Windowsな方に説明しますとIEEE1494)の規格が400から800に変わっていたのです。仕方なくUSBで接続したら妙に早く終わってしまった。
見ればデスクトップしか再現されていない。ムービーやiTunesの曲、iPhotoの写真などが移行していない。
そういえば『FireWire又はネットワークで』と書いてあった。何かしらUSBでは都合が悪いのだろうと思い、ユーザーも上書き出来ないものですから、再インストールし新たに借ユーザーを作って付属アプリケーションも入れ直して、今度は無謀にも無線LANで移行アシスタントを!
5時間程度は覚悟していましたが、結局15時間程度もかかってしまいました(~_~;)
まあ150GB前後の量があるのでAirMac Express経由じゃ仕方ないんでしょうが。。。早く400/800変換アダプタを買って新しいTime Machine環境を作らなきゃ、と思うのでありました。
それを差し置いても、この移行っていうのは素晴らしいですね。
ほとんど全ての設定がそっくりそのまま新しいMacBookProの上で再現されています。メーラーの設定も不要、ブラウザのブックマークも何もかも従来通り。
今後ますますPCが高機能になり複雑化しHDDが肥大するに従って、まるごと高速転送という手段しかデータ移行はあり得ないと思わせます。

ちなみにやや動作が不安定になっていた旧MacBookPro15は大幅にデータを削除し、家族みんなのMacとして復活させます。
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モーグルコースに於ける失敗例と成功例

2011年03月24日 23時50分11秒 | スキーテクニック編
仕事の多忙さに加え、震災の影響で(と書けば何でも免責されるわけではないですが)シェア98%の某製薬会社の工場操業停止があったため薬剤不足に陥り、その手配のためストレスがピークに達しかけていました。
ストレスたまると副腎皮質からcortisolが分泌されすぎて身体に良くないのは分かっているので、少々それを逃がすために合間を縫ってびわ湖バレイに行ってきました。たった一時間半程度滑るだけですけど。
本日のコンディションは寒気が入って全体的に硬いバーン。
モーグルコースはライン出し(人工コブを作るための作業)のためセミクローズ。こういう時にラインを出すためにコースに入るのは許されているので、しっかり回し込んで滑り降りてこなければなりません。
ところがコースに入っている何人かは明らかにまっすぐに滑っており、ボトム部分の10ターンあたりは後傾・暴走し、回しきれずに、ほぼ直滑降。却ってコースを破壊している有様。
丁寧にポールを立てプルークでライン出ししているパトロールの方に悪いし、何より週末に向けて作っているモーグルコースが無茶苦茶になってしまいます。
しっかり回し込むことが出来ないのであればコースに入るべきではありません。もしライン出しに協力するのであればプルークで回してゆっくり降りれば良いのです。

さて失敗例と(私にしては)成功例を並べてみます。
左は意外と硬いバーンに身体が遅れてしまっている例。1コマ目は上体が被りスネの角度が甘くなっています。そのためコブの裏側を捉えきれていません。結果2コマ目では脚を伸ばして雪面を捉えに行ってしまっています。
3コマ目でも遅れは取り戻せず、所謂『くらった』状況がよく見て取れます。悪い好例?ですね。
右の写真に移ります。今度は気を取り直して重心を3cmほど意識的に前にし、スネ角を深く取り滑りました。
上体の被りもなくなり、特に2コマ目では脚を押し出すことなくスキー板と重心が同じ速度で落ちて行くことが出来ていることが見て取れます。
このように調子の悪い時は、その時の自分のイメージに合った改善法を幾らか持っておくと良いと思います。アイズアップ・手は上に前にワイドに構える、を基本に、私のイメージ改善法は以下の通り。
※板と重心の距離を離さない
※コブの裏側のみプレスする意識で滑る
※コブの裏側の一番上でスキー板の方向が既に切り替わっているように(これはピッチの短い階段状の急斜面自然コブで有効)
※滑るラインだけを意識して溝やふくらみを見ない
※祓川先生の滑りをイデアとして想起する(一番重要ですね!)
他にもいろいろなイメージ法はあるでしょう。各人の滑りに合った改善法をいくつか用意しておくと立ち直りやすいと思います。
(イメージするイデアの前提が狂っていると何をやってもだめですけど)
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古い既知の方と滑る

