silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
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とりあえずガイドラインは守ろう

2011年02月28日 23時57分33秒 | 糖尿・メタボリック・自転車
最近はコレステロール関係の話題で喧しいです。
いろんな人が好き勝手なことを言っている印象すらあります。しかし考えてみれば今さらですがガイドラインというのはスタディーや実績の蓄積の上で成り立っているものです。
それをたとえば製薬会社の陰謀みたいにいう人がいますが、それは違うんじゃないかと思います。
基本的に性善説なのかも知れませんが、やはり目の前にいるハイリスクな方を見て何とか合併症を起こさないようにしたい。二度と心血管イベントを起こさないようにしたいと考えるのが医療に携わる人間だと信じています。
確かに薬剤を多く使ってもらうようなロビィ活動はあるのかも知れませんが、その創薬にかかわる研究者の皆さんは絶対に罹病している人を何とかしたい。疾患に対して対策を取りたいと思っているはず。
なかには根拠のないコホート試験を持ち出してコレステロール値が高い方が長寿なのでスタチンの服用は悪であるとさえ決めつけるような人もいますが、私は問いたい。
以前に心筋梗塞を起こしていて、血糖も高い、non-HDLコレステロールも高い、血圧も高い。そういう方を目の前にして明らかに二次予防の効果が高い(エビデンスが確立している)これらのコントロールを止めろと言えますか?

そういえばこんなことがありました。
『この仕事をしてから15年たつけど、そんな経験したことがない』
え?あなた一人のたった15年間の経験と、数十年にわたる何十万何百万という症例の蓄積は等価値なんですか?わたしは呆れてしまいました。

当然のことながらコレステロールが高く、肥満や喫煙等もなく、いままで何のイベントも起こしたことのない70才の方に『さあコレステロールを下げる薬を飲みましょう!』という一次予防的治療には必ず賛成ではありません。何故なら一次予防に対する効果が確認されていないから。
でも高血圧があって頸動脈にプラークが認められたらどうでしょう?
いままで何もなくてもそれはスタチンの出番かも知れないと考えるのがテーラーメイド治療というもので、多くの当事者は既に実践しているものだと思います。70才でもです。

他に例をひいてみます。
極度な炭水化物制限で血糖を下げる(実際下がります)ことで糖尿病コントロールをしようとする試みをしている方たちがいます。
でもそれはひいては蛋白質の過剰摂取につながり遠からず腎機能障害を引き起こします。で、その頃にはその医療機関には腎障害を起こした方は行かないわけですね。
その後の“尻ぬぐい”を誰かがしているということを知るべきです。
ガイドラインにはどこにも糖質を150g以下にしろとは書いていません。自分の狭い経験からのみ、それが良いと信じて指導しているわけです。もちろん善意からだというのは理解できます。
しかし人の一生は大切です。その方の標準的治療を受ける機会を奪うというリスクを自分が引き受けるだけでは足りません。
自分一人の経験だけから演繹しない。それが科学というものです。
持論で、かけがえのない一人の人生に試すことは許されない。
ガイドラインは絶対ではないが、英知の集積ということを忘れてはならないと思います。

さあ3月1日から日本選手権競輪(ダービー)ですね!果たして村上義弘はいかに!?

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