2011年03月22日 23時51分54秒 | スキーテクニック編
箱館山スキー場でモーグルが盛んだった頃、一番奥の自然コブの短いが30度の荒れたコブ斜面で練習を重ねていた時期がありました。
その頃よりの顔見知りで、時々声をかけあっていたQさんと久しぶりにびわ湖バレイで滑る機会がありました。
二人とも毎週日曜日にはモーグルコースに上がっているのですが、なにせ私は上がるのが遅いのですれ違いなことが多く下のゴンドラ乗り場で『また入れ替わりですねえ』と話していました。
先日の日曜日は珍しく14時前に山頂に上がっていたので、うまく合流出来たので一本だけご一緒させて頂きました。
mia嬢にXactiをお願いして撮影。
左がQさん、右が私です。
Qさんの滑りはモーグルらしく、ラインを直線的に降りてきます。
私はラインは同じですが回し込みながら降ります。
上手いQさんは直線的に降りながらもしっかり板を撓ませコンパクト、スピーディーに降りてきます。
私は回し込もうとしてスピードが落ちています。いやあQさん上手いです!
技術的な上手下手は別としてQさんと私では若干目指すターンが異なるような気がします。
いやそんなには変わらないのでしょうが見た目というか、ターンの質の違いと言うか。
Qさんはなるべくスピードを殺さないためにエッジングしたら即座にスキートップを次のコブにねじ込み板は横を向きません。
私は両腕をワイドに構えて膝の自由度を生かしてターン弧を描こうと苦戦しています。
もちろん点数をつければQさんの勝ちです。
でも私も自分の滑りを目指してターン弧を描きながら降りて来れるように頑張りたいものです。
私はこんな年齢ですが(プロフィール参照)Qさんもそんなに若くないはず(笑)。
常に上手くなりたいという気持ちはいつまでも持ちたいものです(業が深いとも言う)。
というよりモーグルというのはそれほどまでにおもしろいのですネ!
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『足りなくなりそうだと思ったら、いつもの半分の量で、期間を倍に』

2011年03月18日 22時54分34秒 | スキー・自転車・糖尿・メタボリック
すでに皆さん御存知かも知れませんが念のため。糖尿病のインスリンの話題です。
血糖降下剤でも血圧降下剤でも同じですが、いきなりなくなるのがいちばんこわい。
阪神淡路の教訓で特にインスリン使用の方は二週間程度の予備は持ち置くようにとは既に言われていることです(二週間というのは余程の日本全体がダウンするほどの災害でなければ、それまでに医薬品の供給は持ち直すだろうと予測されたため)。
しかしながら緊急時持ち出せない場合も多い。
なのでサブジェクトのように、幾らか手元にインスリンがあるのであれば、せめて一回の量を半分にして倍の期間持たせたほうがベターです。
緊急の場合なので、インスリンの種類が違っても持っている人は持っていない人に分けてあげた方がいい。
超速効型インスリン3回+持続型インスリン1回の方でも、なにもないより(ないとインスリン依存性糖尿病の方は高血糖性昏睡)、人の持ってる中間型インスリンをふつうの半分でも良いから打たして貰う。
自己血糖測定の必要な方は、持ってる人に分けて貰って測定回数を減らして、インスリン量も少なめにしておく。1型でもとりあえずレベミルかランタスだけでも良い。なければ何でも良い。
ハリは数回(もちろん同じ人で)使う。消毒はとりあえずアルコールなしでもOK。
避難所でインスリン使用の方は連絡を取ってやりくりをする。
そういう工夫が必要です。

もしこのブログを偶然見ておられる方がおられたらという前提のもとで具体例を書いておきます。
なので、そういう方は御存知だと思うので専門用語のみにします。

各食前にSMBGをして、超速効型または速効型を打ち、寝る前又は起床時にレベミルかランタスを打っておられる強化療法の方。
例を
超速効型:ノボラピッドフレックスペン
速効型:ノボリンRフレックスペン
中間型:ノボリンNフレックスペン
混合型:ノボリン30Rフレックスペン
持続型:レベミルフレックスペン
とします。

ノボラピッドをSMBGのスライディングスケールで使っている方で、SMBGが出来ないとして、ふだん以下のような場合
朝8ー昼8ー夕8ー眠前レベミル20

で、混合型のノボリン30Rフレックスペンしか手元にない場合。
もちろん量は不足ですが30Rを朝10~15、夕10~15で取り敢えず凌ぐ。場合によっては2食とする。
それもない場合は超速効型+持続型の一日合計単位の半分をどのタイプのインスリンでも良いので、出来れば1/2量を打つ。
他の強化療法でない方は、手に入ったインスリンの種類(特に持続時間)に注意していつもの1/3でもいいから打って下さい。
あと、空打ちはしない。

おまけですが、ビクトーザを使用の方は、0.9mgでなく0.6又は0.3で。基本的に2型なので経口剤でも凌げないこともありません。
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LDLコレステロール測定に関して

2011年03月17日 00時41分46秒 | スキー・自転車・糖尿・メタボリック
現在主なLDLの測定・判定には以下の方法があります。
1:直接測定法
2:Friedewald式(F式)
3:non-HDL法

4:LDL/HDL比
(※これは主に測定法ではなく動脈硬化の判定に使用するのでニュアンスが違います)
で、現在動脈硬化学会が現在、直接法でなく2:のF式を使うよう推奨しています。
ここで懐疑的な私のこころがムクムクと。
それほど差があるのでしょうか?
試しに一ヶ月間のDataを集めてファルコバイオシステムズによる直接測定法と、同検体を使ったF式によるものを対比してみました。
n=167。ただしバックグラウンドなど一切補正していません。。。。。て申しますか時間がない(~_~;)
ここで意外な発見。いままでF式を使う場合はTGが400以上の場合誤差が強くなるのでそれ以下の場合にF式を使うようにとされていましたが、実際はTG250程度でも10%程度の誤差が出ることが多い(F式の値が低く出る)。
動脈硬化学会ではTG400以上では3:のnon-HDLを使用と勧告していますが、臨床上250を越した場合にはF式を使わない方が良いと思います。
non-HDLはTCーHDL+30で基準値の140に相当するとされていますが私はまだ計算していません。
先日、2011年2月16日のエントリーで群馬大学の倉林正彦先生にお尋ねしたLDL/HDLに関しての質問に一般診療では直接法を用いても構わないというお答えを頂きましたが、今回の私のデータからも同意できます。TGが250以下という条件付きですが。
それ以下の値での値は直接法に比較してF式は約3~5%、多くとも10%以内程度の誤差に留まっていますから、実際の臨床では直接測定法で問題はないと思います。
もちろんこれはファルコバイオシステムズによる測定法の厳密さによるものも大きいと思いますので、皆さんが外注している検査センターがどこまで正しいかは分かりません。

■結語■
TG値が250以下であるときはF式でも直接法でもあまり変わらない。

どっかで発表出来そうだ。

写真は私。体軸の入れ替えだけを考えてターンに入ろうと考えていますが、低速緩斜面で、さすがにこれは内倒気味。
mia嬢に負けてるぞー!
週末は今シーズン終了しそうなびわ湖バレイに行こうかな?と考えています(^^)
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SAJバッジテスト一級について(2011年)

2011年03月16日 00時26分55秒 | スキーテクニック編
いつもコブの記事が多いので偶には基礎スキーの話を。mia嬢の話です。
昨シーズン偶然二級の検定日に赤倉に滞在していましたので、きまぐれな感じで急遽受験。講習内検定で4点加点(大回り66点、小回り67点、フリー66点)で合格していました。
加点があるなら一級もコブの合間に取っておいたら?という話にはならず、それでも2010年11月にワンゲルスポーツに立ち寄った際、K深先生のアドバイスもありアトミックの基礎板(2011年モデル、CLOUD 8:158cm、121-73-108、R=12m)を購入。基礎板履いて検定も悪くないよと唆したのは確かではあります(笑)
相談して敢えてこの板にしたのにはいくつか理由があります。モーグル板とフリーライド板しか履いたことがないのと、多くのスキーヤーが硬すぎる板を選んで失敗しているのをよく見ているのでステップアップ用にはこの程度の柔らかさ&トーションがベストだと思ったからです。
長さに関してはどうでしょう。mia嬢はスキー歴こそ120~130日程度ですが、女性としては上背にも比較的恵まれ(165cm)居合・剣術・短杖合わせて八段の武道家かつ乗馬、クレー射撃もこなす運動神経の持ち主ですが、絶対的筋力にやや欠ける華奢なタイプなので柔らかくとも、もう少し長めの板でも良いかな?とも思ったのも確かですが、一級で要求されるスピードを考え併せると158cmで良いだろうと考えました。またCLOUD 8は158cmが最長というのもあります。
DEMOモデルは少なくとも一級所持以降でじゅうぶんです。
これが自動車なら、若葉マークの人が高性能なスポーツクーペを買っても練習すればある程度いずれ乗りこなせるようになりますがスキー板やブーツはそうではない。寧ろ硬すぎて上達を妨げることが多いものです。
さてそんなことで2011年3月一級受験目標でシーズンに入りました。
モーグル系やコブを滑るのが好きな人間は、ほぼ常にスネを良く曲げ前圧をかけていることが多いもの。mia嬢もその例に漏れず基礎板の性能を生かし切れていませんでした。
正月の爺ヶ岳、さのさかと滑り(後半はモーグルスクールですが)、2月の志賀高原で『その外向傾の強さでは一級は受からない』とプルークから再指導を受けて練習。
インストラクターの先生から『内倒させられる、ロタシオン(ローテーション)させられる』と愚痴っていましたが、それは内倒ではなくスピードに耐えられる体軸の使い方なんですよと納得して貰い赤倉に臨みました。
事前講習を含む赤倉での二日間のレッスンで、『内向傾』とでも呼ぶべき荒療治で一気に板の走りを理解し、その後は大回り、小回りでもそれを使えるようになりました(『内向傾』はたいへん面白い練習法ですので後日一項設けたいと思います)。→設けました
私の一級はゲレンデシュプルング(Geländesprungのこと。人によっては動詞形でGelände springenとも)が種目にあったような太古の時代に取得したものですから、それから考えるとスキーの軌跡と重心の落とし込みという根本は変わらないにせよ、その種目や方法論は随分異なります。
中急斜面大回り、不整地小回り、急斜面小回り、急斜面大回り、フリー滑走という順番で5項目行われました。
得点はそれぞれ70点、70点、70点、71点、71点で合計352点でした。一級の取得要件は合計で350点以上ですので合格です。
ちなみに傍から見ていた私の予想は71点、71点、69点、70点、71点で合計点は同じ352点でしたが内容が違う。やはり検定員とは着眼点が異なるということです。
参考までに、二級から一級のための基礎スキーの練習に費やした日数は約二週間です。

さて良く話題になるSAJとSIAの技術検定の差異ですが、両方持っている状態で比べてみると大きく考えて、ほぼ一級=ゴールド、二級=シルバーでよろしいかと思います。
一級とゴールドでは着眼点や種目(SIAに於けるステップターン=シェーレンウムシュタイク)は異なりますが大勢に影響なしでしょう。
実際9年前、一週間以内に連続して両方を受験したSHUTA氏は、一級でもゴールドでも加点4点と同程度の点数で合格していますので、総合的に判断してそれくらいの技術とスキーの捌き方を出来るのであれば両者の差はないと言って差し支えないと思います。
あまりに細かく考える必要はありません。SAJのターンに対する細やかさ、SIAのステップターンの差はありますが、それ対応の練習をすればお互い取得可能です。
また今回SAJはステージ1(認定指導員)というものを作って二級以上で受験可能。これはSIAのシルバーを取ったらステージ1と同じ考えです。これはなかなか興味深いです。
今日はこれくらいで。

写真左:フリー(総合滑降)、検定中
写真右:不整地小回り、検定中
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デュアルモーグル・競輪ダービー(G1)・低炭水化物ダイエットの危険さ

2011年03月06日 23時21分18秒 | スキーテクニック編
ちょっと糖尿病治療に於ける極低炭水化物ダイエットの問題点を考えてみましょう。
1600kcal(20単位)の食事であれば、表1:10単位、表2:1単位、表3:5単位、表4:1.4単位、表5:2単位、表6:1単位、調味料0.6単位のバランスになります。
もし極低炭水化物ダイエット(糖質一日150g以下)とすると、じゃあ何を増やせばいいのか?糖質150gはおおむねごはん500gに当たります。
ごはん500gは表1で10単位。つまりこれが最低限人間が摂るべき炭水化物ということになり、上記の食品交換表によるものとほぼ一致します。
で、これを減らすとなると他のものを増やさざるを得ない。例えば蛋白質(表3)を増やすとかですね。
そうなると確かに目の前の血糖は下がります。しかし長期にわたると高蛋白質食ですから腎臓への負担が増える→CKD(慢性腎臓病)のリスクが一気に跳ね上がって将来的には透析へ移行することが多くなることは容易に想像できます。
実際知り合いの糖尿病専門医から、長く極低炭水化物ダイエットを他医療機関で続けた人が腎機能低下を起こして却って医療費はかかるし治療に苦労するしという愚痴を聞きます。
現在のところ炭水化物は食事全体の40%~60%として、それで血糖が上がる場合は薬物療法を行うというのが標準治療です。
私も長い目で見るとそれがベストかと思います。
食事療法は10年間であるとか長いスパンで考えないと危険です。現在極低炭水化物食をしているかたはそのリスク(将来の透析や失明など)をじゅうぶん認識しておられるか非常に懸念されます。

さて今日はびわ湖バレイ。
後半視界は悪くなっていましたがモーグルコースの状況はすこぶるよく、友人とまたデュアルなどして楽しんできました。
デュアルのいいところは体の重心が前へ前へ出ることだと思います。
危険のない場所であれば偶にはそうやって遅れがちなポジションの矯正をするのはとても良いことです。


さあ!昨年の村上博幸選手に続き、今年は兄の村上義弘選手が優勝しましたね!
感激的です。引き続き今シーズンの活躍に期待したいものです。


おまけ。まつと今川義元。
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アディポネクチン受容体の話&64回、競輪日本選手権(ダービー)

2011年03月04日 00時35分44秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
小型脂肪細胞から分泌される抗糖尿病・抗動脈硬化ホルモンであるアディポネクチンには受容体が存在します(AdipoR1・AdipoR2)。
これらの受容体はAMPキナーゼ(Adenosine MonoPhosphate Kinase)およびPPARγ活性化の代謝作用を“伝達”します。
肥満状態では上記受容体発現レベルの低下を惹き起こしアディポネクチン抵抗性となり血中アディポネクチンの低下と相まってインスリン抵抗性が惹起されます。
PPARγアゴニストはAdipoR1・AdipoR2受容体の発現を増加。
また高活性型・高分子量のアディポネクチンを増加させるPPARγアゴニストとの併用は相乗効果が期待されるそうです。
これらよりこれらアディポネクチン受容体の活性化は肥満の改善が根本的に期待できるのではないか?ということです*1。
インスリン抵抗性を惹起する因子は数多くあれど、改善させるのはアディポネクチンだけらしいです。この点インスリンに似ていますね。

現在この薬は存在しないので、せめてPPARγアゴニストのピオグリタゾン・フェノフィブラート・イルベサルタンを効果的に使用することが抗糖尿病・抗動脈硬化に繋がるのではないでしょうか?

あとやはり重要なのは地味ですが根本的な運動療法です。またメトホルミンの話の時にでも運動療法の話でもしようかと思います。

ところでAMPキナーゼ(Adenosine MonoPhosphate Kinase)は運動すると、ATPが分解されて、AMPが出てくる。そうすると生体はATPを元に戻そうとするので、糖や脂肪を使ってATPを作ろうとする。それを活性化するのがAMPキナーゼです。
(キナーゼはターゲット分子をリン酸化する酵素の総称です)

少々端折りましたが、上記のような研究は非常に大切ですが、まずは運動療法をするのが一番効果的であるとも言えます。
ってことで今日は固定ローラー台40分間。
さあ!筋肉にブドウ糖を取り込もう。薬の力を借りずにね!
※写真は94期:佐賀県・山田庸平選手の三本ローラーもがき

3月4日、日本選手権競輪4日目GDR賞。やー!深谷知広選手乗りましたねー。
番手はヤマコーさんでしょう。この強力メンバーの中で堂々のレースをする期待大です。もちろん我が村上義弘選手にも是非頑張って欲しい。

*1:『アディポネクチンとアディポネクチン受容体』山内敏正・顔脇孝(最新医学・63巻・10号)
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